金融商品取引法施行の背景

近年、わが国の金融・資本市場を取りまく環境は、大きく変化しています。環境変化に対応するため、2006年6月、通常国会で「金融商品取引法制」を整備する法改正が成立しました。具体的には、以下のような点が課題となっています。

利用者の視点

金融技術の進展などを背景として、利用者保護法制の対象となっていない金融商品が出現しており、利用者被害が生じるケースもみられます。→包括的、横断的な利用者保護ルールを整備し、利用者が安心して投資を行える環境を整備する必要があります。

市場の視点

わが国の家計金融資産は預貯金が中心となっており、「貯蓄から投資」が課題となっています。他方、投資の受け皿となる「市場」のあり方をめぐり、さまざまな問題が浮上しています。→市場の公正性・透明性を向上させ、わが国市場に対する信頼を回復させることが不可欠となっています。

国際化の視点

金融・資本市場のグローバル化が進展する中、諸外国・地域では、市場法制や市場インフラの整備が進められています。→国際市場としてのわが国市場の魅力を高めるための取組みを急ぐ必要があります。

出所:金融庁「新しい金融商品取引法制について」