マーケットアウトルック - アジア市場 -

投資の視点は2018年6月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/7/9 現在

投資の視点

中国の5月の月次統計は総じて減速しましたが、その主因は低調なインフラ投資など構造改革の進展です。6月政府版PMI景況感は製造業がわずかに低下しましたが、非製造業は予想を上回る上昇となり、内需は底堅いとみられます。全国人民代表会議(全人代)で決定された「高品質成長」に転換する方針と整合的と言えるでしょう。
米国との通商摩擦問題は両国の制裁関税が発動され、長期化が予想されますが、中国の輸入拡大などの譲歩を通じた着地点模索が続けられるでしょう。通商摩擦に伴う景気減速に備えて、金融リスクの抑制など安定を重視した慎重な姿勢を維持しながら、金融緩和や財政出動の政策対応が見込まれます。6月24日に発表された預金準備率引き下げ(実施は7月5日)はその一環であり、年内に少なくとも預金準備率の再引き下げが予想されます。
香港H株(ハンセン中国企業株)指数は中国経済減速に対する懸念の後退などを背景に2018年1月26日に2年7ヶ月ぶりとなる13723ポイントを記録しました。その後は米国金利上昇、米中の貿易摩擦問題が株価の重石になりました。また、米国金利が上昇する中で、香港では中国本土からの資金流入が続き、香港の金利が低下し、香港ドルが対ドルペッグ(固定)制の下限まで減価しました。このため、4月中旬に香港金融管理局が香港ドル買い介入を実施しました。流動性の縮小懸念が株価の足を引っ張りましたが、流動性逼迫には至らず、株価はボックス圏の推移が続きました。6月に入り、中国景気の減速が懸念され、さらに米中通商摩擦が激しさを増し、米国の追加関税発動、中国の報復関税発動が確実となり、株価下落が続き、11ヶ月振りの安値の水準となりました。7月6日時点では悪材料は一旦織り込んだとして前日比小幅上昇の10622ポイントとなっています。

グラフ

(注)中国は上海A株指数、韓国は韓国総合株価指数、台湾は台湾加権株価指数、香港はハンセンH株指数
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は、2018年7月6日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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