マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2018年3月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/4/9 現在

マーケット動向から

豪ドルは、2017年6月下旬以降、中国経済が安定感を増したことや米国長期金利の低下を背景に上昇基調を強め、2017年9月8日に1豪ドル=0.805米ドルと2015年5月以来の高値を付けました。9月下旬以降には、米ドルの反発や資源市況の軟化に加え、10月25日発表の豪州の7-9月期消費者物価上昇率が市場予想を下回ったことを受けて豪ドルは反落し、12月初旬には同=0.75米ドル台へ下落しました。その後、資源市況の持ち直しを背景に、豪ドルは反発して2018年1月下旬には同=0.80米ドル台を回復しました。
2018年1月末に発表された2017年10-12月期の消費者物価上昇率は、前年同期比+1.9%と同年7-9月期の同+1.8%から小幅加速したものの、市場予想を下回りました。加えて、2月初旬の世界的な株安に伴うリスクセンチメントの高まりもあり、豪ドルは弱含みました。RBA(豪州準備銀行)が政策金利を当面据え置く見通しである一方、3月21日に米国で利上げが実施され、豪米の政策金利水準が逆転したことも、豪ドル相場の重しとなっています。
豪ドルの対円相場は、2017年9月中旬からの急速な円安進行を受けて、9月20日には2015年12月以来の1豪ドル=90円台を付けました。その後、概ね同=87~88円のレンジで推移しましたが、円反騰を受けて11月末に同=84円台まで下落しました。2018年1月半ばから下旬にかけて、豪ドルは対円でも資源市況の上昇を好感する形で上昇しました。しかし、2月以降の円高進行を受けて、豪ドルは対円で下落基調となりました。さらに足元では、米国と中国の貿易摩擦に対する警戒感から、円買い・豪ドル売りの傾向が強まっています。2018年4月9日15時現在、対米ドルでは0.76米ドル台後半、対円では82円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月6日)

金融政策動向

RBAは2018年4月3日の金融政策会合において、18会合連続で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。声明文では、「賃金上昇率は底入れしつつあるようだ」との文言が繰り返されました。景気回復に伴いインフレが加速する時期が早晩訪れるものと思われることから、野村證券では利上げ開始時期を従来予想の2019年2月から2018年11月へ前倒ししました。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月6日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、中国経済の安定化や商品市況回復を背景に、2016年12月以降は概ね買い持ち超過で推移しました。2018年年初には一時的に売り持ち超過となりましたが、2月以降は買い持ち超過が続きました。しかし足元では、豪米政策金利の逆転などを背景に、売り持ち超過に転じています。2018年4月3日現在、約5千枚(約400億円)の売り持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

2017年の実質GDP成長率は前年比+2.3%と、潜在成長率とされる2.75%を下回りましたが、今後は、インフラ投資の増加に加え、新たな天然ガスプロジェクトが稼働することによる資源輸出の増加や、観光客や留学生の増加といったサービス輸出の拡大も期待されます。野村證券では2018年は2%台後半の成長が続き、年間では前年比+2.8%と、潜在成長率を上回る成長を予想しています。足元のインフレ率はRBAのインフレ目標圏(同+2~3%)を依然下回る水準にありますが、景気回復に伴ってインフレが加速に向かえば、市場における利上げ期待が高まりやすいと見られます。利上げ期待は、資源価格の安定とともに豪ドルの支援材料になると見られます。野村證券では、向こう1年間の豪ドルの対円相場のレンジを1豪ドル=77~87円と予想しています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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