マーケットアウトルック - 欧州市場 -

投資の視点は2017年12月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/1/9 現在

投資の視点

ユーロ圏景気は好調です。ECB(欧州中央銀行)は2018年初から量的緩和(QE)縮小に着手しますが、インフレ圧力は限定的であり、ユーロ相場に配慮しながら慎重にQE縮小を進めるため、長期金利の上昇は緩やかと予想します。ドイツの大連立政権に向けた交渉、3月4日実施のイタリア総選挙など政治リスクは続きますが、反EU(欧州連合)の動きは高まらず、市場への影響は限定的と見ています。業績見通しは良好で、業績相場が続くと予想します。

経済指標より

ユーロ圏の2017年7-9月期実質GDPは消費や設備投資の拡大から前期比年率+2.4%と前期の同+2.8%に続き、高成長を維持しました。ユーロ圏12月のPMI製造業景況感、消費者信頼感などは一段と上昇し、景気の上振れが続いています。野村證券ではユーロ圏実質GDP予想を2018年に前年比+2.4%、2019年に同+1.8%と予想します。

金融政策動向

・ECBは2018年1月より資産購入額を月間600億ユーロから300億ユーロに減額すると決定、2017年12月の金融政策理事会では慎重に金融政策の正常化を進める指針を繰り返しました。ユーロ圏の12月消費者物価(CPI)は前年同月比+1.4%に減速した上に、賃金の伸びは低く、QE縮小に伴うユーロ高圧力を無視できないことからECBは当面インフレ目標の同+2%弱を下回ると予想しています。利上げ時期は遅れる可能性が高いと見込まれます。
・英国中央銀行は2017年11月に10年ぶりの利上げを実施しました。通商協議入りとなったEU(欧州連合)離脱交渉の先行きに関する不透明感は強いものの、CPI上昇率は9月以降前年比+3%台が続き、2018年も利上げを継続すると予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年1月8日)

今後の注目点

経済成長が続く中で、賃金とユーロ相場は緩やかな上昇に止まると見込まれ、欧州ストックス600指数の2018年1株当たり純利益は前年比2ケタ増益見通しとなっています(ブルームバーグ調べ、基準となる2017年は継続事業ベース、1月8日時点)。2018年3月4日実施のイタリア総選挙でEU懐疑派政党が政権に就くリスクは選挙法改正から後退しています。欧州ストックス600指数の1年間のレンジを370~450(1年後の目標は440)ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

2017年に入り、ユーロ圏の景気回復を好感し、DAX指数は3月1日に1年11ヶ月ぶりに終値で12,000ポイント台を回復しました。4-5月の仏大統領選挙でマクロン候補が勝利し、株価は上昇に転じ、6月18日のフランス下院選挙でマクロン大統領の与党勝利が好感され、一段高となりました。
6月27日にドラギECB総裁が「デフレ圧力がインフレ圧力に代わりつつある」と発言、ECBの金融緩和の出口が意識されてユーロ高傾向となり、株価は軟調に転じました。7月には英仏が2040年を目途にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表、ドイツ自動車メーカーの談合疑惑も浮上し、自動車株が低迷しました。4-6月期決算は好調でしたが、北朝鮮など地政学リスクが懸念され、軟調な地合いが続きました。
8月末以降、ユーロ高が一服し、銀行、化学、鉄鋼、資本財セクターで国境をまたぐ再編の動きが浮上、株価は景気敏感株を中心に反発に転じました。スペイン・カタルーニャ州の独立を巡る住民投票を乗り越え、10月16日にDAXは13,000台に達し、11月初めに欧州ストックス600指数も年初来高値を更新しました。サウジアラビアを巡る地政学リスクやドイツの連立政権交渉の決裂が嫌気されましたが、後者は大連立政権樹立交渉が開始され、安心感が広がりました。12月21日のカタルーニャ州議会選挙は独立支持派が勝利しましたが、独立へのハードルは高く、市場への影響は軽微でした。年末に掛けてユーロ高が進み、株価は足踏みとなりましたが、2018年に入り、米国株高やユーロ圏CPI減速に伴うユーロ高一服から反発し、1月8日時点でDAXは13,367ポイント、欧州ストックス600は398ポイントとなり、後者は昨年来高値を更新しました。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年1月8日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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