マーケットアウトルック - ブラジルレアル -

投資の視点は2018年6月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/7/9 現在

投資の視点

2018年に入り、年金改革の遅れを要因に大手格付け会社2社が相次いで信用格付(※)格下げを発表しましたが、レアルへの影響は軽微でした。2月に米国金利の急上昇からレアルは不安定な推移となり、円高進行も加わり、対円で下落しました。低インフレが続き、ブラジル中央銀行(BCB)は2月、3月に利下げを実施した上に5月の追加利下げを示唆、さらに米国金利上昇後もBCB総裁が金融緩和継続方針を示したこともレアル安材料となりました。
ルラ元大統領が収監され、出馬の可能性が消滅した4月中旬以降に実施された大統領選世論調査では構造改革派候補の支持率低下が続き、構造改革継続を巡る不透明感がレアルの重荷になりました。ブラジルの主要輸出相手国である隣国アルゼンチンの通貨ペソが5月以降急落し、景気に悪影響が及ぶとの懸念が強まったこともレアル安圧力となりました。このような状況を受けて、BCBは5月16日に利下げを見送りましたが、レアル安は止まりませんでした。
5月下旬に国営石油会社が原油高に連動して燃料価格を値上げしたことに抗議するストライキが全土に広がり、テメル政権は鎮静化のためにディーゼル油の一時的な値下げを実施しました。しかし、財政悪化を連想させ、レアルは対円で一時27円台に下落しました。BCBの先物市場での介入強化も効果は限定的でした。6月20日の政策金利据え置きにレアルは反応薄でしたが、ストライキの景気への悪影響が企業景況感や消費者マインドなどの経済指標に現れ始めた上に、米中の通商摩擦問題に伴う市場のリスク回避度の高まりもあり、7月9日15時現在、対ドルで3.8レアル台半ば、対円で28円台半ばと軟調な推移が続いています。野村證券では、今後1年間のレアルの対円相場のレンジを25.8~30.4円と予想します。(※無登録格付)

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年7月6日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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