マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年12月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/1/9 現在

マーケット動向から

ドルは2017年7月初旬には好調な6月の経済指標を受けて114円台へ上昇しました。しかし、6月の米消費者物価(CPI)の伸び率が減速したことや、7月FOMCの声明文が加速しないインフレに言及したため、8月3日には109円台へ下落しました。その後一時110円台を回復したものの、9日には北朝鮮が小型核弾頭を保有しているとの報道から再び109円台へ下落しました。米7月CPIが予想を下回り、北朝鮮を巡る地政学リスクが意識され、11日には108円台へ下落しました。
9月8日には税制改正審議の進展が望めないとの見方が広がり、ドルは107円台に下落しました。その後、11日に国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択したことなどを受けて111円台へと反発しました。27日にはホワイトハウスと議会共和党が減税案の概要を公表したことを受けて一時113円台へ上昇しました。10月6日発表の米9月雇用統計で時間当たり賃金が加速したことを受けて一時113円台半ばへドルは上昇しましたが、「北朝鮮が米西海岸に到達可能な長距離ミサイルの発射実験を計画」との報道を受け、112円台へ反落しました。
10月22日の日本の総選挙における連立与党の大勝を受けて、日銀の金融緩和政策継続見通しなどもあり、113円台へ上昇し、更に11月2日に米共和党指導部が減税案を公表したことなどを受けて一時114円台へ上昇しました。その後、13日に黒田日銀総裁が講演においてリバーサル・レート(金利がある一定水準を下回ると、かえって貸し出しなど金融仲介機能に悪影響を与えるとの議論)に言及したことを受けて、円高気味に推移しました。29日にはイエレンFRB議長が議会証言で「インフレ率の低位での推移は一時的な要因によるもの」と発言し、ドルは112円台を回復しました。
12月に入ると、米減税法案成立の期待により米金利が上昇する中、113円台へ上昇する局面も増えてきましたが、概ね112-113円台で推移しています。2018年1月9日15時現在、112円台後半で推移してます。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年1月8日)

金利動向より

米10年国債利回りは2017年6月23日には弱めのインフレ指標を受けて、2.13%へ低下しました。その後、6月27日のドラギECB総裁の景気に対する強気の発言や、英国、カナダ中央銀行などの利上げを示唆する見解を受け2.38%へ上昇しましたが、9月に入ると北朝鮮の地政学リスクを意識して7日には2.04%まで低下しました。その後、8月CPIの加速や減税期待を背景に上昇に転じています。12月20日には税制改正法案が議会で可決される見込みとなったことから2.47%へ、更に21日には一時3月以来となる2.50%台へ上昇しました。2018年1月8日現在、2.48%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2018年1月2日時点では約13.5万枚(約1兆7,000億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

FRB(米連邦準備理事会)は10月から保有資産の縮小を実施しています。また、ECB(欧州中央銀行)も10月26日の金融政策理事会で2018年1月よりQE(量的緩和)の縮小を開始し、同年10月に資産購入額をゼロとすることを決定しました。野村證券は同年10-12月期に利上げを実施すると予想します。一方、日銀の金融緩和は長期化するとみられますので、金融政策の方向性の違いから円安基調へ回帰することが想定されます。2018年末のドル円レート予想を120円、向こう1年間の想定レンジを110-123円とします。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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