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マーケットアウトルック
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米ドル/円
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投資の視点は2010年8月16日「野村マンスリー・リサーチ会議」に基づいています。
2010年8月23日現在
6月中旬以降に発表された米国経済指標が相次いで市場予想を下回ったことを受けて、米利上げ期待が後退する中、FRB(米連邦準備理事会)が6月23日、FOMC(米連邦公開市場委員会)後の声明で米国景気に慎重な見方を示したことから、超低金利政策が長期間続くとの見方が強まり、ドル安・円高方向に推移しました。6月下旬に1米ドル=90円を割り込み、7月1日の海外市場では一時、86円96銭までドル安・円高が進みました。米国の中長期債利回りが急低下する中、金利に敏感な投機筋の円買い持ち高が急速に膨らんだことが円高加速を主導したと推測されます。
7月14日公表の6月22・23日FOMC議事録では、景気・物価見通しが下方修正され、経済見通しがさらに悪化すれば追加緩和を検討する必要があるとの言及が見られたことから、米景気減速やデフレに対する懸念が強まりました。一方、15日の金融政策決定会合で日銀が10年度の成長率予想を+1.8%(4月時点)から+2.6%へと大幅に引き上げたことを受けて、日銀による追加緩和期待は後退しました。米中長期債利回りが一段と低下し、米日金利差が縮小したことから、ドル安・円高が進行し、16日には一時、1米ドル=86円27銭と昨年12月以来のドル安・円高水準を付けました。ただ、日本当局による円売り介入に対する警戒感などから、円は1米ドル=87円台に反落しました。
その後、バーナンキFRB議長が21日の議会証言で、米国経済の先行きについて「異例なほど不確実」と指摘し、景気減速が深刻になればさらなる政策行動をとる用意があるとしたことを受け、ドル安・円高圧力が強まりました。7月30日に発表された米4−6月期GDP速報値が前期比年率+2.4%と市場予想を下回る伸びに留まったことや低調な米経済指標の発表を受け、米追加緩和観測が強まり、米ドル・円相場は8月4日に一時、1米ドル=85円32銭、さらに、米7月雇用統計の悪化を受け、8月6日には85円02銭と昨年11月以来のドル安・円高水準を付けました。
日銀は8月9・10日の金融政策決定会合で、大方の予想通りに追加緩和措置の実施を見送りました。一方、FRBは8月10日に開催されたFOMC後の声明文で、景気判断を大幅に下方修正するとともに、政府支援機関債と住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を、2〜10年物を中心とする米国債に再投資することを明らかにしました。事実上の追加金融緩和策の決定を受け、8月11日に一時、1米ドル=84円72銭と、95年7月以来のドル安・円高水準を付けました。
その後、政府・日銀による円高牽制を受けて、円急伸には歯止めがかかりました。しかし、米国の中長期債利回りの低下が鮮明となり、米日金利差の縮小が円高圧力となっています。8月23日現在、1米ドル=85円台で推移しています。
| (注) |
ニューヨーク連邦準備銀行資料(ニューヨーク市場正午の買いレート)より |
| (出所) |
野村證券投資情報部作成(直近値は2010年8月20日) |
- 米国経済が先行き景気後退(「二番底」)に陥るのではないかとの懸念やデフレへの警戒感が強まり、米10年国債利回りは8月20日には一時、2.53%と約1年5カ月ぶりの水準に低下しました。
| (注) |
各国政策金利(2010年8月20日現在)は以下のとおり。 NZ・豪州:オフィシャル・キャッシュ・レート 英国:オフィシャル・バンク・レート カナダ:翌日物銀行間金利 ユーロ圏:短期オペ最低応札金利 米国:フェデラルファンド・レート スイス:3カ月スイスフランLIBOR 日本:無担保コール翌日物レート |
| (出所) |
データストリームより野村證券金融経済研究所作成 |
- 3月中旬以降、日米長期金利差の拡大などを背景に円安・ドル高が進み、シカゴ通貨先物市場における円売り持ち超過は5月4日時点で約9.2万枚(約1.16兆円)に拡大しました。しかしその後、急速に解消され(円買いにつながる)、6月29日時点で円買い持ち超過に転じ、8月17日時点では約4.8万枚となっています。
- 菅首相は17日、円高・経済対策の具体的な検討に入る意向を示しました。他方、日銀は場合によっては次回9月6−7日の金融政策決定会合を待たずに、臨時の会合を開き、緩和措置を決定する可能性も否定できません。ただし、資金供給オペレーションの拡充に留まると見られ、従来からの慎重な緩和姿勢が大きく変わることはないと考えられます。
- 一方、FRBは、景気や物価動向次第では、次回9月21日のFOMCにおいて、バランスシート(資産)の規模を拡大させる形で長期国債を買い増すといった、さらに踏み込んだ量的緩和策が導入される可能性が見込まれます。
- 米ドル・円相場は11年前半にかけて、米日金利差の縮小観測などを背景に、ドル安・円高圧力が根強い地合いが継続すると予想されます。今後1年間の米ドル・円相場の想定範囲を、1米ドル=84.5〜90.5円とします。
- 内容は、「野村マンスリー・リサーチ会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
- 野村では、グローバルなリサーチ体制の下、世界各地のエコノミストやストラテジストがマクロ経済、株価、金利、為替を分析、予測しています。「野村マンスリー・リサーチ会議」は、グローバルな各資産の見方を議論するうえで必要となる、先行き1年間の主要国・地域の景気、金利、株価、為替見通しを、野村のエコノミスト、ストラテジストが解説する月例の会議です。
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