マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2018年6月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/7/9 現在

投資の視点

トルコリラ相場は、シリア情勢の緊迫化を背景に2018年3月以降下落基調を強めました。トルコ中央銀行は4月25日に政策金利である後期流動性貸出金利を0.75%ポイント引き上げましたが、市場では利上げ幅は不十分との見方が根強く、5月1日の大手格付機関による格下げ(※)や5月3日公表の4月の消費者物価上昇率が加速したことを受け、リラ相場は下げ足を早めました。さらに5月14日、エルドアン大統領が6月の大統領選で再選された場合には金融政策への統制を強めると示唆したことを受け、市場ではトルコ中銀の独立性に対する懸念が強まり、トルコリラは一段安となりました。その後も金融当局による具体的な通貨防衛策が打ち出されなかったことから、リラ相場は対ドル・対円で史上最安値を更新しました。
トルコ中銀は5月23日に3.00%ポイントの緊急利上げを実施しました。同28日には、金融政策の枠組みを簡素化して政策金利を1週間物レポレートに変更し、6日1日より後期流動性貸出金利と同水準の16.50%を適用することが決定されました。さらに、6月7日の定例会合では1.25%ポイントの利上げが実施され、政策金利は17.75%に引き上げられました。トルコ中銀に対する市場の信認が幾分回復し、リラ相場は落ち着きを取り戻しました。
6月24日の大統領・議会選挙では、エルドアン大統領の再選、与党連合の過半数獲得により、現状の政治体制が維持される見通しとなりました。リラ相場は政治的混乱が避けられるとの見方から、小幅反発しています。2018年7月9日15時現在、トルコリラ相場は対米ドルで4.5リラ台半ば、対円で24円台前半で推移しています。インフレ率が高止まりする中、追加金融引き締めの有無や、閣僚に市場の信認の厚い人物が登用されるかどうかが注目されます。(※無登録格付)

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年7月6日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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