マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2018年3月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/4/9 現在

投資の視点

2017年4月16日の国民投票で大統領へ行政権などを移行する憲法改正案が可決され、政治的不透明感が後退したことを好感して、トルコリラ相場は上昇しました。しかし9月半ば以降、イラクのクルド自治政府による同国からの独立要求を受けて周辺地域の緊張が高まったことや、10月8日に米国とトルコが相互にビザ発給を停止したことを受け、リラは下落基調を強めました。11月下旬に、米国の対イラン制裁に違反する形でトルコの国営銀行がイランと金融取引をした疑いから、リラは下落基調を強めました。
その後、トルコ中央銀行による利上げとインフレ減速により、実質政策金利(政策金利ーインフレ率)がプラスに転じ、リラは底固めに向かいました。2017年12月28日に米国とトルコが相互にビザの発給を完全再開したことも好材料視されました。しかし、2018年3月7日に大手格付機関がトルコ国債を格下げ(※)したことに続き、13日に総選挙で与党の勝利を確実にするように選挙法が改正されるなど悪材料が重なり、リラ相場は下げ足を強めました。さらに、トルコが米軍の支援するシリア北部のクルド人勢力に対し越境軍事作戦を展開したことは地政学を高めました。米国やロシアをはじめシリアに関与する国々の利害は相反しており、同地域の情勢沈静化に向けては依然として不透明感が根強く残っています。リラ相場は2018年4月9日15時現在、対米ドルで4.0リラ台半ば、対円で26円台前半と、対米ドル・対円ともに史上最安値圏にあります。
今後、リラ相場が持ち直すには、シリア情勢をめぐる米国との緊張が緩和することに加え、インフレが鎮静化して実質政策金利のプラス幅が拡大することが条件になると見られます。野村證券では、向こう1年間のトルコリラの対円相場のレンジを1リラ=25.9~28.6円と予想しています(※無登録格付け)。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月6日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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