マーケットアウトルック - 日本市場 -

投資の視点は2017年5月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/5/22 現在

投資の視点

1-3月期の米国経済の減速が一時であったとの見方が広がる一方で、欧州の政治リスクの後退もあり、日本の株価は上昇基調にあります。2016年度下期の企業業績はV字回復を達成し、2017年度の会社予想は例年通り慎重姿勢が強いものの、企業の稼ぐ力は着実に改善しています。加えて、緩やかながらもFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが今後も想定される環境下で円高リスクは低下しており、日本企業の業績拡大は続くものと予想されます。引き続き、株価に割高感がないことも指摘されます。5月22日現在、Russell/Nomura Large Cap(除く金融)の2017年度業績は前年度比5.0%増収、同11.1%経常増益を見込んでいます。

株式需給動向より

2017年5月第2週(5月8日~12日)の2市場投資部門別売買状況では、海外投資家は6週連続で買い越しとなりました(5,602億円)。一方、個人投資家は5週連続で売り越しとなりました(5,100億円)。

日本株の注目点

賃金上昇率は弱めの推移が続いていますので先行きの個人消費減速リスクには注意が必要です。しかし、日米欧中の4極経済は揃って拡大が継続する中、日本経済は輸出に牽引され、家計のセンチメントも好転してきています。また、FRB(米連邦準備制度理事会)の6月の追加利上げの公算が大きくなり、その後も着実な利上げ継続方針が示される中、ドル円は6月末に115円/ドル、2017年末に120円/ドルとドル高円安基調への回帰が想定され、日本株は業績に基づく割安感が評価されやすくなったと言えます。2017年末の日経平均株価21000円との予想を継続します。
一方、5月12日に第8回未来投資会議が開催され、日本経済再生総合事務局から「成長戦略骨子(案)」が公表されました。ここでは「Society5.0」が主たるテーマとして挙げられています。Society5.0とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな社会のことであり、サイバー空間と現実社会が高度に融合した「超スマート社会」が念頭に置かれています。具体的には、健康寿命の延伸、移動革命の実現、サプライチェーンの次世代化、快適なインフラ・まちづくり、フィンテックが挙げられています。今後、5月末を目処に「成長戦略素案」が公表され、6月には閣議決定されるものと思われます。医療機器、ITサービスなどの分野が注目されることが考えられます。

株式のマーケット動向から

英国国民投票でEU離脱が選択された2016年6月24日に日経平均株価は14952円へ大幅に下落しましたが、主要中央銀行の市場安定化に向けた姿勢が安心感をもたらし、7月12日には16000円台を回復しました。その後、米経済指標の持ち直しを受けて10月11日に17000円台を回復しました。次期米大統領にトランプ氏が決定し、米上下院も共和党が過半数を制したことから、減税や公共投資の実現可能性が高まったと市場は受け止め、11月21日には18000円台へ上昇しました。12月16日には19000円台半ばまで続伸しました。2017年2月10-11日の日米首脳会談でトランプ大統領から日本の通貨・貿易政策を批判するような発言はなく19000円台を回復しました。
4月に入り中東情勢や北朝鮮情勢の緊迫化を受け18000円台前半へと下落しました。その後、仏大統領選第一回投票においてマクロン氏とルペン氏が決選投票に進むことが決定し、トランプ政権の減税策期待もあり、25日には19000円台を回復しました。5月8日には仏大統領決選投票でマクロン候補勝利確実との報道を受け19000円台後半へ上昇しました。その後は堅調な米国株式市場や、ドルが113円台を回復したことを背景に2万円近傍まで上昇しましたが、ロシアゲートを巡るトランプ大統領のスキャンダルから軟調な展開となりました。5月22日の終値は19678円となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年5月19日)

債券のマーケット動向から

10年国債利回りは英国国民投票後は更に低下し、7月8日には-0.30%と史上最低を更新しました。9月21日に日銀が「イールドカーブ・コントロール」導入を発表した後もマイナス圏で推移しました。しかし、トランプ氏が次期米大統領に選出されたことを受けて11月15日にプラス圏へ再浮上し、2017年2月3日には一時0.15%へ上昇しました。5月22日現在、0.045%となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年5月19日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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