カナダ市場・カナダドル
投資の視点は2012年4月16日「野村マンスリー・リサーチ会議」に基づいています。
2012年5月15日現在
マーケット動向から
- カナダドルとの連動性が高いWTI原油価格は、2011年11月以降上昇基調を強め、2012年2月後半には1バレル=109ドル台をつけ、その後も同100ドルでの推移が続いてきました。しかし、5月以降は下落基調を強め、同100ドルを割り込んでおり、5月11日現在、同96ドル台での推移となっています。
- カナダドル相場は、昨年12月以降、堅調な経済指標や原油価格の上昇基調、カナダ銀行(BOC:中央銀行)がインフレ警戒姿勢を示したことなどを背景に、3月21日には対円で一時、1カナダドル=84.95円を付けました。
- しかしその後は、原油価格が下落基調を強めたことや、世界的にリスク回避姿勢が強まったこと、対米ドルで日本円が円高基調となったことから、とりわけ円に対し下落基調を強める動きとなりました。5月14日15時現在、対米ドルでは、1米ドル=1.00カナダドル台前半、対円では、79円台後半と軟調に推移しています。

(注)ニューヨーク連邦準備銀行資料(ニューヨーク市場正午の買いレート)より
(出所)野村證券投資情報部作成(直近値は2012年5月4日)
金利動向より
- 4月17日にBOCは13回連続で政策金利を1.00%に据え置くことを決定しましたが、声明文で「経済のゆるみが減退しているほか、基調インフレも底堅さが増していることを踏まえ、現行の大幅な景気刺激措置を一定程度解除することが適切である」と金融緩和解除の可能性に言及しています。これを受け、野村證券では、BOCが最短で6月5日の金融政策委員会で利上げを再開すると予想を変更しています。

(注)カナダ中銀が公表している残存年数10年国債の平均利回り
(出所) カナダ中銀等より、野村證券投資情報部作成(直近値は2012年5月11日)
需給動向より
- シカゴ通貨先物市場における投機筋のカナダドル(対米ドル)の持ち高は、昨年9月以降売り持ち超過が続きましたが、2012年2月以降買い持ち超過に転じ、その後も超過額は増加基調にあり、5月8日現在、8.03万枚(約6,400億円)の買い持ち超過となっています。
今後の注目点と見通し
- カナダの3月貿易収支は、3.5億ドルの黒字と前月の2.7億ドルから黒字幅が拡大した。また、4月の失業率は7.3%と前月の7.2%から上昇したものの、雇用の変化率は5.8万人増と市場予想の1万人を大きく上回る結果となりました。このように、カナダの経済指標は足もとで良好な結果を示しています。
- 加えて、最大の輸出国である米国の経済指標は堅調なものが多く見られることから、輸出の下支えとなると期待されること、設備投資が国内成長のけん引役となると見込まれることなどから、カナダ経済が減速する可能性は限定的と考えられます。
- 4月末には、カナダ中銀総裁がインフレ圧力の上昇といったタカ派的発言もしていることから、当面のカナダドル相場は、BOCによる利上げ期待の高まりを背景に、堅調な推移が予想されます。
- 今後1年間のカナダドルの対円相場の想定範囲を、1カナダドル=78.0〜89.0円と予想します。
- ※内容は、「野村マンスリー・リサーチ会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
- ※野村では、グローバルなリサーチ体制の下、世界各地のエコノミストやストラテジストがマクロ経済、株価、金利、為替を分析、予測しています。「野村マンスリー・リサーチ会議」は、グローバルな各資産の見方を議論するうえで必要となる、先行き1年間の主要国・地域の景気、金利、株価、為替見通しを、野村のエコノミスト、ストラテジストが解説する月例の会議です。
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