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2018.06.28 NEW 境界線の越えかた

チロルチョコの「きなこもち」や「カレーパン」を生みだす現場とは―企画担当者に聞く

チロルチョコの「きなこもち」や「カレーパン」を生みだす現場とは―企画担当者に聞くのイメージ

変わらない定番商品がある一方、「カレーパン味」や「わさび味」など、挑戦的な商品も作り続けるチロルチョコ。企画担当の御手洗千里に話を聞いた。

はじめに、御手洗さんとチロルチョコとの「出逢い」について教えてもらえますか?

小さい頃、よく行っていた駄菓子屋さんにチロルチョコがいっぱい並んでいた光景は、原風景として自分の中に残っていますね。就職先として志望したのは、当時社長を務めていた現会長(松尾利彦)のインタビューを読んだ大学の先輩が「面白そうな会社だから、御手洗さんに合っているんじゃない?」と勧めてくれたのがきっかけでした。
調べてみたら、50人くらいしかいない会社なのに企画から販売まですべてを手掛けていて、なおかつこれだけ認知度の高い商品を作り続けていることにびっくりしました。同時に、とても興味が湧きましたね。

現在、ご担当されている業務についてお聞かせください。
チロルチョコ企画担当の御手洗千里のイメージ

商品の企画立案から文字内容やデザインを含めたパッケージのディレクション、そして常に30件くらい同時進行している商品の企画から発売に至るまでのスケジューリング・進行管理を担当しています。とはいえ、商標の管理、取得や年に1回開催されるお菓子の展示会のブースづくりとか…。そのほかの業務もこなさないといけないので、「何でも屋」みたいな感じになっています(笑)。

「カレーパン味」や「わさび味」など、「チョコ」の範疇を超えるような挑戦的な商品もつくられていますが、そういったアイデアが生み出された経緯を教えてください?

ずっと「パンを再現する」という企画をやりたくて、その思いが基になって生まれた商品なんです。カレーパンを選んだのは、「カレーパン味ならどこもやらないだろうし、絶対に面白い」という理由から。会社の規模が大きくない分小回りが利くし、色々な味を再現できるノウハウも持っているので、それを生かして独自性のある商品を作ろうと、常に考えています。

「カレー味」ではなく「カレーパン味」にしたあたりに、チロルチョコならではの「遊び心」を感じます。

会長からは「作るものには、必ず楽しさを盛り込みなさい」と言われているんです。食べた人が「おいしい」だけではなくて、「楽しい」とも感じてくださる商品を作り出していくことが「チロルらしさ」だと思っていて、それがアイデアのベースにもなっていますね。

楽しいアイデアを具現化していくために、社内ではどんな会議が行われているのでしょうか?

まず、企画と開発の部署のメンバー10名が集まって、お互いの役割にとらわれることなく、ざっくばらんにアイデアを持ち寄ります。そこから面白そうなものをピックアップして、みんなで精査していくという流れですね。いつも100個くらいのアイデアが集まって、その中からだいたい10個くらいが試作品をつくるところまで進みます。

実は、同じフロアにラボがあって、工場と同じ状態で試作品を作ることができるんです。すぐに作って、食べることができるので、味はもちろんパッケージのアイデアも膨らませやすいですね。
最終的には3、4個くらいが商品化されるのですが、早いものだと企画が始まって3ヵ月後には発売されたりします(笑)。

すごいスピード感! 先ほど、小回りが利くとおっしゃっていた理由がわかりました。ところでチロルチョコでは「マーケティング・リサーチをしない」という方針だと伺ったことがあるのですが、本当でしょうか?

毎週他社の新商品を買って、どういう商品が出ているかということぐらいはチェックしますが、「来年はこれが流行りそうだ」などについては意識していませんね。エンドユーザーの方へのアンケートも実施していません。マーケティング・リサーチをするという文化が会社にないんです。

マーケティング・リサーチをしないことのメリット、デメリットはどうお考えですか?

他社ではやらないような独自性のある商品が生み出しやすい点は、メリットだと感じます。ただ、商品を出してから1年後にそのテイストや方向性が流行るという、いわば「早すぎてしまう」ことがたまにあるんです。「これ去年うちで出したのと同じじゃん!」「早すぎたんだ!」みたいな(笑)。それがデメリットだと言えるかもしれませんね。

スピード感と独自性が、「チロルチョコらしさ」につながっているんですね。

新しく就任した4代目社長の松尾裕二から言われていることがあります。「バラエティパックやコーヒーヌガー味など定番の商品がきちんと売れ続けていれば、プラスで新しい挑戦をしていい」と。そういう会社の方針もあって、挑戦的な企画ができているところはありますね。

これまでさまざまな企画を手がけてきた中で、特にご苦労された思い出があればお聞かせください。
Shop チロルチョコのイメージ

今年の3月12日にコラボ商品や地域限定商品などを集めた「Shop チロルチョコ」という店舗を秋葉原にオープンさせたのですが…。これが思った以上に大変なプロジェクトでした。私と企画室のもう一人のメンバーがメインとなって進めていたのですが、実質4ヶ月くらいで内装や備品の発注、取引先との交渉、店頭の販促物作成にアルバイトの手配まですべてをやらなくてはいけなかったんです。社内に店舗作りのノウハウもないから、誰かに教えを請うこともできず、最後の1ヶ月くらいはかなり追い詰められましたね(笑)。

まったくノウハウがない中、短期間かつ少人数でショップオープンを実現させたのは驚きです。「もう無理だ!」と思うことはありませんでしたか?

「無理かもしれない」と思えることがあっても、「でも、こういうやり方なら実現できるんじゃないか?」という代替案を常に考えながら進めるようにしていたんです。そのおかげで、「もう本当に無理!」という状況はあまりなかったですね。

振り返ってみると、普段の商品企画の仕事の経験が生かされていたように思います。企画してから商品が実際に発売されるまで、「いかにしてそのゴールに近づけていくか」ということを常に考えて仕事を進めていかなくてはならないので、「やれるかどうか」よりも、「必ず何とかしないといけない」という意識のほうが強いんです。

カレーパン味のように、前例がない商品を手掛ける機会が多い分、「何とかするしかない」という意識が身に付いているのかもしれませんね。では、今後の御手洗さんご自身の目標あるいは野望をお聞かせください。

「新しい定番商品を生み出すこと」ですね。比較的最近、定番になった商品に「きなこもち味」があるんですけど、発売からもう15年くらい経っていて、それ以降柱になるような大ヒット商品が作れていないんです。
今後、少子高齢化が進んでいくと、駄菓子が売れない時代がくるかもしれませんが、そんな中でも、一粒ですごく満足感を得られるような付加価値のある商品をつくっていきたいですね。

最後になりますが、常に新しいものへの挑戦を続ける御手洗さんから、読者へのアドバイスをお願いします。

アドバイスするような立場ではないんですけど(笑)。大事なのは、「どんな仕事も一生懸命やる」ということでしょうか。嫌な仕事でもどんどん引き受けて、一つひとつを丁寧にやっていけば、いずれ自分の糧になってできる仕事の幅も広がっていきます。そうした積み重ねが、新しい発想や楽しい仕事につながっていくのではないかと思います。

御手洗 千里(みたらい ちさと)
1986年生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2009年にチロルチョコに入社。現在、企画室のリーダーを務める。趣味は手芸に加えて、アイドルとサッカー観戦。どちらもきちんと現場に参加する「現場派」だという。

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