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2019.07.25 NEW境界線の越えかた 家族のカタチ

昔は稼いでくる男がカッコイイと思っていた――人気パパタレ庄司智春、家族観のルーツ

昔は稼いでくる男がカッコイイと思っていた――人気パパタレ庄司智春、家族観のルーツのイメージ

生き方の多様化が急速に進む現代において、家族が幸せに暮らす鍵となるものは何か――。

“距離”の壁を超えて家族をつなぐサービス「まごチャンネル」を提供する梶原健司(株式会社チカクCEO)が、ゲストとの対話からそのヒントを探る連載企画「再考、家族のカタチ」

今回のゲストは「まごチャンネル」のユーザーでもある、お笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春さん。タレント藤本美貴さんと結婚し、芸能界屈指の愛妻家、パパタレントとしても知られる庄司さんの家族観はいかにして形成されたのか。

そのルーツをたどると、そこには意外にも「男は仕事、女は家庭」という、古い価値観を持つ父親の存在があった。

親父とは何を話してよいのかわからなかった

梶原:庄司さんとはじめてお会いしたのは、確か去年の秋ごろでしたっけ?

庄司:そうですね。両親に「まごチャンネル」をプレゼントしてすごく喜ばれたので、頼まれてもいないのに勝手にブログやSNSで宣伝していたら、梶原さんからSNSに「お話を聞かせてもらっていいですか?」というメッセージが届いたのがきっかけでしたね。

梶原:お会いできて嬉しかったです。僕は普段芸能人の方とお会いすることなんてないので、「マネージャーさんとかと一緒にいらっしゃるのかなぁ」みたいに緊張していたんですけど、ひとりでいらっしゃって。気さくな感じでかっこいいなぁと。

庄司:あのときも梶原さんは「まごチャンネル」のTシャツを着てましたよね。「僕の目印はこのTシャツです」って。すごくオシャレなカフェで待ち合わせだったのに(笑)。

梶原:まるでこのTシャツがオシャレじゃないみたいですね(笑)。

庄司 智春、梶原 健司のイメージ

梶原:あのときは、「まごチャンネル」をどのように使っているかとか、どういう機能が欲しいかとか、本当にざっくばらんにお話しいただきました。

庄司:うちの両親は、新しい機械の使い方を教えてもなかなか覚えようとしないし、携帯もいまだにガラケー。だから、使い慣れたテレビで写真や動画を見ることができる「まごチャンネル」は本当にありがたかった。

おかげさまで、「まごチャンネル」に新しい写真や動画をアップしたときには、必ず電話がかかってきます。僕がテレビに出ても、一切連絡なんかないのに(笑)。

庄司 智春のイメージ

梶原:喜んでいただけてよかったです。お子さんは、自分の写真や動画が祖父母のもとに送られていることを理解しているんですか?

庄司:してますね。奥さんの提案で、我が家では親父と母のことをあだ名で呼んでるんですよ。克三と久美恵だから、カッツとクー。だから娘に「カッツとクーに送るよー」ってカメラを向けると、歌ったり踊ったりします(笑)。

あと息子なんか、他の人に見られる心配がないからか「お尻に“オデキ”ができたよ」って、ふざけてお尻の写真を送ったりとか。

梶原:それはかわいい(笑)。

庄司:特に、親父がすごく喜んでるんですよね。男同士って、実はそんなに会話しないじゃないですか。僕は親父に何を話しかけていいのかわからないし、親父も僕にどう接していいかわからないみたいで……。「最近どうなんだ?」みたいなぶっきらぼうな質問がきて、「まぁ別に普通だよ」というそっけない返答で終わる。そんな会話が多かった。

でも、「まごチャンネル」が間に入ってくれたおかげで、「(息子さんの)泳ぎ、うまかったね」って向こうから話題を提供してくれたりして、会話が盛り上がるようになりました。

梶原:庄司さんのお父さんって、どんな方なんですか?

庄司:昔は東京の蒲田で小さな工場をやっていました。「男は仕事、女は家庭」というすごく古い価値観の持ち主で、それこそ「誰がお前たちを食わせてやってると思ってるんだ!」みたいなことを当たり前に言っていた。ビンタもされたし、僕が悪いことをしたら「お前のしつけが悪いからだ!」って母を怒鳴るような人でした。

毎日、自宅の一階の作業場で油にまみれて働いていて、授業参観や少年野球の試合には全然こなかった。だから、どこかに遊びに連れて行ってくれるのはいつも母でしたね。

梶原:うちの親父も、公務員をやりながら兼業農家をやっていたので、ほぼ家にいなかったなぁ。キャッチボールをしてもらった記憶はあるけれど、幼少期によく面倒を見てくれたのは、庄司さんと同じく母や一緒に暮らしていた祖父母でした。

梶原 健司のイメージ

庄司:学生時代に好きな女の子ができたときも、NSC(吉本興業の養成所)に入るときも、相談したのは母。だから、いまだに母のほうが話しやすいんです。

梶原:わかります。僕も親父とサシで向かい合うと気恥ずかしいです(笑)。

親父との距離はテレビが縮めてくれた

梶原:お笑いの道に進まれることに対して、ご両親はどのように思われていたんですか?

庄司 智春、梶原 健司のイメージ

庄司:親父は、兄貴と一緒に工場を継いでほしかったみたいなんですが、僕は絶対嫌だったので高校卒業後に車関係の会社に就職しました。ただ、どうしてもお笑いがやりたくて1年でやめてしまったんですよね。その会社を紹介してくれた方に、母が泣きながら謝っていた姿を覚えています。

梶原:NSCに入ってからは、すぐ親元を離れたんですか?

庄司:いえ、芸人として食べられるようになるまでは実家から通っていました。一人暮らしを始めたのは23歳か24歳のときです。NSCに入ったころは両親とけんかしてばかりでしたね。当時は勘違いの塊で「俺ならやれる」と思っていたんですが、実際はそんなに甘くなかった。

なのに、業界のことをよく知らない両親は、現実に打ちのめされて家に帰ってきた僕に「いつテレビに出るんだ」とか、「あの子たちはライブにいっぱい出てるのに」とか、平気で言ってくるわけです。そうすると、「俺は俺でがんばってるんだから、ほっといてくれ!」となってけんかが始まる。

庄司 智春のイメージ

梶原:一緒に暮らしていると、それはそれで大変なことがありますよね。実家を出られてからは、どれくらいの頻度で連絡をとっていましたか?

庄司:親父とはほぼないですね。母からはちょこちょこ電話がきていたんですが、「大した用事じゃないだろう」と折り返しもせずにスルーしていました。言い訳になっちゃいますが、必死でがんばらなきゃいけない時期だったので、人のことにかまっている余裕がなかったんです。

梶原:僕も昔はそうでしたよ。親父からの連絡はまったくなし。母がメールや電話をくれたり、田舎の野菜と一緒に手紙を送ってくれたりしていたのに、何のリアクションもしませんでした。

庄司:普通だとそのままコミュニケーションがなくなっちゃうんでしょうけど、僕の場合はちょっと特殊で。両親とテレビで共演する機会がけっこう多かったせいで、連絡が途切れるということがなかったんです。

親父は意外にお調子者だから、普通の人なら「絶対、これ言っちゃいけないだろうな」と思うようなこともバンバン話して、スタッフ受けもいい(笑)。「まいっちゃったな~、品川って結構言うよね~」なんて、いっちょまえのことを言ってみたりして。

庄司 智春のイメージ

庄司:ただ、そうやってふざけている中で、親父がふと「お前らは大変だな」という言葉をもらしたことがあったんです。一緒に僕の仕事現場に立って、僕の姿を見て、色々と理解してくれたんでしょうね。

それを聞いたとき、「息子のためにと思って出演してくれているんだ」ということに気付いて、感謝の気持ちがわいてきました。そこからは少しずつ距離が縮まってきましたね。

家族揃って奥さんに助けられている

梶原:お子さんが生まれてから、ご両親に対する感覚がさらに変わったりしましたか?

庄司:ベタですけど、いっそうありがたみを感じるようになりましたね。子どものころは、仕事してばかり、母を怒ってばかりの親父が憎くて仕方がなかったんですが、自分が父親になったことで、その苦しさも多少は理解できるようになりました。

休みもなく働いていたのも、夫婦喧嘩していたのも、僕たちを必死で育てていたからなんだろうな、と。

梶原:「男は仕事、女は家庭」という価値観の中で育ったにも関わらず、庄司さんは本当に育児や家事に積極的ですよね。結婚前は、どんな家族が理想でしたか?

梶原 健司のイメージ

庄司:結婚する前は、親父と同じような考え方が強かったかもしれません。男が全部稼いで「あとは頼んだぞ」みたいな。でも、奥さんがタレントじゃないですか。結婚を機に引退したら、あちこちからものすごいブーイングを受けると思ったので、共働きを選択しました(笑)。

でも、今はマジで「ひとりで稼ぐなんてハードルが高すぎる、絶対に嫌だ」って思ってます(笑)。ふたりで仕事をして、ふたりでできることを相談しながら子どもを育てる。そういうのが僕には合ってるなと思います。

梶原:庄司さんご夫妻の関係性は、テレビなどで拝見していてすごく素敵だなと思います。おふたりのそうしたスタイルについて、ご両親は何かおっしゃっているんですか?

庄司:結婚するとき母から唯一言われたのが「美貴ちゃんも仕事をしてるんだから、あんたも家事ができるようになりなさいよ」という言葉だったんですよ。たぶん、自分がすごく大変な思いをしたから、お嫁さんには同じ思いをしてほしくないという気持ちだったんでしょうね。

庄司 智春のイメージ

梶原:なるほど。一方で、昔気質のお父さんは庄司さんの生き方を見てどう感じられている様子ですか? 「お前、もっと男らしくしろよ」みたいに思ったり……。

庄司:いえ、僕が子どもたちをどこかに連れて行ったり、一緒に遊んだりしている様子を「まごチャンネル」で見て、「お前はすごい。俺は何もしなかったからな」なんて言ったりしてくれます。謝りはしないけど、何か感じるところはあるみたいです。

とはいえ、今でも親父は家のことを母に任せきりで、何にもできない人。親族で集まってもテーブルから全然動かず、僕が手伝いをしているのを見ても「お前は偉いなぁ」って言うだけ。そのせいで、うちの奥さんが親父にガンガン突っ込んでいくんですよ。「お父さん、何もやらないんじゃん!」とか「それくらい自分でやりなよ!」って(笑)。

梶原:お父さんにとっては娘ができたみたいな感じなんですかね。しかも、あんなにかわいくて……。

庄司 智春、梶原 健司のイメージ

庄司:そうなんですよ。「まいったな~、美貴ちゃん、すごい言うな~」ってデレデレしてる(笑)。でも、おかげで親父も70歳を超えてちょっと変わろうとしています。そういう面では、家族揃って奥さんに助けられている気がします。

両親には幸せにしている姿を見せていきたい

梶原:価値観って、どうしても世代によってズレてくる部分がありますよね。僕はよく「そのギャップを埋めるものは何だろう」と考えているんです。だから庄司さんのお父さんが、庄司さんのご家族とのコミュニケーションを通じて若い世代の家族観を受容していく様子は、とても興味深いです。

20代のころ、大学時代の恩師から「梶原さん、親孝行ってなんだと思いますか?」って聞かれたことがあるんですよ。「何ですか?」って尋ねたら「あなた自身が幸せになることですよ」と。

お父さんもきっと、庄司さんがご家族と楽しく幸せに暮らしているのを実感しているからこそ、自分とは違う生き方を認めてくれるのだろうなと感じます。「まごチャンネル」が、その一助になっているのがうれしいですね。

庄司 智春、梶原 健司のイメージ

庄司:確かにそうかもしれませんね。両親とは同居していないので毎日顔を合わせるわけじゃないですけど、「まごチャンネル」のおかげで距離を感じないくらい、お互いが近い存在でいられています。

距離ができると、お互いがいろんなことを勘違いして、悪い方向に進むこともあるじゃないですか。でも、それってさみしいことですよね。そういう事態を避けるためにも、やっぱり両親には幸せにしている姿を見せていきたいなと。年齢的にも、いつ何があるかわからないですしね。

あと、そんなことを考えて最近は思ったことはすぐ伝えるようにしてます。昔は着信があってもスルーするようなヤツだったのに(笑)。

庄司 智春、梶原 健司のイメージ

梶原:現代は家族のありかたが多様化しているので、色々な勘違い、すれ違いが、さまざまな家族の間で起こっていると思います。でも、そうした異なる価値観を持つ人同士であっても、お互いの幸せな姿を見せ合うことで通じ合える部分があるのかもしれない。今回の庄司さんのお話は、とても勉強になりました。今日はお忙しい中、ありがとうございました。

庄司:こちらこそ! またゆっくりお話ししましょう。

EL BORDEでは梶原氏のビジョンを受け、「再考、家族のカタチ」と称した連載企画をスタート。梶原氏をホストに、各回さまざまなゲストを迎えながら「家族のカタチ」にまつわる議論を展開していく。

まごチャンネル×EL BORDE presents 再考、家族のカタチのイメージまごチャンネル×EL BORDE presents 再考、家族のカタチのイメージ

庄司 智春(しょうじ ともはる)
1976年、東京都大田区出身。NSC東京校(吉本総合芸能学院)第一期生を経て、1995年に「品川庄司」を結成。2009年に藤本美貴と結婚し、2018年には「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。一男一女の父。
梶原 健司(かじわら けんじ)
1976年、兵庫県淡路島出身。新卒でアップルの日本法人に入社し、マネージャー職まで務めた後に独立。2014年に株式会社チカクを創業し、祖父母世代がテレビで孫の写真や動画を見られるサービス「まごチャンネル」の提供を開始。二男の父。

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