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2020.03.12 NEW変革のメソッド

行動が早い人は「直感」を使いこなしている! スピード感ある仕事に必要なこと

行動が早い人は「直感」を使いこなしている! スピード感ある仕事に必要なことのイメージ

ネットが生活に欠かせないツールになった昨今、ビジネスにおけるスピード感、「すぐに動くこと」「すばやく判断すること」の重要度もますます増してきている。

ビジネスマンにおなじみのPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すPDCAメソッドでいうならば、PlanからDoへの移行スピードを速めることが求められているのだ。

そこで身につけたいのが「仮説力」。仮説がなぜすばやい行動を促すのか、どうすれば仮説力が身につくのか。書籍『0秒で動け』(SBクリエイティブ)の著者でYahoo!アカデミア学長の伊藤羊一さんに聞いた。

まずは「直感」に従え!

たとえば事業を進めるなかで、A案がいいのかB案がいいのか選択を迫られたとき。すばやく判断し、すぐ行動しなければと思いつつ、データや過去事例とにらめっこするだけで時間を使ってしまい、なかなか実行に移すことができなかった──そんな経験がある人は多いのではないだろうか。

実行に移すことができないのは、「とりあえずの結論」が出せていないからだ、と伊藤さんは指摘する。「とりあえずの結論」を出すことさえできれば、人はひとまずその結論に従って実行に移ることができる。

では、「とりあえずの結論」を出すためには、どうすればよいのか。そこで必要になるのが「仮説力」だ。

仮説力とは、課題(問題)に対して「おそらくこうだろう」という仮の答えを出す力のこと。検討事項を前にしたとき、早い段階で複数の「こうだろう」という仮説を挙げることができれば、その仮説に基づいて「とりあえずの結論」をひねり出すことができる。

逆にいうならば、仮説を立てることができなければ、人はいつまでたっても判断することができず、行動にむすびつかない

では、どうすれば即座に「仮説」を立てることができるのか。伊藤さんによると、もっとも信頼すべきは「直感」だという。

「直感」を磨く2つの要素

「もちろん、判断を行うためには数字やデータによる論理的思考も必要ですが、それだけではありません。私が見ているかぎり、行動が速い人は『直感』を多用しながら頭を整理しています。クオリティが低くてもいいから直感で仮説を立て、とりあえずの結論を出し、行動に移す。行動してみてうまくいかなかったら軌道修正する。

そうしているうちに経験値が高くなり、仮説のクオリティが上がっていく。大事なのは、まず『自分の感覚ならこうだよなあ』という『直感』に従うことです」

図1:「直感」が仮説力を高め、実行への移行を早める

図1:「直感」が仮説力を高め、実行への移行を早める

直感やひらめきは、事実やデータとは関係なく生まれるイメージがあるかもしれない。しかし、かならずしもそうではなく、直感は、実際のところは膨大な情報や経験を無意識に整理して生まれるのではないかともいわれている。

伊藤さんも「直感は磨くことができる」と断言する。そこで大切になるのは『志』と『好奇心』の2つだ

「『志』は、例えるなら自分の軸のようなものです。軸が確立していれば、しかるべき場面で『自分の軸からすればこうである』と直感的に判断できる。ただ、その軸は一朝一夕につくれるものではなく、やはり経験値が必要です。そして、経験値を上げる──いろいろな経験を積むための原動力となるのが、好奇心です」

図2:「好奇心」から生まれる経験が「志」を形作り、直感を磨く

図2:「好奇心」から生まれる経験が「志」を形作り、直感を磨く

直感を磨くためには「志」が必要。そして「志」は好奇心から生まれる経験によって形作られる。仮説力を高め、瞬時に行動できるようになるためには、好奇心をもって経験を積む必要があるのだ。

「口癖」を使いこなせ!

とはいえ、だれもが日頃から強い好奇心をもって生きているわけではないだろう。「自分は好奇心に欠ける」と自覚している人はがっかりしたかもしれない。しかし、好奇心は後天的に身につけられるものなのだと伊藤さんはいう。

じつは伊藤さん自身、40代前半までは好奇心がほとんどないタイプだったのだそう。信条は「迷ったらやらない」。おもしろそうな誘いを受けても、やることによって得られるメリットよりも、やらないことによって面倒を避けること、変わらない生活を維持することを優先してしまうタイプだったという。

一方で、周囲で楽しそうにしている好奇心旺盛な仲間たちに対して引け目を感じていた伊藤さん。そこで彼らに対抗するために生み出したのが、「すげー、やべー力」なる「好奇心発生装置」だ。

周囲で楽しそうにしている人たちを観察したところ、彼らはいつも『これすごくない?』『やべー!』といった言葉をやたら発していることに気づいたんです。私もとりあえず真似しようと、なにか新しいものに触れるたびに『すげー!』『やべー!』と声に出して言うようにしました。

脳科学的にも、『すげー!』と声に出したものは『すげー!』というタグ付けが自動的に行われて脳に記憶されやすいらしいのですが、そうして本当に好きなものをタグ付けしてインプットするうちに、自分のなかに『すげー、やべーリスト』ができてくる。リストが充実すると、すでにリストにあるものとの比較で、新しく出会ったものがすげーのか、やべーのか、自然とわかるようになり、好奇心が高まっていったんです」

さらに、この口癖には思わぬ副次的効果もあったという。

「『すげー!』『やべー!』とか言って騒いでいると、周囲の人たちが『こっちのほうがすげーよ』と、新しい情報を教えてくれるんです。そのおかげでいろいろなことに関する感度が飛躍的に高まりました」

新しい物事に対する感度が上がれば、自然と体が動くようになる。そうすれば、自ずと「経験」がたまり、「志」が強化されていく。意図的に「口癖」を身に着けるだけで、仮説力を高めることができるのだ。

仮説を支える「結論と根拠のピラミッド」

好奇心をもとに動き、経験を重ねて直感を磨いていく。そして、直感に耳を傾けつつ仮説を立てていくわけだが、仮説をもとにした「とりあえずの結論」だけで実行に移るのは不安だという人もいるだろう。そこで実践してほしいのが、伊藤式「結論と根拠のピラミッド」。まずは直感と仮説で「とりあえずの結論」を出してみてから、その結論に対して根拠をあとづけするメソッドだ。

「いわゆるロジカルシンキングでは、まず事実や情報を収集し、基盤となる根拠を固めたうえで結論を出すという、下から上へ向かうピラミッドストラクチャーが一般的です。しかし、とにかく動くためには、その逆──上から下へ向かうピラミッドがあってもいいのではないかと。てっぺんの結論ありきで、あとから根拠を後付けするわけです」

図3:伊藤式「結論と根拠のピラミッド」

図3:伊藤式「結論と根拠のピラミッド」

直感でいきなり得た結論に対して根拠を与える「結論と根拠のピラミッド」。その手順は以下のとおり。

・結論につながる情報を3つ見つけて根拠とする
・それを根拠→結論の順番にして、理屈が通るか確認する

たとえばマーケティング企画で、直感的に「この企画をやったら成果がでるはずだ!」と思ったとする。それが正しいと自分自身を納得させるために、あとから理由(根拠)を3つ、大雑把でも良いので探してみるのだ。

根拠1:売り上げアップに貢献するから
根拠2:誰もやったことがない斬新な企画だから
根拠3:準備が楽だから

根拠を考えたら、それが「根拠→結論」の順番で論理破綻がないかを客観的に確認する。「売り上げアップに貢献するからこの企画がやりたい」といった具合だ。

「それで、それぞれの理由につき意味がつながっていれば、動き出すためのロジックとしては十分。直感で動いている事実は変わらないけれども、あとから理由づけして“なんちゃってロジカルシンキング”にすれば、自信を持って動けるようになりますよ」

より価値あるPDCAのために

ここまでの話をまとめるとこうだ。まずは直感に基づいて「仮説」を立て、「とりあえずの結論」を出す。その結論に対し、「結論と根拠のピラミッド」で根拠(自信)を与えて動く。この流れを忠実に実行すれば、ほとんどの人がすぐ動けるようになるのではないだろうか。

ただし、ただ動くだけではそれ以上の成長はない。「仮説」の精度を高めるためには、第一歩を踏み出したのちも、効果的にPDCAサイクルを回していく必要がある。後編では、そのサイクルを回すコツを紹介する。

【お話をお伺いした方】
伊藤 羊一(いとう よういち)
ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長。グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの企業やスタートアップ育成プログラムでメンター、アドバイザーを務める。

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