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EL BORDEとは

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2019.03.04 NEWのむログ

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ

中国やマレーシア、インドなどの食文化を吸収し、“多種多様なうまさ”を生み出してきたシンガポール料理。在日シンガポール人も絶賛する「松記鶏飯」で、その神髄を味わってみてはいかがか。

編集会議中、HとBが真っ向から対立してしまった。Hは根が真面目で、何ごとも王道をよしとするタイプ。Bはその逆で、革新的なものや変化球に惹かれる傾向が強い。
この日の編集会議では、次号の企画についてアイデアを持ち寄ってブレストするつもりだったのだが……。古典的な名著をベースにした企画を提案するHと、最新テクノロジーを切り口にした企画を押すBが互いにまったく譲らず、会議はいったんお開きとなったのだった。

「困ったもんだ」と思いつつも、こんなときこそ編集長の出番。まずは年上のHから“あそこ”に誘ってみるか。

二人で向かったのは、古い木造家屋とオフィスビルが混在する神田司町の「松記鶏飯」。会議での態度を注意されると思っているのだろう。渋々とついてきていたHだったが、大勢のお客で賑わう様子を見て、がぜん興味を持ったようだ。「人気店なんですね。これはおさえておかなきゃ」と意気揚々と店内へと進んでいく。

「小さいけど、いい雰囲気ですね。何料理の店なんですか?」
「在日シンガポール人も絶賛するシンガポール料理の名店だよ」

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ

まずはシンガポールのタイガービールで乾杯。のどを潤していると、店主の松本裕介さんが1品目を運んできてくれた。
「キャロットケーキです」
「え? これがケーキ?」
不思議がるHに、松本さんがこう説明する。
「キャロットケーキはシンガポールの屋台や食堂の人気メニューで、刻んだ大根餅を卵と一緒に炒めた料理です」

自家製だという大根餅は、中はもっちり、外は香ばしく、口に入れると具材に使われている干しエビや干し大根のうまみがしみ出してくる。卵の甘みと、自家製サンバルソースの辛みのバランスもいい。
「ビールに合いますね! でも、キャロットケーキというわりには、ニンジンが入っていないんですけど……」
「そうなんです。シンガポールでは大根がホワイトキャロットとも呼ばれていて、それで『キャロットケーキ』という名前がついたとか。もともとは中国から伝わったといわれています」
松本さんの説明に、「なるほど」とうなずくH。食欲、知識欲ともに満たされたせいか、会議のときの不満気な様子はどこにもない。

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ

続いて「ラクサ」が登場。干しエビとココナッツミルクで味付けしたスパイシーなスープに、エビ、かまぼこなどをトッピングしたスープヌードルだ。
「スパイシーだけど、ココナッツミルクのおかげで全体的にマイルドな味わい。これはうまい! 米麺のもっちりした食感もたまりませんね!」
松本さんによれば、中国とマレーの文化が融合して生まれた郷土料理を「ニョニャ料理」と呼ぶそうで、ラクサはその代表メニューなのだという。

途中、ビールから自然派ワインに切り替えて、豚スペアリブをスパイスや生薬で煮込んだ「肉骨茶(バクテー)」、揚げだし豆腐にピーナッツソースをかけた「タフ・ゴレン」を次々にたいらげる。
もうだいぶ食べてしまったが……。最後にこれを頼まないわけにはいくまい。シンガポールが誇る人気メニュー「海南鶏飯」だ。

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ

じっくり時間をかけてゆでた鶏肉は、むね肉とは思えないほどジューシー。鶏スープで炊いたジャスミンライスは滋味深く、生姜汁、チリソース、甘口しょうゆの3種のソースと一緒に味わえば、満腹だったことを忘れておかわりしてしまいそうなうまさだ。

「シンガポール料理がこんなにおいしいなんて知りませんでした」とHが感嘆していると、松本さんがこんな話をしはじめた。
「大学時代にアジアの国々を旅してまわったんですが、どの国よりも群を抜いておいしかったのがシンガポール料理でした。どの料理を食べても、どのお店で食べてもおいしい。それで、その理由を自分なりに考えてみたんですが……。きっと、いろいろな文化が混じり合っているからじゃないかと思うんです。ラクサもそうだし、今召し上がっていただいた海南鶏飯も、中国の海南地方の人たちが持ち込んだのが発祥なんですよ」

松本さんいわく、シンガポール料理はインドやイギリスの影響も色濃く受けているという。その話に思うところがあったのか、しばらく考え込んだ後でHがこう切り出した。
「シンガポール料理がおいしいのは、シンガポールの人たちがほかの文化を否定するのではなく、受け入れたからこそなんですね。もしかして、編集長が私をここに連れてきたのは、それを伝えるためですか?」

うむ、どうやら私の目的を察してくれたようだ。
「さっきの会議のように、自分のセンスを信じて、意見を主張することはもちろん大事だよ。ただ、せっかく個性的なメンバーが揃っているんだから、それぞれのよさを認め合って、いろいろなことを吸収していけたら、EL BORDE(エル・ボルデ)はもっと面白くなるんじゃないか?」

黙って聞いていたHだったが、何かを思いついたように笑顔で話しはじめた。
「わかりました。じゃあ次は、Bと一緒にシンガポール料理をごちそうしてください。そうすればBも、認め合うことの大事さに気付いてくれるはず。あとは、お互いの意見を融合させて、とびきりおいしい企画に進化させればいいんです!」

(いや、もう一度食べたいだけだろう。しかも、なぜ私がごちそうする前提なんだ?)

そうツッコみたくはなったが、まぁいいだろう。シンガポール料理が他国の文化を受け入れてアップデートしてきたように、EL BORDEもメンバーの個性をうまく融合させながら、アップデートしていかないといけないのだから。

本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ
本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ
本場シンガポールの香り漂う名店―神田のシンガポールビストロ「松記鶏飯」のイメージ
松記鶏飯(ソンキージーファン)
松記鶏飯のコンセプトは、「シンガポールの人においしいと思ってもらえる料理」。日本人向けにアレンジされていない本場の味を楽しめると、シンガポール在住経験を持つ人たちがひっきりなしに訪れる。また、「食の研究旅行」と称して、年に一度はシンガポールをはじめとするアジアを訪問。その研究成果は期間限定のフェアで披露されるので、こちらもぜひチェックしたい。予約がベター。
所在地/東京都千代田区神田司町2-15-1 パレヤソジマ1F
TEL/03-5577-6883
営業時間/11:30 ~ 14:00(L.O.13:30)、18:00 ~ 23:00(L.O.22:00)
定休日/日曜・祝日
予算/¥3,000~
アクセス/東京メトロ「淡路町」駅、都営新宿線「小川町」駅から徒歩2分、東京メトロ「新御茶ノ水」駅、JR山手線「神田」駅から徒歩7分

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