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2019.09.05 NEWのむログ

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ

さつまいも、栗、柿、松茸……。秋の味覚は数あれど、「やっぱり、さんまがいちばん」という人も多いのではないだろうか。今回は、さんまの聖地・目黒にある、さんまの名店を紹介しよう。

「今日、飲みにいきませんか?」

9月のある日、Tが声をかけてきた。酒は苦手だと聞いていたが……。Tからお誘いをうけるとは珍しい。聞けば、目黒駅の近くに気になる店を見つけたのだという。

「目黒に引っ越したんだっけ?」
「そうなんです。今朝、出勤途中に『目黒のさんま』と書いてある看板が目に入ったんですが、ニュースでさんま特集を見たばかりだったせいか、どうしても行きたくなって。興味ありませんか?」

さんまはまさに今が旬。一も二もなく誘いに乗ることにした。JR目黒駅から徒歩2分の好立地に「目黒のさんま 菜の花」はあった。看板には確かに「目黒のさんま」と書かれている。

「目黒のさんまってどういうことなんでしょう? さんまって北海道とか三陸沖とかで獲れますよね? そもそも目黒は海に面していないはず」とT。
目黒のさんまといえば、“あの話”だろうけれど、食べる前に長々と講釈を垂れるのも野暮だ。「お腹も減っているし、まずは入ろうか」とTを促して店に入ることにした。

店内にはさんまを焼く香りが漂い、なんとも食欲をそそられる。

「この香り、たまりませんね」とはしゃぐTを横目に見ながらもメニューを開くと、「目黒のさんま七変化」というキャッチコピーが飛び込んできた。さんまの塩焼き、かば焼き、南蛮、ガーリックソテー、つみれ汁、おろしポン酢、梅肉揚げ。そこには、「七変化」のコピーそのままに7つのメニューが並んでいる。これは迷う。

熟考の末、七変化の中から塩焼きとかば焼きを選び、そこに刺身の盛り合わせ「三陸盛」とビールを追加することにした。

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ

まずはビールで乾杯し、三陸盛をいただく。料理を運んできてくれた店長の小野寺雅さんが、「本日のお刺身は、いさき、たこ、すずき、みやぎサーモン、まぐろです。すべて三陸の女川から直送されたものなんですよ」と説明してくれた。みやぎサーモンというのは、はじめて聞く名称だ。

小野寺さんによると、みやぎサーモンは宮城県が力を入れている“ブランド魚”とのことで、三陸の豊かな海が育んだ銀ざけを、水揚げしてすぐに「活け締め」「神経締め」などの処理をしているため、とにかく鮮度がいいのだという。

「お刺身で食べるのが一番のおすすめです」との言葉通り、実に新鮮で美味。身はとろけるようにやわらかく、脂がのっていて甘みがある。それでいてくさみはまったくない。

すると、おいしそうに刺身を食べていたTが、急に真顔になって小野寺さんに質問し始めた。

「『三陸盛の料金の100円分が女川の復興支援に充てられる』とメニューに書いてありましたけど、店を通じて支援活動を続けているのですか?」

確かに、それは気になっていた。だからこそ三陸盛を注文したのだ。
「お客様からいただいた料金のうちの100円を貯めて、年に一度、女川に足を運んで寄付しているんです」と小野寺さん。出身が女川なのかと思えば、そうではないとのこと。

「東日本大震災のあと、ご縁があって女川をはじめとする三陸の漁師さんたちと知り合いになりました。それで、少しでも復興のお役に立てればと思って始めたんです。始めてから今年で8年になります」

「こうやっておいしく食べて、それが少しでも復興支援になるのなら、いくらでも食べちゃいますよね」とT。日本酒も宮城や岩手のものをそろえているというので、ビールから岩手の蔵元・酔仙がつくる本醸造酒「三陸」に切り替える。三陸の魚と三陸の酒。これが合わないはずがない。

すっかりいい気分になってきたところで、さんまの塩焼きとかば焼きが登場。もちろんさんまも三陸直送だ。熱々のうちに、まずは塩焼きから。

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ

焼き色がついた腹の部分にぷつりと箸を入れ、湯気の立つ身をたっぷりの大根おろしとともに頬張る。これはうまい! 専用のグリルでおよそ20分、火との距離を絶えず調整しながら焼き上げるというさんまは、皮はぱりっと香ばしく、食べれば脂がほとばしる。

続いて、ワタの部分を食べ、すぐさま日本酒を一口。五臓六腑に染み渡るうまさに、思わず顔がゆるむ。

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ

向かい側では、「かば焼きもおいしいです!」とTが満面の笑み。つられて箸を伸ばすと、カラリと揚がったさんまに甘辛ダレがからんで、こちらも絶品だ。

「今年からさんま漁が通年できるようになりましたけど、やっぱりさんまは秋に限りますね」。しみじみとつぶやくTに、小野寺さんが「そして、目黒に限ります(笑)」と合いの手を入れる。

するとTが、「そうそう、それを聞こうと思っていたんだった。『目黒のさんま』ってなんのことですか?」と食いついた。「落語に『目黒のさんま』という演目があるんですよ」と小野寺さん。落語「目黒のさんま」はこんなストーリーだ。

時は江戸時代。鷹狩りで目黒へやってきた殿様は、立ち寄った茶屋ではじめてさんまを食べる。塩を振って焼いただけのさんまは、殿様が普段食べている手の込んだ料理に比べれば素朴そのもの。しかし、焼き立て、脂がのった旬のさんまの味に殿様は大感激。

さんまをたいそう気に入った殿様は、後日、家臣にさんまを所望する。この命令に困惑したのが料理番だ。さんまは庶民の魚。殿様にただ焼いて出すわけにはいかない。あんな脂たっぷりのものを食べさせて殿様が体を悪くしても困る。そう考えた料理番は、さんまの油を抜き、骨を抜き、さらに蒸して出した。

脂が抜け、出汁がらのようになったさんまを食べ、殿様は尋ねた。

「このさんまはどこから仕入れたのか?」
「日本橋でございます」
家臣の返答を聞いて殿様はこういったとか。
「それはいかん! さんまは目黒に限る」

「毎年秋に行われる『目黒のさんま祭り』も当店の店名も、この落語にちなんでいるんです」と小野寺さん。疑問が解けてすっきりしたのだろう。Tは塩焼きとかば焼きの残りを平らげるのに夢中になっている。

そんなTに、「さんまは、人々に『旬』を伝える存在として、昔も今も大勢の人に愛されてきたわけだ。EL BORDE(エル・ボルデ)もそうありたいものだね」と語りかけると、Tがこう言った。

「読者に旬の情報を届ける。まったくの同感です。そのためには、まず僕らがしっかりと旬を知ることが大切ですよね。ということで、すみませーん! さんまの七変化のほかのメニューもお願いします!」

うまく話を逸らされた気もするが、まあいい。七変化のほかのメニューも食べて旬を堪能したいという意見には、私も同感だ。

さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ
さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ
さんまの聖地・目黒で堪能する、秋の味覚の“七変化”――「目黒のさんま 菜の花」のイメージ
目黒のさんま 菜の花
さんまを中心に、その日のおすすめ食材を使った手作り料理がいただける。さんまは1年中提供しているが、9~11月の旬のさんまは格別。この時期限定のさんまのお刺身、なめろうもおすすめだ。毎月「3」のつく日は「さんまの日」として、さんまの塩焼きが525円から315円になるなど、お得なキャンペーンを実施(夜のみ)。なお、さんまが旬の時期は特に混み合うので、予約がベター。落語「目黒のさんま」の発祥の地といわれる目黒区三田の茶屋坂には、姉妹店「目黒のさんま 菜の花 茶屋坂店」がある。三陸色をより強く出した食材と料理、それを引き立たせる地酒50種類がそろっているので、こちらもぜひ訪ねてみてほしい。
所在地/東京都目黒区下目黒1-1-15 菊ビル一階
TEL/03-3491-0323
営業時間/平日11:30 ~ 14:00(L.O.13:50)、17:00 ~ 24:00(L.O.23:20)、土曜17:00 ~ 23:00(L.O.22:20)
定休日/日曜・祝日
予算/¥3,500~
アクセス/JR・都営地下鉄三田線・東京メトロ南北線・東急目黒線「目黒」駅から徒歩2分

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