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2018.12.06 NEW

実は残業がしたい!? 意外と厳しい80年代生まれの時間とお金事情

実は残業がしたい!? 意外と厳しい80年代生まれの時間とお金事情のイメージ

プレミアムフライデーは、なぜ不発に終わってしまったのか。EL BORDE読者のメイン世代である80年代生まれの時間とお金に関する意識を探る。

プレミアムフライデーとは何だったのか

政府と経済界が提唱し、2017年の2月に導入されたプレミアムフライデー。

給料日の直後に当たりやすい月の最終金曜日の終業時間を早め(15時とすることを奨励)、花金ならぬ“プレ金”を楽しもうという、働き方改革の促進と個人消費の喚起を狙って始まった一大キャンペーンだ。

しかしながら、導入直後こそ話題になったものの、実施から1年半以上が過ぎた現在では、当初のような盛り上がりは感じられない。

それもそのはず。実際、2018年2月にプレミアムフライデー推進協議会事務局が発表した調査結果レポートによると、月の最終金曜日の早期退社に取り組む企業は全国で800社にとどまっている。

また同レポートでは、小売業や飲食業など、プレミアムフライデー関連の取り組みを実施した企業1,130社のうち、4.3%が「売上が増えた」、18.1%が「やや増えた」と回答している。

当初の目的のひとつである個人消費の喚起に一定の貢献はしているものの、“プレ金”がここからさらに盛り上がると予想するのは現時点では難しいというのが正直なところである。

80年代生まれ世代の36%が、給料日前には苦しくなっている

EL BORDEが80年代生まれのビジネスパーソンを対象に行った消費意識に関する調査によると、「月々の支出を抑えようと努力している」かという質問に対し、「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人は合計して73.1%にものぼった。また、36.4%の人が「給料日前は苦しくなることが多い」と回答している(図1)。

図1:「月々の支出を抑えようと努力している」か? 「給料日前は苦しくなることが多い」か?

図1:「月々の支出を抑えようと努力している」か? 「給料日前は苦しくなることが多い」か?

※EL BORDEが、全国の80年代生まれの男性1,239人を対象にしたインターネット調査。2018年1月30日~2月1日に実施。

80年代生まれに該当する20代後半から30代といえば、結婚して家庭を持つ人や、“人生100年時代”に向けて今後のライフプランを描く人が増え始める時期。

結果、80年代生まれのビジネスパーソンにとっては、自由に使える時間や消費に対する意欲よりも、日々の生活や将来に向けた貯蓄の優先度が高くなる。

プレミアムフライデーで残業代が少なくなるのに、どんどん消費して楽しもうと言われても…。キャンペーンの効果があまり出ていないのは当然かもしれない。

80年代生まれ世代は、実は残業がしたい!?

実際に、先のEL BORDEが行った調査では、「給与・賞与のためなら多少忙しくても苦ではない」と思うかという質問に対し、59.0%の人が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答している(図2)。

図2:「給与・賞与のためなら多少忙しくても苦ではない」か?

「給与・賞与のためなら多少忙しくても苦ではない」か?

※EL BORDEが、全国の80年代生まれの男性1,239人を対象にしたインターネット調査。2018年1月30日~2月1日に実施。

最近の若手世代はプライベート優先、残業などは好まないとも言われるが、少なくとも80年代生まれ世代に限って見ると、意外にも「忙しくても報酬アップのためなら働きたい」と考える人の方が多いのだ。

もちろん、健康に支障が出るような違法な残業などは許すべきではない。しかし、家族や将来のためにバリバリ働いて稼ぎたいのに、会社が残業を許さない…。そんな悩みを抱えている人が存在することもまた事実。

皆が限られた時間の中で十分な賃金を稼げるようになるまで、“プレ金”の盛り上がりは期待できないかもしれない。

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