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2019.09.30 NEW

20年後には、空飛ぶクルマに乗れる?―80年代生まれのミライ【テクノロジー編】

20年後には、空飛ぶクルマに乗れる?―80年代生まれのミライ【テクノロジー編】のイメージ

昨今、5GやAIが注目を集めているが、このようなテクノロジーの進化によって、80年代生まれが生きていく日本の未来はどうなっていくのだろうか?「社会変化編」に続き、NRI未来創発センター長の桑津浩太郎(くわづ こうたろう)さんにお話を伺い、テクノロジーが創造する日本社会の未来像を見ていこう。

2020年の5G本格導入で、身の回りの生活が大きく変わり始める

「直近では、5Gの普及による変化が大きいです。5Gによって、通信速度が高速化するのはもちろんですが、何よりも大きいのは、同時接続可能数が増えることでIoTの普及が急速に進むことです」

IoTとはInternet of Thingsの略語で、あらゆるモノをインターネットに繋いでネットワーク化し、相互に制御できるようにする仕組みを意味する。身近な例でいえば、照明の点灯や空調の調整をはじめ、スピーカーに話し掛けるだけでネットワーク化された家電のコントロールができるスマートスピーカー(AIスピーカー)などがIoTの製品だ。

「IoTの普及によって、自動車やドローン、重機やロボットなどもインターネットにつながってきています。そこにAIが掛け合わさり、自動車の自動運転やロボットなどの遠隔操縦が可能になってくるでしょう。また、キャッシュレスの普及によって、代金の支払いをする場に人間を置く必要はほとんどなくなり、顔認証で支払いを済ませることもできるようになります」と桑津さん。

つまり、5Gの導入が引き金となって、IoTやAIの活用が急速に拡大することで、身の回りの“生活”が大きく変わってくるというのだ。

個人の生活はどう変わる?

このように5Gの導入に伴いテクノロジーが進化していくと、どのような未来が待っているのだろうか? 総務省の「未来をつかむTECH戦略」や「情報通信白書」では、この先に予測されるテクノロジーの進化があげられている。その予測を参考に、1985年生まれ(2020年で35歳)をEL BORDE(エル・ボルデ)読者の一例として挙げ、彼らの年齢移行にあわせて、どのような未来が訪れるのかを見てみよう(図)。

図:1985年生まれの年齢移行と、テクノロジーの今後の見通し(例)

図:1985年生まれの年齢移行と、テクノロジーの今後の見通し(例)

出典:総務省 情報通信審議会 情報通信政策部会 IoT新時代の未来づくり検討委員会「未来をつかむTECH戦略」、総務省「平成27年版 情報通信白書」から編集部作成

総務省の「未来をつかむTECH戦略」によると、1985年生まれが40歳の頃にはもう5Gが普及し、IoTにより家全体がネットワークにつながり、住宅と会話できる時代になるとされている。そして、AIの活用が急速化し、45歳の頃に仕事の約半分がAIに代替可能となるという。

45~55歳の頃には、ヒトと機械が共存・協調する社会になり、体内にデバイスを埋め込むことで、手をかざすだけで電子決済やドアの開錠ができたり、脳波を測って他人の脳に情報を飛ばしたりすることができてしまうというのだ。さらに、ここ最近注目されているドローンによる配送が拡大し、子供の頃に漫画で見たような、空飛ぶタクシーが飛び交う社会になるといわれている。20年後には、仕事や旅行などのシーンであたりまえに空飛ぶタクシーに乗っているかもしれない。

60歳になる頃には、全人類の知能を超える知能を持つAIが誕生し、そのAIが新たなAIをつくり出すといわれている。それ以降AIがどう進化していくか、人間には予測不能となる。

そして、いまの定年退職の年齢にあたる65歳になった頃には、最近話題の宇宙旅行が普及していて、宇宙エレベータも実現するといわれている。80年代生まれの定年後の旅行先として宇宙がメインになっているほど、宇宙旅行が一般化しているかもしれない。

80年代生まれの多くが生きている間に、いまの世の中がこんなSF映画のような世界になっていくことは信じ難いかもしれない。しかし、それだけテクノロジーの進化が人々の生活に与える影響は大きいのだ。

社会インフラはどう変わる?

続いて、人々の生活に不可欠な社会インフラの変化について、引き続き、桑津さんにお話を伺った。

「日本は特に人口減少や高齢化の課題を抱えているので、無人店舗や無人配送、無人運転(無人バス)などが発達した社会になっていくでしょう。むしろそのような社会にならざるを得ない。テクノロジーに限っていえば、すでに実現可能なレベルになってきています。

しかし、いま人が住んでいる全地域で、無人配送や無人運転の基盤をつくるにはかなりの費用がかかります。なるべく費用をかけずに基盤をつくるためにはまず、まとまって住むのが得策です。日本だと富山のコンパクトシティ(中心市街地の活性化と生活に必要な諸機能の集中が図られた都市政策)がいい例です。その方が、容易にインフラを整備できるでしょう」と桑津さん。

つまり、テクノロジーが進化していくとともに、インフラレベルから社会の在り方が変わっていく必要があるということだ。

そうした最先端テクノロジーの研究発表や関連企業の動向をキャッチアップしていけば、人々の生活や社会がどのように変化していくか予測できる。未来が予測できるようになれば、新たなビジネスのヒントが見つかるかもしれない。

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