世界から見た日本の平均賃金とモノ・サービスの価格
昨今、賃金の引き上げのニュースをよく耳にするようになりました。また、日本で働くよりも外国の方が収入がよいと言って海外に出稼ぎに出る人が現れている、という話も伝わってきたりしています。
そこで、今回は世界における賃金とモノ・サービスの価格推移を見ていきたいと思います。
日本の平均賃金はOECD加盟国中25位!
国際協力開発機構(OECD)の調査*1によると、2022年における38加盟国の年間賃金は53,416ドル(約582万円*2)でした。
日本の平均賃金は41,509ドル(約452万円)とOECD加盟国平均を130万円ほど下回っており、38カ国中25位でした。
ちなみに、一番平均賃金が高かったのはアイスランドで79,473ドル(約866万円)、一番低かったのはメキシコで16,685ドル(約182万円)で、2カ国の賃金差は4.8倍にものぼります。
ちなみに、1991年時点での同状況は下記グラフのとおりであり、日本の平均年収は40.379ドル(約370万円)で24カ国中14位でした。これはほぼOECD平均と同額の年収であり、1991年と2022年を日本円ベースで比較すると、微減という結果になりました。
日本の平均年収は30年ほぼ増えていない
賃金の伸びという点ではどうでしょう。
下記のグラフは1991年の平均賃金を100とした場合のOECD加盟国平均と日本の推移*1を表したものです。
ご覧の通り、世界平均では概ね賃金は上昇傾向にあり1991年から2022年までに33%も上昇したにもかかわらず、日本の平均賃金は3%しか上昇していません。
モノ・サービスの価格(消費者物価)は?
当該期間のモノ・サービスの値段(消費者物価)の推移はどうでしょうか?
下記グラフは同じく1991年を100とした場合の消費者物価推移*3です。
OECD参加国の平均は1991年から2022年までに物価が2.7倍になっていますが、日本ではわずか1.11倍にしかなりませんでした。
日本では消費者物価が11%伸びているにもかかわらず、賃金の伸びは3%にとどまっているので、この期間で生活がやや苦しくなっていることがわかります。
足元の環境下でも、賃金の伸びよりも物価上昇のスピードの方が高い状況となっています。
これからのためにも、今までとは違う新しいことを始める必要があるのではないでしょうか?
- 「インフレ」を基礎から詳しく解説します
『いまさら聞けないインフレの基礎』 - インフレ時代の資産形成の知識ついてトークセッション形式でわかりやすく解説します
『インフレ時代に知っておきたい話 Part1~私たちの生活への影響は?』 - インフレの対策には外貨投資も一案?
『インフレへの備えとしての「外貨投資」のススメ』
文責:野村證券株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室 籔内 大助
この資料はライフプランに関する情報提供を唯一の目的としており、投資勧誘を目的としたものではございません。この資料は、2024年4月時点で信頼できると判断したデータを基に野村證券株式会社が作成したものであり、正確かつ完全であることを保証するものではありません。また、将来変更される可能性があります。この資料のいかなる部分も一切の権利は野村證券株式会社に属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等はできません。