マーケットアウトルック - アジア市場 -

投資の視点は2018年5月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/6/11 現在

投資の視点

堅調であった1-3月期実質GDP後の中国の景気動向に注目が集まっていますが、5月の輸入は好調で内需が底堅いことを裏付け、輸出も2ケタの伸びを維持しました。5月政府版製造業・サービスPMIも良好で、景気減速への警戒感は後退しています。5月の外貨準備も安定的に推移しており、資本流出を懸念する必要性は低いと見られます。
全国人民代表会議(全人代)で「習近平一強」体制が確立され、構造調整が進展し、2018年の成長率はやや減速すると見られますが、「高品質成長」への転換、金融リスクの抑制など安定を重視した政策運営が継続される見通しで、景気のソフトランディング(軟着陸)の見通しを継続します。
香港H株(ハンセン中国企業株)指数は2017年年央以降、中国経済減速に対する懸念の後退や米長期金利の落ち着きを背景に上昇基調となり、2018年1月26日に2年7ヶ月ぶりとなる13723ポイントを記録しました。その後は米国金利上昇、米中の貿易摩擦問題が株価の重石になりました。また、米国金利が上昇する一方、香港では中国本土からの資金流入が続き、香港の金利が低下し、香港ドルが対ドルペッグ(固定)制の下限まで減価しました。このため、4月中旬に香港金融管理局が香港ドル買い介入を実施し、流動性の縮小懸念が株価の足を引っ張りました。しかし、流動性逼迫には至らず、6月8日時点で12165ポイントと狭いレンジ内での推移となっています。
米中貿易摩擦では、6月15日までに米国が中国の知的財産侵害に対する制裁関税の最終案を発表する予定ですが、ハイテク分野の争点となっている中国の大手通信機器メーカーに対する制裁見直しで合意したことから対立は緩和されると見込まれます。野村證券は、向こう1年間の香港H株指数の予想レンジを11,300~13,500ポイントと予想します。

グラフ

(注)中国は上海A株指数、韓国は韓国総合株価指数、台湾は台湾加権株価指数、香港はハンセンH株指数
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は、2018年6月8日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。