マーケットアウトルック - アジア市場 -

投資の視点は2018年9月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/10/15 現在

投資の視点

中国の9月景況感は総じて軟化しており、景気は全体として弱含んでいます。7月末以降、金融・財政政策を通じて景気重視の姿勢を強化していますが、直近では、米中通商摩擦の悪影響に備えて、個人所得税減税による国内消費の底上げや、預金準備率の引き下げによる金融緩和強化を図っています。当面は景気への懸念が継続するものの、景気対策の効果は年末までには現れると見込まれます。
香港H株(ハンセン中国企業株)指数は2月以降、米国金利上昇、米中通商摩擦が株価の重石になりました。また、香港では中国本土からの資金流入が続き、香港の金利が低下し、香港ドルが対米ドルペッグ(固定)制の下限まで減価しました。このため、4月中旬に香港金融管理局が香港ドル買い介入を実施しました。流動性の縮小懸念が株価の下押し要因となり、株価はボックス圏の推移が続きました。
6月以降は通商摩擦が激しさを増し、米中両国の追加関税の掛け合いとなりました。人民元の下落基調も嫌気され、株価は続落しましたが、7月下旬に景気重視の政策転換が明らかになり、株価は下げ止まりました。しかし、トルコショックなど新興国への懸念もあり、再び軟調な推移となりました。
8月16日に米中の通商交渉入りが発表され、反発しましたが、8月末にトランプ米大統領の対中追加関税の早期発動発言などを受けて、軟調に転じました。9月17日に米国の追加関税第3弾が発表されましたが、内容が最悪のシナリオではなかったこともあり、リスク回避的な傾向が緩和されて反発しました。その後も預金準備率引き下げなどが実施されましたが、市場は中国経済の苦境を再認識する形となり、さらに米国の通商摩擦に関する対中牽制の強まりを嫌気し、10月11日時点では10092ポイントと年初来安値を更新しました。香港H株の1年後の予想レンジを9000~11500ポイントとします。

グラフ

(注)中国は上海A株指数、韓国は韓国総合株価指数、台湾は台湾加権株価指数、香港はハンセンH株指数
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は、2018年10月11日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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