マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2019年6月17日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/07/01 現在

投資の視点

豪州経済は、世界最長となる過去28年間にわたり、景気後退(2四半期連続の前期比マイナス成長)に陥ることなく、プラス成長を維持しています。ただし、足元の景気は減速傾向にあります。2019年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.8%と、前期の同+2.4%から減速しました。
消費者物価(CPI)上昇率は、豪州準備銀行(RBA)による政策目標(前年比+2~3%)を当面下回る水準にとどまると見られ、追加利下げ観測が高まる中、豪ドルには下押し圧力がかかりやすくなっています。さらに、米中通商摩擦が長期化するとの懸念も豪ドルのリスク要因と見られます。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は2019年6月4日の金融政策会合で2年10ヵ月ぶりの利下げを決定し、政策金利を1.25%へ引き下げました。同日夜のロウRBA総裁の講演において景気重視姿勢が示されたこと等を踏まえ、野村證券では2019年8月と11月に追加利下げが実施され、政策金利は2020年末まで0.75%に引き下げられると予想しています。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年6月27日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

豪ドルが下落基調にある一因は、米国との金利差にあります。米国で2015年12月~2018年12月に継続的な利上げが実施された一方、豪州で2019年6月に利下げが実施されたことで、政策金利差は拡大しました。豪州では、年内追加利下げ観測が根強くあり、豪ドル相場を下押ししています。野村證券では、年後半に豪州の景気が回復に向かうと予想していますが、豪州における利下げ打ち止め感が出てくるまでは、豪ドルは上値を重くするとみています。
豪ドル弱含みのもう一つの要因として、米中通商摩擦の激化に対する懸念が挙げられます。豪州は鉄鉱石を中心とした中国向け輸出が全体の3割超を占めることから、米中の対立により中国の景気減速懸念が強まる場合、豪ドル相場には下落圧力がかかりやすいと見られます。向こう1年間の豪ドルの対円相場レンジを1豪ドル=72.0~78.0円と予想します(従来予想は同73.0~79.0円)。

豪ドルの市場動向

豪ドル相場は、2019年4月半ばに対円で80円台前半へ強含みました。中国の景気刺激策が好感され、上海総合指数や商品市況が上昇したことが豪ドル上昇の背景です。しかしその後、2019年1-3月期CPI上昇率の下振れや住宅投資の落ち込みを受けて早期利下げ観測が再燃すると、豪ドルは下落基調に転じました。5月5日に米トランプ大統領が対中関税引き上げを表明し、米中通商摩擦が再燃すると、豪ドルは一段安となりました。5月18日の総選挙では、事前予想を覆して与党・保守連合が勝利し、一時豪ドル相場を押し上げました。しかし、ロウRBA総裁が5月21日、6月の理事会で利下げを検討する意向を示すと、金利先安観が強まり、豪ドル安が進みました。6月4日にRBAが実際に利下げを実施し、ハト派寄りの姿勢を示したことを受け、市場では追加観測が高まりました。豪金利先安観や、米中通商問題の長期化懸念を背景に、豪ドルは6月中旬以降に対円で74円台前半へ弱含みました。足元では、米中首脳会談で両国の通商摩擦が緩和されることへの期待などから、豪ドルは対ドル・対円で持ち直し基調に転じています。2019年6月28日15時現在、対米ドルでは0.70米ドル台前半、対円では75円台半ばで推移しています。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年6月27日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、売り持ち超過が続いています。2019年6月18日現在、約8.0万枚(約6,000億円)の売り持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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