マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2017年3月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/3/27 現在

マーケット動向から

・豪ドルは、中国経済の底割れ懸念、軟調な資源市況、2016年5月3日のRBA(豪州準備銀行)による利下げを背景に、1豪ドル=0.72米ドル前後まで軟化しました。その後、6月初から鉄鉱石価格の回復などを好感して再び上昇に転じ、同23日の英国国民投票でのEU離脱選択直後の下落幅は限定的でした。
・8月2日の追加利下げは市場にほぼ織り込み済みであり、11月初めにかけて中国経済の失速懸念の後退と米国の利上げペースやRBAの追加利下げに関する市場関係者の思惑が綱引きする形で、概ね1豪ドル=0.75~0.77米ドルのレンジで推移しました。11月8日の米大統領選におけるトランプ氏の当選を受けた米ドル高・米金利高を背景に、豪ドルは再び軟調に転じ、12月下旬には1豪ドル=0.72米ドルまで下落しました。
・2017年初めからは人民元安期待の後退や資源市況の回復を好感して反発、2月半ばには同=0.77米ドルまで上昇しました。3月初めから資源市況の軟化を背景に同=0.75米ドルまで下落しましたが、米国の利上げペース加速懸念の後退を受けて、足元では持ち直し傾向にあります。
・一方、対円では英国のEU離脱選択後の円急伸を受けて軟化し、2016年6月27日には4年ぶりの74円台を付けました。8月以降は76~80円のレンジで一進一退で推移しましたが、12月半ばにかけて米トランプ大統領当選後の米国金利上昇を映した円安進行から87円台まで急騰しました。2017年初めから円高が進む中、豪ドルは資源市況に下支えされ、2月15日に2016年初め以来の88円を付けました。足元では、急激な円高米ドル安の進行を受けて年初の84円台まで急落しています。2017年3月27日15時現在、対米ドルでは0.76米ドル台前半、対円では84円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月24日)

金融政策動向

RBAは2017年3月7日の金融政策会合で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。声明文では、底堅い消費や資源輸出の拡大などを受けて豪州景気は緩やかに持ち直すとの見方を示しました。また、インフレ率は緩慢な労働市場の回復を背景に、当面低水準の推移が続くとの見通しも維持しました。野村證券では、RBAが8月に0.25%ポイントの利下げを実施すると予想していますが、利下げ打ち止めとの見方が有力になりつつあります。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月24日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は中国悲観論などを背景に売り持ち超過が続きましたが、2016年2月下旬から中国経済の安定化や商品市況底入れを受けて、買い持ち超過に転じました。その後も総じて買い持ち超過で推移していましたが、12月13日から売り持ち超過となりました。2017年1月下旬以降は再び買い持ちに転じ、2017年3月21日現在、約5.6万枚(約4,800億円)の買い持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

2016年10-12月の実質GDP成長率は前年同期比+2.4%と市場予想を上回り、7-9月期の同+1.9%から持ち直しました。当面の成長率は低水準ながらも底割れリスクは小さいと見込まれます。一方、10-12月期の消費者物価上昇率は前年同期比+1.5%と依然RBAのインフレ目標(同+2~3%)を下回っているものの、追加利下げ期待は後退しつつあります。米国の金利先高観は根強いですが、商品市況の持ち直し及び底堅い豪州景気を踏まえると、豪ドルの対米ドル相場の下落余地は限定的と言えます。他方、米国経済の復調や日米金利差拡大を背景に、再び円安米ドル高基調に回帰することが期待されます。もっとも、商品市況の回復が明確化するまでは、豪ドルが本格的な上昇局面に入るのは容易ではないでしょう。今後1年間の対円相場のレンジを1豪ドル=84~95円と予想しています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。