マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2021年2月8日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2021/02/15 現在

投資の視点

豪州では、政府の景気支援策(向こう4年間でGDP比5%相当)や豪州準備銀行(RBA)による低金利・量的緩和策の効果から、雇用情勢の改善や住宅市場の持ち直しが鮮明となっています。景気回復期待の高まりに加え、資源価格の上昇は豪ドルの上昇を後押ししています。
RBAは2月の金融政策会合において追加的な量的緩和策を打ち出し、少なくとも向こう3年間は利上げ再開の条件を満たす水準までインフレ率は加速しないであろうとの見解を示しました。豪州の低金利長期化観測が根強い一方、米国の金融緩和継続が豪ドルの下支えとなっています。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は2021年2月2日、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レートと3年物国債利回りの誘導目標をそれぞれ0.10%に据え置きました。さらにRBAは、中長期国債などの買い入れ(総額1,000億豪ドル)を通じた量的緩和について、現行のプログラムが終了する4月中旬以降も1,000億豪ドル追加して継続する方針を打ち出しました。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2021年2月11日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

米国の低金利政策が長期化するとの見方や、鉄鉱石など資源価格の底堅さは、豪ドルを下支えしています。一方、最大の輸出先である中国との通商をめぐる対立が深刻化し、対中貿易が停滞するリスクには留意が必要です。
豪ドルが堅調さを維持するには、政府の景気対策とRBAの低金利・量的緩和政策の効果によって、雇用情勢とインフレ見通しが順調に改善へ向かい、景気回復とともに金融緩和解除への期待が高まる必要があるとみられます。

豪ドルの市場動向

2020年11月3日の金融政策会合で政策金利が史上最低水準の0.1%へ引き下げられ、量的緩和策の拡大が決定されると、材料出尽くし感から豪ドルは上昇基調に転じました。米国大統領選後に米国政治をめぐる不透明感が後退し、豪ドル高が進みました。27日に中国により豪州産のワインに対して反ダンピング関税が課されるとの報道を受け、豪州経済への悪影響が懸念されると、上値を重くしました。
12月1日の同会合の声明文では、景気の予想以上の改善が指摘され、2日発表の7-9月期実質GDPが市場予想を上回り、9日発表の12月の消費者信頼感指数が約10年振りの水準へ改善すると、豪ドルは上昇しました。鉄鉱石など資源価格の上昇も相場の追い風となりました。中国が豪州産石炭輸入を正式に禁止したことや、豪州でも新型コロナの変異種が確認されるとたことで、一時軟化しましたが、24日に英国と欧州連合の通商合意を受けて強含みました。
2021年1月に入り、米国の追加経済対策への期待などから市場のリスクセンチメントが改善する中、豪州では新型コロナの感染拡大が他の欧米諸国に比べ抑制されていることや鉄鉱石価格が高値を維持していることを追い風に、豪ドルは上昇基調を強めました。 21日公表の12月の失業率が低下したことも豪ドル高を後押ししました。
2月2日の同会合で量的緩和拡充の方針が示されると、豪ドルは一時弱含みましたが、4日発表の12月の貿易収支で黒字幅が拡大したことや、10日発表の2月の消費者信頼感指数が改善したことを受け、豪ドルは堅調さを取り戻しました。足元ではエネルギー価格の上昇も豪ドル高につながっています。2月12日15時現在、対米ドルでは0.77米ドル台半ば、対円では81円台前半で推移しています。向こう1年間の豪ドルの対円予想相場レンジを1豪ドル=78.0~86.0円に据え置きます。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2021年2月11日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、2020年半ば以降、概ね買い持ち超過が続いています。2021年1月12日現在、約1万6千枚(約1,290億円)の買い持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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