マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2017年10月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/11/13 現在

マーケット動向から

・2017年初めから、豪ドルは人民元安期待の後退や資源市況の回復を好感して反発し、2月半ばには同=0.77米ドルまで上昇しましたが、4月上旬にかけて鉄鉱石価格の下落を背景に、同=0.75米ドル前後まで軟化しました。加えて、米国の6月利上げ期待が高まったことや、米大手格付け会社による中国国債の格下げを受けて下押し圧力が強まり、6月上旬にかけて同=0.73米ドル~0.75米ドルのレンジで弱含みで推移しました。
・7月中旬以降は、豪州経済の下振れリスクの後退に加えて、中国経済が安定感を増したことや米国長期金利の低下を背景に豪ドルの上昇基調が鮮明となり、9月8日には同=0.805米ドルと2015年1月以来の高値を付けました。
・9月下旬から米ドルの反発や商品市況の軟化を受けて同=0.77米ドル台まで下落しました。その後、一時的に持ち直しましたが、10月25日に発表された7-9月期の消費者物価上昇率が市場予想を下回ったことを受けて、今年7月以来となる同=0.76米ドル台まで下落しています。
・一方、対円では、2017年初めから資源市況の回復を背景に上昇し、2月15日に2016年初め以来の1豪ドル=88円を付けましたが、3月半ばから円高が進んだことを受けて、同=82円前後まで軟化しました。
・6月下旬以降は、中国景気の上振れを受けた堅調な資源市況や円安を背景に、豪ドルは対円で上昇に転じました。その後、9月上旬にかけての円反騰を主因に軟化しましたが、9月中旬からの再び急速な円安進行を受けて、9月20日には2015年12月以来の1豪ドル=90円台を付けました。10月下旬から再び円安圧力が強まりましたが、概ね同=87~88円のレンジでの動きとなっています。2017年11月13日15時現在、対米ドルでは0.76米ドル台後半、対円では87円近傍で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)

金融政策動向

RBA(豪州準備銀行)は2017年11月7日の金融政策会合で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。声明文では、雇用環境の改善継続、低金利を背景とする非鉱業部門の投資増加などを背景に、豪州経済は緩やかに回復するとの見方を維持しました。また、賃金上昇率は鈍いものの、基調インフレ率は緩やかなペースで加速するとの見通しを示しています。野村證券では、利下げ局面は終了し、RBAは2018年末まで現行の政策金利を維持すると予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、2016年2月下旬から中国経済の安定化や商品市況底入れを受けて買い持ち超過に転じました。同年12月から2017年1月下旬に一時的に売り持ち超過となった期間を除いて、5月半ばまで買い持ち超過で推移しました。その後、売り持ち超過に転じましたが、6月下旬より再び買い持ち超過となっています。2017年10月31日現在、約5.2万枚(約4,600億円)の買い持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

2017年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.8%と1-3月期と同水準にとどまりましたが、内需は底堅く推移しており、豪州経済は年後半には同+2%台の成長率へ回復するとみられます。一方、7-9月期の消費者物価上昇率は前年同期比+1.8%と4-6月期の同+1.9%から減速し、RBAのインフレ目標圏(同+2~3%)を依然下回っています。ただ、米国が緩やかなペースでの利上げが見込まれる一方、中国経済の安定化および底堅い豪州景気を踏まえると、豪ドルの対米ドル相場の下値リスクは限定的とみられます。また、米国経済の復調や日米金利差拡大を背景に、中期的に円安米ドル高基調が予想されます。もっとも、豪州経済の回復傾向が鮮明となるまでは、本格的な豪ドル高局面入りするのは容易ではないでしょう。今後1年間の対円相場のレンジを1豪ドル=85~101円と予想します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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