マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2019年2月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/3/11 現在

投資の視点

豪州経済は、世界最長となる過去28年間にわたり、景気後退(2四半期連続の前期比マイナス成長)に陥ることなく、プラス成長を維持しています。ただし足元の景気は減速傾向にあり、2018年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+2.3%と、同7-9月期の同+2.7%を下回りました。
2018年10-12月期の消費者物価上昇率は前年同期比+1.8%とインフレ目標(同+2~3%)の下限を下回る水準にあります。米国で継続的な利上げが実施された一方、豪州では利下げ観測が強まっており、豪米金利差の拡大が豪ドルの減価につながっています。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は2019年3月5日の金融政策会合において28会合連続で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。野村證券では、景気下振れに伴うインフレ期待の低下を考慮し、RBAが政策金利を2019年7月および8月に0.25%ポイントずつ引き下げるとの予想に変更しました(従来予測は2020年末まで政策金利据え置き)。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年3月7日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

豪ドルの主な変動要因として、(1)米国との政策金利差、(2)中国の景気動向が挙げられます。豪米金利差(米国ー豪州)に関しては、米国で継続的な利上げが実施された一方、豪州では政策金利が据え置かれたことで拡大しました。ロウRBA総裁は利上げ・利下げ双方の可能性を示していますが、今後、RBAが成長率と物価の見通しを下方修正するかどうかは、金融政策の方向性を見る上で注目されます。豪州は中国向け輸出が全体の3割超を占めており、最大輸出品目である鉄鉱石は約8割が中国向けであることから、米中通商摩擦に伴う中国の成長鈍化懸念は、豪ドルの上値を重くする一因とみられます。豪ドルが回復に向かうには、米中通商協議の進展や、年後半に中国景気が安定することが条件になると見られます。向こう1年間の豪ドルの対円相場レンジを1豪ドル=73.0~86.0円と予想します。

豪ドルの市場動向

豪ドル相場は、RBAが政策金利を据え置く一方、米国が利上げを継続し、豪米政策金利差(米国ー豪州)が拡大したことを主因に、2018年を通じて下落基調となりました。2018年9月下旬以降に米国の長期金利が急上昇したことや、10月中旬以降に米国株式相場が乱高下し、市場のリスク回避傾向が強まったことも豪ドルの軟化につながりました。
12月1月の米中首脳会談を経て米中通商摩擦への過度な懸念が後退すると、豪ドルは対円で一時83円台後半と約9ヶ月半振りの水準へ上昇しました。その後、世界景気減速懸念が強まると豪ドルは軟化しました。2019年入り後に米国株が回復しリスク回避姿勢が後退すると豪ドルは一時上昇に転じました。しかし、2月6日にロウRBA総裁が今後は利上げ・利下げともに可能性があるとして景気に慎重な姿勢を示し、8日公表の金融政策報告で成長率とインフレ見通しが下方修正されたことを受け、豪ドルは再び下落しました。3月6日公表の実質GDP成長率が市場予想を下回ると、金利先物市場では年内利下げを織り込む動きが強まり、豪ドルは一段安となりました。2019年3月8日15時現在、対米ドルでは0.70米ドル近傍、対円では77円台後半で推移しています。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年3月7日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、売り持ち超過が続いています。2019年2月26日現在、約5.0万枚(約3,900億円)の売り持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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