マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2020年10月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/11/16 現在

投資の視点

豪州政府が10月6日に発表した2020/21年度(2020年7月~2021年6月)連邦予算案では、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済を再建するため、向こう4年間でGDP比5%相当の大規模な支援策が打ち出されました。景気対策は雇用創出に主眼が置かれ、企業の設備投資や資金繰りの支援、個人所得税の減税、さらにインフラ投資計画の拡充などが盛り込まれました。一方、住宅市場の弱含みに加え、企業への賃金補助制度が2021年3月末に打ち切られ、雇用情勢が悪化する可能性などが景気回復の足かせとなるリスクには留意が必要です。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は11月3日、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レートと3年物国債利回りの誘導目標をそれぞれ0.25%から0.10%へ引き下げ、為替決済残高付利金利を0.10%から0.00%へ引き下げ、国債の買入れ対象に5年物と10年物の国債・州債を追加して向こう6ヵ月で1000億豪ドル(対GDP比約5%)を購入することを決定しました。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年11月12日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

米国の低金利政策が長期化するとの見方や、資源市況の底堅さは、豪ドルを下支えしています。一方、RBAによる中長期国債購入に伴い、豪州の長期金利上昇が抑制されるとみられることや、対中関係の悪化は、豪ドルの上値を抑えるとみられます。豪ドルが堅調さを維持するには、政府の景気対策とRBAの低金利・量的緩和政策の効果によって雇用情勢とインフレ見通しが改善する必要があるとみられます。

豪ドルの市場動向

豪ドル相場は、3月初旬の原油価格急落に続き、世界的な株安の進行を背景に下落基調を強めました。RBAが19日の緊急金融政策会合で追加利下げと量的緩和政策を打ち出すと、豪ドルは対円で59円台と、2009年2月下旬以来の低水準へ下落しました。
4月7日に追加利下げが見送られ、5月に入り移動制限の一部緩和や公共施設およびレストランの営業再開が認められると、豪ドルは上昇基調を強めました。6月2日にRBAが景気判断を上方修正したことや、鉄鉱石価格が回復を示したことを受け、豪ドルは年初来高値圏へ上昇しました。
7月7日にRBAが景気に楽観的な見方を示したことや、資源高を背景に、豪ドルは底堅さを維持しました。8月中旬には、ビクトリア州の都市封鎖に伴う景気回復の遅れ、RBA総裁の豪ドル安を容認する発言などを受け、豪ドルは一時上値を重くしましたが、同月下旬には米国の低金利長期化観測を背景に豪ドルは再び上昇基調となりました。
9月1日にRBAが金融機関への低利資金供給の増額を発表すると、豪ドルは78円台前半と2019年5月初旬以来の高値へ上昇しました。しかし、2日発表の4-6月期の実質GDPが予想以上に落ち込み、欧米の株安に伴いリスクセンチメントが悪化すると、豪ドルには下押し圧力が強まりました。
10月6日にRBAが政策金利を据え置く一方、追加利下げの可能性を示唆したことを受け、豪ドルは下落しました。13日に中国が豪州産石炭の輸入を停止したと報じられたこと、RBA高官が相次いで追加緩和の可能性を示唆したことを受け、豪ドルは一段安となりました。11月3日の追加利下げと量的緩和拡大により景気回復期待が高まり、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展などに伴い、市場のリスクセンチメントが改善すると、豪ドルは反発しました。豪ドルは11月13日15時現在、対米ドルでは0.72米ドル台前半、対円では75円台後半で推移しています。向こう1年間の豪ドルの対円相場レンジを1豪ドル=72.0~83.0円と予想します。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年11月12日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、7月に入り約2年3ヵ月振りに買い持ち超過へ転じました。2010年11月3日現在、5,200枚(約395億円)の買い持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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