マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2020年3月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/03/30 現在

投資の視点

豪州の2019年10-12月期実質GDP成長率は前年同期比+2.2%と、前期の同+1.8%から加速しました。民間消費の低迷や住宅建設の落ち込みが続いた一方、政府支出の拡大が景気を下支えしました。新型肺炎の感染拡大に伴う輸出の落ち込みや森林火災の影響による個人消費の鈍化が予想されることから、野村證券では豪州の2020年1-3月期の実質GDP成長率は前期比-0.3%(2019年10-12月期は同+0.5%)とマイナスに転じると予想します。国内外の景気下振れ懸念が引き続き豪ドルの重しとなりやすいことには留意が必要です。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は、2020年3月19日に緊急会合を開催し、0.25%ポイントの追加利下げにより政策金利を過去最低の0.25%へ引き下げました。同時に、3年物国債金利が0.25%程度で推移するよう国債や政府機関債の買入れを実施する方針や、銀行の中小企業向け貸出を支援する目的で資金供給措置を打ち出しました。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年3月26日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

新型肺炎の世界的な感染拡大により景気下振れ懸念が強まる中、豪州政府は3月12日に向こう3年間で229億豪ドル(対GDP比1.5%)の財政支援策を打ち出したことに続き、22日に中小企業や低所得者向けを中心とする追加支援策として660億豪ドルの財政出動を発表しました。豪ドルが底堅さを取り戻すには、政府の景気対策に加え、RBAによる資金供給と低金利政策の継続により、豪州経済が景気後退入りを回避し、回復に向かうことが条件となります。

豪ドルの市場動向

豪ドル相場は、2019年末に金利先安観の後退や、米中通商協議の進展期待から、対円で76円台円前半と、約5ヵ月振りの水準へ上昇しました。
2020年1月3日に米軍がイラン革命防衛隊司令官を殺害し、両国の関係悪化懸念が高まると、豪ドルは急落しました。その後、8日に中東情勢の緊張が緩和し、15日に米中が第1段階の通商合意に署名したことを受け、豪ドル高が進みました。しかし、豪州の森林火災や新型肺炎による豪州景気の下振れ懸念が強まると、豪ドル安が進みました。
2月に入り、中国政府の景気下支え策や、森林火災が豪雨により鎮火したことを受け、豪ドルは堅調さを取り戻しました。しかし、新型肺炎の世界的な感染拡大懸念が高まる中、27日公表の2019年10-12月期民間設備投資が市場予想を上回る落ち込みを示すと利下げ観測が強まり、豪ドルは一段安となりました。
3月3日にRBAが0.25%の利下げを決定し、追加利下げを示唆すると、景気刺激期待から豪ドル安は一服しました。しかし、6日に石油輸出国機構(OPEC)と主要産油国による協調減産協議の決裂を受けて原油価格が急落し、市場のリスクオフが加速したこと、さらに、世界保健機構(WHO)が11日に新型肺炎は「パンデミックに相当する」との見解を表明したことを受け、豪ドル安が進みました。豪州政府が12日に景気刺激策を打ち出すと豪ドルは一時持ち直しましたが、13日には世界的な株安を受け、再び下落基調を強めました。19日に緊急の金融政策会合において追加利下げと豪州国債などの買入れ策が発表されると、豪ドルは下値を切り下げました。22日に政府が追加的な景気支援策を発表すると豪ドルは一時持ち直しましたが、新型肺炎の感染拡大への警戒感が増す中、引き続き上値が重い展開が続いています。3月27日15時現在、対米ドルでは0.60米ドル台後半、対円では66円台前半で推移しています。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年3月26日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、売り持ち超過が続いています。2010年3月17日現在、約3.9万枚(約2,500億円)の売り持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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