マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2019年4月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/05/13 現在

投資の視点

豪州経済は、世界最長となる過去28年間にわたり、景気後退(2四半期連続の前期比マイナス成長)に陥ることなく、プラス成長を維持しています。ただし、足元の景気は減速傾向にある上、2019年1-3月期の消費者物価(CPI)上昇率は前年同月比+1.3%と、2018年10-12月期の同+1.8%から低下するなど、インフレ減速が顕著となっています。豪州で利下げ観測が高まる中、豪ドルには下押し圧力がかかりやすくなっています。また、米中通商交渉の行方や5月18日の総選挙をめぐる先行き不透明感も豪ドルのリスク要因と見られます。

金融政策

豪州準備銀行(RBA)は2019年5月7日の金融政策会合において30会合連続で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。利下げは見送られたものの、当面低インフレが続く見通しであることを踏まえ、野村證券では8月および11月に0.25%ポイントずつの利下げが実施されるとの見通しに変更しました(従来予想は5月と8月に利下げ実施)。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年5月9日)

豪ドルの注目点と今後の見通し

豪ドルの主な変動要因として、(1)米国との政策金利差、 (2)中国の景気動向が挙げられます。豪米金利差(米国ー豪州)に関しては、米国で継続的な利上げが実施された一方、豪州では政策金利が据え置かれたことで拡大しました。今後、豪州の利下げ観測がさらに高まれば、豪ドルには下押し圧力がかかりやすくなると見られます。豪州は中国向け輸出が全体の3割超を占め、最大輸出品目である鉄鉱石は約8割が中国向けであることから、米中通商摩擦に伴う中国の景気減速懸念は、豪ドルの上値を重くしています。今後は米中通商交渉の行方が注目されます。また、5月18日の総選挙に向けた世論調査では、野党が与党をリードしており、6年振りに政権が交代するかが焦点となります。向こう1年間の豪ドルの対円相場レンジを1豪ドル=75.0~84.0円と予想します。

豪ドルの市場動向

豪ドル相場は、2018年12月1日の米中首脳会談を経て米中通商摩擦への過度な懸念が後退すると、対円で一時83円台後半と約9ヶ月半振りの水準へ上昇しました。その後、世界景気減速懸念が強まると豪ドルは軟化しました。
2019年入り後には、市場のリスク回避姿勢が後退し、豪ドルは一時上昇しました。しかし、2月6日にロウRBA総裁が利下げの可能性も示唆したことや、2月の金融政策報告書で成長率とインフレ見通しが下方修正されたこと、さらに前年10-12月期の実質GDP成長率が市場予想を下回ったことを受け、金利先物市場ではRBAによる年内利下げを織り込む動きが強まり、豪ドルは下落基調を強めました。3月半ばから4月半ばにかけては、中国の景気刺激策を好感して上海総合指数や商品市況が上昇し、これらと連動性が高い豪ドルは回復に向かいました。しかし、2019年1-3月期CPIの下振れや3月の住宅建設許可件数の落ち込みを受け、市場で早期利下げ観測が再燃すると、豪ドル下落に転じました。5月5日に米トランプ大統領が対中関税引き上げを表明し、米中通商摩擦が再燃すると、豪ドルは一段安となりました。2019年5月10日15時現在、対米ドルでは0.69米ドル台後半、対円では76円台後半で推移しています。

豪ドルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年5月9日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、売り持ち超過が続いています。2019年4月30日現在、約7.9万枚(約6,200億円)の売り持ち超過となっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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