マーケットアウトルック - 豪州市場・豪ドル -

投資の視点は2018年1月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/2/5 現在

マーケット動向から

・豪ドルは、2017年2月半ばに人民元安期待の後退や資源市況の回復を好感して、1豪ドル=0.77米ドルまで上昇した後、5月上旬にかけて鉄鉱石価格の下落を背景に同=0.73米ドル台まで軟化しました。その後、米国の6月利上げ期待が高まったことなどを受けて下押し圧力が強まり、6月上旬にかけて同=0.73米ドル~0.75米ドルのレンジで弱含みで推移しました。
・7月中旬以降は、豪州経済の下振れリスクの後退に加えて、中国経済が安定感を増したことや米国長期金利の低下を背景に豪ドルの上昇基調が鮮明となり、9月8日には同=0.805米ドルと2015年5月以来の高値を付けました。
・9月下旬からは米ドルの反発や商品市況の軟化を受けて、同=0.77米ドル台まで下落しました。さらに、10月25日発表の豪州の7-9月期消費者物価上昇率が市場予想を下回ったことを受けて、7月以来となる同=0.76米ドル台まで軟化しました。11月半ば以降、同=0.76米ドル近辺で一進一退で推移した後、12月半ばから2018年1月末にかけては資源市況の持ち直しを背景に反発しましたが、10-12月期の消費者物価上昇率が予想を下回ったことを受け、豪ドルはやや上値を重くしています。
・一方、対円では、2017年6月下旬以降は中国経済の上振れを受けた資源高や円安を背景に、豪ドルは対円で上昇基調に転じました。9月中旬からの急速な円安進行を受けて、9月20日には2015年12月以来の同=90円台を付けました。
・その後、概ね同=87~88円のレンジで推移しましたが、円反騰を受けて11月末に同=84円台まで下落しました。2018年1月半ばから下旬にかけて豪ドルは資源市況の上昇を好感する形で上昇しましたが、足元では対円では上値を重くしています。2018年2月5日15時現在、対米ドルでは0.79米ドル台前半、対円では87円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)

金融政策動向

RBA(豪州準備銀行)は2017年12月5日の金融政策会合で政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。声明文では、雇用環境の改善継続、非鉱業部門の設備投資見通しの一段の改善等を背景に、豪州経済は緩やかに回復するとの見方を維持しました。また、賃金上昇率は鈍いものの、基調インフレ率は緩やかに加速するとの見通しを示しています。野村證券では、RBAは2018年末まで現行の政策金利を維持し、2019年1-3月に利上げに転じると予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドル(対米ドル)の持ち高は、中国経済の安定化や商品市況回復を背景に、2016年12月から2017年5月半ばまで概ね買い持ち超過で推移しました。その後、6月半ばまで売り持ち超過となりましたが、買い持ち超過に戻りました。その後、年末年始にかけて一時的に売り持ち超過となりましたが、足元では再び買い持ち超過に転じています。2018年1月30日現在、約2.4万枚(約2,140億円)の買い持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

2017年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+2.8%と、4-6月期の同+1.9%から加速しました。内需は底堅く推移しており、豪州経済は2019年にかけて+2%台後半の成長率を持続すると見込まれます。一方、10-12月期の消費者物価上昇率は前年同期比+1.9%と7-9月期の同+1.8%からやや加速したものの、RBAのインフレ目標圏(同+2~3%)を依然下回っています。ただ、米国が緩やかなペースでの利上げが見込まれる一方、中国経済の安定化および底堅い豪州景気を踏まえると、豪ドルの対米ドル相場の下値リスクは限定的とみられます。また、日米金利差拡大を背景に円安米ドル高圧力が継続すると予想されます。ただ、豪州経済の回復傾向が鮮明となるまでは、本格的な豪ドル高局面入りするのは容易ではないでしょう。今後1年間の対円相場のレンジを1豪ドル=84~95円と予想します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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