マーケットアウトルック - カナダ市場・カナダドル -

投資の視点は2017年4月17日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/4/24 現在

マーケット動向から

カナダドルと連動性が高いWTI原油価格は2016年2月11日には一時26ドル/バレル台とへ下落しましたが、その後上昇に転じ、2017年4月21日の終値は49.62ドル/バレルとなっています。OPEC(石油輸出国機構)は2016年11月30日の総会において、9月の臨時総会で合意した下限である日量3250万バレルに生産を抑えることで最終合意した後、12月10日にOPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は15年ぶりに協調減産で合意しました。なお、OPECは減産対象の11ヶ国による2017年1月の減産順守率は90%、2月104%、3月は89%と発表しています。なお、サウジアラビアはOPEC関係者に対し5月の会合において現行の減産合意を6ヶ月延長することを支持する意向を伝えた、と報道されています。原油価格反発の背景にはこうした生産調整へ向けた動きや、中国による財政支出拡大の効果があります。一方、トランプ大統領は「対カナダ貿易ルールの大幅な変更はない」と述べ、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉に関する懸念は相当程度後退したものと思われます。NAFTAの再交渉は主にメキシコとの関係見直しを意味するものであり、カナダを念頭に置いたものではないとみられます。カナダは3ヶ国間での再交渉を望んでいますが、おそらくNAFTAは2つの二国間協定の形に修正される可能性が高く、そうであればカナダは米国がメキシコに対して講じるであろう措置を回避することが可能と思われます。
カナダドルの対米ドルレートは原油価格の下落に伴い、2016年1月下旬には一時、2003年4月以来の安値水準となる1米ドル=1.46カナダドル台後半へ下落しました。原油価格の底打ちに伴い4月下旬には同1.25カナダドル台へ反発しましたが、その後は米金利上昇の中で緩やかなカナダドル安基調が続きました。対円では円高基調を背景に9月上旬には75円台へと下落しましたが、その後は75~80円台で推移しました。次期米大統領にトランプ氏が決定した11月9日には1米ドル=1.35カナダドル台前半へ下落しました。その後は原油価格上昇に伴い、反発しています。2017年4月24日15時現在、1米ドル=1.34カナダドル台後半、1カナダドル=81円台後半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年4月21日)

金融政策より

2017年4月12日、カナダ銀行は政策金利を0.50%に据え置くことを決定しました。声明文は「カナダの経済成長は1月時点の見通しよりも上振れているものの、経済が成長軌道に乗っていると結論付けるのは時期尚早。インフレ率は今後数ヶ月は低下すると見込まれるが、需給ギャップが解消するにつれ中銀目標の2%に近づく」と表明しています。一方で、著しい不透明感が見通しを圧迫している、とも指摘しています。次回の金融政策会合は5月24日です。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年4月21日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋のカナダドル(対米ドル)の持ち高は米利上げ期待に加えて、原油価格の下落もあり、2015年6月以降売り越しが続きました。その後、原油価格の反発を受けて2016年4月以降は買い越しとなっていましたが、米金利上昇を受けて9月27日には再び売り越しへ転じました。2016年1月24日以降は買い越しが続きましたが、2017年3月21日には再び売り越しとなり、4月18日現在、約4.2万枚(約3,400億円)の売り持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、原油価格の底入れは好材料です。(1)中国の財政支出に伴う堅調な需要の伸び、(2)OPECと主要非OPEC加盟国が減産で合意したことから、原油価格(WTI)は2017年末には同55~70ドル/バレルへ緩やかに上昇すると見込んでいます。向こう1年間のカナダドルの対円レートのレンジを1カナダドル=80-97円と想定します(従来は83-96円)。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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