マーケットアウトルック - カナダ市場・カナダドル -

投資の視点は2017年5月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/6/12 現在

マーケット動向から

カナダドルと連動性が高いWTI原油価格は2016年2月11日には一時26ドル/バレル台とへ下落しましたが、その後上昇に転じ、2017年6月9日の終値は45.83ドル/バレルとなっています。OPECは2016年11月30日の総会において9月の臨時総会で合意した下限である日量3250万バレルに生産を抑えることで最終合意した後、12月10日にOPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は15年ぶりに協調減産で合意しました。原油価格底入れの背景にはこうした生産調整へ向けた動きや、中国による財政支出拡大の効果があります。なお、2017年5月2日にサウジアラビアのムハマンド副皇太子が「非原油関連歳入が想定を上回り、Q1財政赤字は縮小した」と述べ46ドル台へ下落しましたが、15日にOPECは25日に開く総会で、ロシアなどOPEC非加盟の主な産油国と実施している協調減産を2018年3月まで9ヶ月間延長することで最終調整する見通しと報道され、50ドル台へ反発しました。足もとでは、米国のシェールオイル増産と在庫増加が嫌気され、45ドル前後へ下落しています。一方、トランプ政権は貿易不均衡是正の対象を中国やメキシコ、日本に照準を合わせていましたが、ロス米商務長官はカナダ産木材へ最大24.12%の対抗関税を課すと発表し、矛先をカナダにも向け始めた点はカナダにとって懸念材料です。
カナダドルの対米ドルレートは堅調な原油価格に支えられ、2017年4月中旬までは1ドル=1.30-1.34カナダドル台で安定的に推移していましたが、5月上旬以降原油価格が軟調に推移する中、一時1.37カナダドル台へ弱含む展開となりました。その後は米金利の低下を背景に1.35カナダドル台に値を戻しています。対円では年初以降のドル安円高基調を背景に88円台から、一時80円台へと下落しました。その後は、カナダドルが対ドルレートで反発する中で80円台前半で安定的に推移しています。6月12日15時現在、1米ドル=1.34カナダドル台半ば、1カナダドル=82円近傍で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年6月9日)

金融政策より

5月24日、カナダ銀行は政策金利である翌日物貸出金利を0.50%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは15会合連続となります。声明文は「賃金の伸びは依然として抑制的である。カナダ経済は石油価格下落への調整がほぼ終了し、最近の経済指標は企業の設備投資を含めて堅調である」と述べていますが、一方で「住宅市場が沈静化する兆しは見えない」とし、住宅価格への警戒感を表明しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年6月9日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋のカナダドル(対米ドル)の持ち高は米利上げ期待に加えて、原油価格の下落もあり、2015年6月以降売り越しが続きました。その後、原油価格の反発を受けて2016年4月以降は買い越しとなっていましたが、米金利上昇を受けて9月27日には再び売り越しへ転じました。2016年1月24日以降は買い越しが続きましたが、2017年3月21日には再び売り越しとなり、6月6日現在、約10.6万枚(約8,700億円)の売り持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、原油価格の底入れは好材料です。(1)中国の財政支出に伴う堅調な需要の伸び、(2)OPECと主要非OPEC加盟国が減産で合意したことから、原油価格(WTI)は2017年末には同50~65ドル/バレルへ緩やかに上昇すると見込んでいます。なお、向こう1年間のカナダドルの対円レートの想定レンジを1カナダドル=81-93円とします。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。