マーケットアウトルック - カナダ市場・カナダドル -

投資の視点は2017年2月13日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/3/13 現在

マーケット動向から

カナダドルと連動性が高いWTI原油価格は2016年2月11日には一時26ドル/バレル台とへ下落しましたが、その後上昇に転じ、2017年3月10日の終値は48.49ドル/バレルとなっています。OPEC(石油輸出国機構)は2016年11月30日の総会において、9月の臨時総会で合意した下限である日量3250万バレルに生産を抑えることで最終合意した後、12月10日にOPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は15年ぶりに協調減産で合意しました。OPECは減産対象の11ヶ国による2017年1月の減産順守率は90%であったと発表しています。原油価格反発の背景にはこうした生産調整へ向けた動きや、中国による財政支出拡大の効果があります。
トランプ大統領は2月13日、カナダのトルドー首相との共同記者会見において、「対カナダ貿易ルールの大幅な変更はない。貿易関係と経済統合の維持に尽力する」と述べ、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉に関する懸念は相当程度後退したものと思われます。なお、カナダ経済は堅調に推移しています。2016年10-12月期実質GDP成長率は前期比年率+2.6%と市場予想の同+2.0%を上回る一方、7-9月期も同+3.5%から同+3.8%へ上方修正されました。2017年2月の製造業PMI指数も1月の53.5から54.7へ上昇しています。
カナダドルの対米ドルレートは原油価格の下落に伴い、2016年1月下旬には一時、2003年4月以来の安値水準となる1米ドル=1.46カナダドル台後半へ下落しました。原油価格の底打ちに伴い4月下旬には同1.25カナダドル台へ反発しましたが、その後は米金利上昇の中で緩やかなカナダドル安基調が続きました。対円では円高基調を背景に9月上旬には75円台へと下落しましたが、その後は75~80円台で推移しました。次期米大統領にトランプ氏が決定した11月9日には1米ドル=1.35カナダドル台前半へ下落しました。その後は原油価格上昇に伴い、反発しています。2017年3月13日15時現在、1米ドル=1.34カナダドル台半ば、1カナダドル=85円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月10日)

金融政策より

2017年3月1日、カナダ中銀は市場予想通り政策金利を0.50%に据え置きました。据え置きは13会合連続です。声明文は「エネルギー価格上昇により1月のインフレ率は前年比+2.1%へ上昇したものの、一時的である」と指摘しています。加えて、カナダ経済は雇用者数が増加する一方で、緩やかな経済成長を反映して賃金上昇や労働時間増加には力強さが欠けるとしています。次回の金融政策会合は4月12日です。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月10日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋のカナダドル(対米ドル)の持ち高は米利上げ期待から米ドル全面高となり、原油価格も下落基調に転じる中、2015年6月に売り越しに転じました。その後、原油価格の反発を受けて2016年4月以降、買い越しが続いていましたが、米金利上昇を受けて9月27日には再び売り越しへ転じました。その後、2016年1月24日に再度買い越しに転じ、3月7日現在、約2.8万枚(約2,400億円)の買い持ち超過となっています。

今後の注目点と見通し

輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、原油価格の底入れは好材料です。(1)中国の財政支出に伴う堅調な需要の伸び、(2)OPECと主要非OPEC加盟国が減産で合意したことから、原油価格は2017年末には同55~75ドル/バレルへ緩やかに上昇すると見込んでいます。向こう1年間のカナダドルの対円レートのレンジを1カナダドル=84-93円と想定します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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