マーケットアウトルック - カナダ市場・カナダドル -

投資の視点は2017年7月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/7/24 現在

マーケット動向から

カナダドルと連動性が高いWTI原油価格は2016年2月11日には一時26ドル/バレル台とへ下落しましたが、その後上昇に転じ、2017年7月21日の終値は45.77ドル/バレルとなっています。OPECは2016年11月30日の総会において9月の臨時総会で合意した下限である日量3250万バレルに生産を抑えることで最終合意した後、12月10日にOPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は15年ぶりに協調減産で合意しました。原油価格底入れの背景にはこうした生産調整へ向けた動きや、中国による財政支出拡大の効果があります。その後、OPECは2017年5月25日の総会でロシアなどOPEC非加盟の主な産油国と実施している協調減産を2018年3月まで9ヶ月間延長することで合意しました。しかし、米国のシェールオイルの増産に加えて、OPECの減産の枠外であるリビアやナイジェリアの増産を受けて6月22日には42.74ドルへ下落しました。その後は、米国のシェールオイルが増産にある中で在庫が減少していることを受け、45ドル台へ回復しています。
カナダドルの対米ドルレートは堅調な原油価格に支えられ、2017年4月中旬までは1ドル=1.30-1.34カナダドル台で安定的に推移していました。5月上旬以降原油価格が軟調に推移する中、一時1.37カナダドル台へ弱含む展開となりましたが、足もとでは1.26カナダドル台へ上昇しています。7月12日、カナダ銀行(中央銀行)は2010年6月以来となる0.25%ポイントの利上げを実施しました。市場予想通りの利上げ決定でしたが、声明文が想定以上にタカ派的と解釈され、カナダドルは大きく上昇しています。対円では年初以降のドル安円高基調を背景に88円台から、一時80円台へと下落しました。その後、カナダドルが対ドルレートで反発する中で80-84円台で安定的に推移した後、足もとでは88円台へ上昇しています。7月24日15時現在、1米ドル=1.25カナダドル台前半、1カナダドル=88円台半ばで推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月21日)

金融政策より

7月12日、カナダ銀行は政策金利である翌日物貸出金利を0.25%ポイント引き上げ、0.75%としました。先行きの金融政策について、声明文は「現在の見通しは金融緩和の幾分の巻き戻しを正当化する」とし、追加利上げ含みと言えます。更に、「今後の調整はインフレ見通しに関する指標で決める」とするものの、インフレ率の弱さを一時的とも判断し、当面のインフレ見通しを低めに設定する一方、先行きのインフレ率上昇を強く見込んでいます。景気・インフレ見通しを見直すタイミングである10月会合で0.25%ポイントの追加利上げが予想されます。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月21日)

需給動向より

シカゴ通貨先物市場における投機筋のカナダドル(対米ドル)の持ち高は米利上げ期待に加えて、原油価格の下落もあり、2015年6月以降売り越しが続きました。原油価格の反発を受けて2016年4月以降は買い越しとなっていましたが、米金利上昇を受けて9月27日には売り越しへ転じました。2016年1月24日以降は買い越し、2017年3月21日以降は売り越しとなり、足もとでは再び買い越しとなっています。7月18日現在、約2.2万枚(約2,000億円)の買い持ち超過です。

今後の注目点と見通し

輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、原油価格の上昇は好材料です。米国のシェールオイル増産やOPECと非OPECの減産順守に対する懸念もあり、足もとでは原油価格がやや軟調な展開となっています。しかし、今年下期に減産効果から需要超過に転じる可能性が高く、2017年末のWTI40-60ドル/バレルと予想します。ただし、シェールオイル増産が壁となり2018年は40-60ドル/バレルのレンジ推移を想定します。向こう1年間のカナダドルの対円レートの想定レンジを1カナダドル=85-93円とします(従来は81-93円)。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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