マーケットアウトルック - 欧州市場 -

投資の視点は2018年1月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/2/5 現在

投資の視点

ユーロ圏景気は好調です。ECB(欧州中央銀行)は2018年初から量的緩和(QE)縮小に着手しましたが、インフレ圧力は限定的であり、ユーロ相場に配慮しながら慎重にQE縮小を進めるため、長期金利、ユーロの大幅上昇は回避されると予想します。ドイツの大連立政権に向けた交渉、3月4日実施のイタリア総選挙など政治リスクは続きますが、反EU(欧州連合)の動きは高まらず、市場への影響は限定的と見ています。業績見通しは良好で、業績相場が続くと予想します。

経済指標より

ユーロ圏2017年10-12月期実質GDPは前期比年率+2.3%と前期より減速しましたが、消費や設備投資が好調で、堅調な成長が続きました。ユーロ圏1月のPMI製造業景況感、消費者信頼感などは高水準を維持し、景気拡大が続いています。野村證券ではユーロ圏実質GDP予想を2018年に前年比+2.4%、2019年に同+1.8%と予想します。

金融政策動向

・ECBの1月金融政策理事会で金融政策を据え置きましたが、QE縮小に伴うユーロ高警戒からドラギECB総裁は記者会見で年内の利上げを事実上否定する発言に踏み込みました。ユーロ圏1月消費者物価(CPI)は前年同月比+1.3%に減速し、賃金の伸びは低く、ECBはCPIが当面インフレ目標の同+2%弱を下回ると予想しています。ECBの金融政策正常化は慎重に実施され、9月にQEは終了するものの、利上げは2019年に実施される可能性が高くなっています。
・英国中央銀行は2017年11月に10年ぶりの利上げを実施しました。通商協議入りとなったEU(欧州連合)離脱交渉の先行きに関する不透明感は強いものの、CPI上昇率は9月以降前年比+3%台が続き、2018年も利上げを継続すると予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)

今後の注目点

ユーロ圏経済は2018年に2年連続の2%台の成長となる見通しで、景気は力強さを増しています。賃金とユーロ相場は緩やかな上昇に止まり、欧州ストックス600指数の2018年1株当たり純利益は前年比17%増益見通しとなっています(ブルームバーグ調べ、基準となる2017年は継続事業ベース、2月2日時点)。ドイツやイタリアの政治リスクは後退しており、金利は小幅上昇する中、業績相場が継続し、欧州ストックス600指数の1年後の目標を440ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

2017年に入り、ユーロ圏の景気回復を好感し、株価は底堅さを増し、4-5月の仏大統領選挙でマクロン候補が勝利したことなどから上昇に弾みがつきました。
6月27日にドラギECB総裁が「デフレ圧力がインフレ圧力に代わりつつある」と発言、ECBの金融緩和の出口が意識されてユーロ高傾向となり、株価は軟調に転じました。7月には英仏が2040年を目途にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表、ドイツ自動車メーカーの談合疑惑も浮上し、自動車株が低迷しました。4-6月期決算は好調でしたが、北朝鮮など地政学リスクが懸念され、軟調な地合いが続きました。
8月末以降、ユーロ高が一服し、国境をまたぐ大型の業界再編の動きが浮上、株価は反発に転じました。スペイン・カタルーニャ州の独立を巡る住民投票を乗り越え、10月16日にDAXは13,000台に達し、11月初めに欧州ストックス600指数も年初来高値を更新しました。中東の地政学リスクやドイツの3党連立政権交渉の決裂が嫌気されましたが、後者は大連立政権樹立交渉が開始されることになり、安心感が広がりました。
年末にECB理事が量的緩和終了を示唆し、さらに2018年に入り、ECBのタカ派的な12月分議事要旨が発表され、ECBの出口戦略が強く意識されてユーロが反発し、株価は足踏みとなりました。しかし、ECB高官の火消しに回る発言が相次ぎ、ユーロの先高観は後退した上に、ユーロ圏景気の好調さが確認され、株価は下値を固める展開となりました。欧米の長期金利上昇を嫌気して、株価は軟調となり、米国の1月雇用統計を嫌気して、2月2日時点でDAXは12,785ポイント、欧州ストックス600は388ポイントに下落しました。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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