マーケットアウトルック - 欧州市場 -

投資の視点は2017年3月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/3/27 現在

投資の視点

ECB(欧州中央銀行)は政治リスクなどを踏まえて金融緩和姿勢を当面継続する見通しですが、年後半には量的緩和(QE)縮小を検討する見通しです。フランス大統領選挙、ギリシャの金融支援問題、イタリアの銀行不良債権問題などのリスク要因はありますが、ユーロ圏経済は底堅い個人消費や輸出を支えに安定した成長が続くと見込まれます。景気回復を背景とした企業業績の改善見通しを反映して、株価は底堅く推移すると予想します。

経済指標より

ユーロ圏2016年10-12月期実質GDP成長率は前期比+1.6%と前期の同+1.8%から減速しましたが、安定した成長が続き、今後も好調な消費、輸出に加えて、設備投資の回復や緊縮財政の見通し後退が見込まれます。同成長率を2016年実績の前年比+1.7%に続いて2017年は前年比+1.9%と成長持続を予想します。

金融政策動向

・ECBは2017年3月9日の金融政策会合で金融政策を据え置きましたが、QEの資産買い取りを4月に月間800億ユーロから同600億ユーロへ減額し、12月まで継続します。ユーロ圏の消費者物価がエネルギー価格下落の影響剥落や堅調な景気から2月に前年比+2.0%に高まったことから、ECBは年後半に政治リスクが後退したタイミングで、QE縮小の検討を開始し、2018年からの縮小を発表すると予想します。
・BOE(英国中央銀行)は2017年3月15日に政策金利を据え置きました。インフレ加速懸念から利上げを主張した委員がいたことから利上げ論が意識されていますが、野村證券では、金融政策の据え置きが続くと予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月24日)

今後の注目点

フランス大統領選挙では、反EU(欧州連合)を掲げるルペン候補の当選が市場では懸念されますが、野村證券では、決選投票での敗退を予想します。政治リスクの後退からECBは2017年からのQE縮小を発表すると見込まれますが、業績回復期待に支えられ(欧州ストックス600指数のEPS(1株当たり利益)予想は2017年12月期に同16.1%増益の見通し。ファクトセット調べ、3月24日時点)、株価は堅調推移を予想します。政治リスクを嫌気して株価が下落する局面は投資の好機と考えます。欧州ストックス600指数の今後1年間のレンジを320~380ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

2016年6月23日の英国国民投票で英国のEU(欧州連合)離脱選択となり、 DAX指数は急落しましたが、主要中央銀行による協調姿勢から反発しました。ECBの追加緩和期待などから9月7日にDAXは年初来高値を更新しましたが、米当局のドイツ大手行に対する巨額の和解金要求を受けて反落しました。その後はECBの金融緩和縮小観測に伴う金利上昇から銀行株が上昇しました。
11月には米国大統領選でトランプ候補が勝利し、米国景気拡大への期待、金利上昇を背景に、景気敏感株や金融株が主導して株価は反発しました。12月4日のイタリアの国民投票での憲法改正案否決やイタリア大手行に対する同国政府による公的支援決定はほぼ事前の予想通りの展開であり、リスクイベント通過が安心感を生み、年末にかけてDAXは上昇し、年初来高値を更新しました。2017年に入り、米新政権の政策への懸念が重石になりましたが、堅調な景気動向を好感し、昨年来高値を更新しました。その後は業績改善期待と、4月に迫るフランス大統領選などの政治リスクとの綱引きとなりましたが、3月15日のオランダ総選挙では反EUを掲げる政党が伸び悩み、政治リスク後退と受け止められ、3月17日にDAXは12,095ポイントと年初来高値を更新しました。ドイツ大手行の増資などから銀行セクターが低迷していますが、フランス大統領選の世論調査でルペン候補とトップを争うマクロン候補が候補者討論会で議論を優位に進めたとの報道もあり、3月24日時点でDAXは12,064ポイント、欧州ストックス600は376ポイントと高値圏で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月24日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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