マーケットアウトルック - 欧州市場 -

投資の視点は2017年10月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/11/13 現在

投資の視点

ユーロ圏景気は好調で、ECB(欧州中央銀行)は2018年初から量的緩和(QE)縮小に着手します。しかし、消費者物価上昇率はECBの目標を下回る状況が続き、ECBはユーロの動向に配慮しながら慎重にQE縮小を進めざるを得ず、長期金利の上昇は緩やかと予想します。ドイツ総選挙後の連立交渉が長引く見通しですが、メルケル首相続投により、政策に大きな変更はなく、市場への影響は限定的と見込まれます。業績見通しは良好で、業績相場入りの予想を継続します。

経済指標より

ユーロ圏の2017年7-9月期実質GDP成長率は消費や設備投資の好調から前期比年率+2.4%と前期の同+2.6%から減速しましたが、高い伸びを維持しました。今後も雇用改善に伴う消費の堅調に加えて、設備投資の拡大やドイツの減税が見込まれ、2018、2019年にそれぞれ同+1.9%、同+1.5%と成長持続を予想します。

金融政策動向

・ECBは10月の金融政策会合で資産購入を2018年9月まで9ヶ月間延長し、1月より資産購入額を月間600億ユーロから300億ユーロに減額することを発表しました。同時に、見通しが悪化した場合の購入期間延長の可能性や、政策金利は今後も長期にわたって低水準で推移するなどの金融政策の指針を繰り返すなど、緩和縮小を慎重に行う姿勢を強調しました。ECBの慎重なスタンスを踏まえると、利上げ時期は後ずれする可能性が高いとみています。
・英国中央銀行は物価上昇抑制のために11月に10年ぶりの利上げを実施し、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、0.5%としましたが、EU(欧州連合)離脱を巡る景気の先行きに関する不透明感が強いことから利上げを急がない姿勢を示しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)

今後の注目点

ECBのQE縮小は慎重に実施され、長期金利とユーロ相場は緩やかな上昇に止まる見通しです。グローバルな景気拡大、緩やかな賃金上昇などから企業業績は順調な拡大が見込まれます。イタリアでは新選挙法が公布され、総選挙が2018年初めに実施される見通しですが、同法はEU懐疑派の「五つ星運動」には不利に働くと見られ、政治リスクへの懸念は後退する可能性が出てきました。欧州ストックス600指数の1年間の予想レンジを370~450ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

2017年に入り、ユーロ圏の堅調な景気動向を好感し、DAX指数は3月1日に1年11ヶ月ぶりに終値で12,000ポイント台を回復、その後は業績改善期待と、ECBのQE縮小観測や4月に迫る仏大統領選などの政治リスクとの綱引きとなりました。4月23日の同選挙でマクロン候補が決選投票進出を決め、DAXは上昇に転じ、5月7日の仏大統領決選投票での同候補の勝利からさらに上昇基調が強まりました。
イタリアでの早期総選挙観測など政治リスクが意識され株価は一時軟化しましたが、6月8日の英国総選挙を乗り越え、フランス下院選挙でマクロン大統領の与党勝利が好感され、DAXは6月19日に12,888ポイントと史上最高値を更新しました。27日にドラギECB総裁が「デフレ圧力がインフレ圧力に代わりつつある」と発言、ECBの金融緩和の出口が意識され、ユーロ高傾向となり、さらに7月には英仏が2040年を目途にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表、またドイツ自動車メーカーの談合疑惑が浮上し、自動車株が低迷し、株価は軟調な推移となりました。4-6月期決算は好調でしたが、地政学リスクなどが懸念され、株価は軟調となりました。
8月末以降、ユーロ高が一服し、自動車株や景気敏感株が持ち直し、さらに銀行、化学、鉄鋼、資本財などで国境をまたぐ再編の動きが浮上、DAXは反発に転じました。ドイツ総選挙、スペイン・カタルーニャ州の独立を巡る住民投票はイベント通過で乗り越え、10月16日は13,000台に達し、相次いで史上最高値を更新しましたが、サウジアラビアを巡る地政学リスクの高まりを嫌気して下落し、11月10日時点でDAXは13,127ポイント、欧州ストックス600は388ポイントとなっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。