マーケットアウトルック - 欧州市場 -

投資の視点は2018年4月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/4/23 現在

投資の視点

貿易摩擦や地政学リスクへの懸念が低下する一方、景気の勢いが鈍化していることから先行きに対する不透明感が浮上しています。しかし、1-3月期の指標は悪天候、ドイツでのストライキなど一時的な要因で弱めになった可能性があります。イタリアの政局は流動的ですが、EU(欧州連合)との関係悪化は財政を巡る対立に留まり、金融市場を揺るがす事態には至らないと見込まれます。底堅い景気動向や業績見通しを背景に株価の反発局面は継続すると予想します。

経済指標より

4月ドイツZEW景況感期待指数が通商問題によるセンチメント悪化を主因に前月から急低下、3月欧州自動車販売もディーゼル車販売の低迷から前年同月比マイナスとなりました。野村證券では足元の景気鈍化から2018年ユーロ圏実質GDP予想を前年比+2.8%から同+2.4%に下方修正しますが、景気は堅調に推移するとの見方を継続します。

金融政策動向

・ECB(欧州中央銀行)は3月8日の金融政策理事会でQE(量的拡大)再拡大に逆戻りしない方針を明らかにしましたが、2019年の消費者物価(CPI)見通しを下方修正するなどハト派的な姿勢も示しました。ユーロ圏3月CPIは前年比+1.4%に加速しましたが、ユーロ高に伴い、インフレ圧力は抑制されています。ECBに利上げを急ぐ動機は乏しく、利上げ開始は2019年3月と予想します。金融政策正常化は慎重に実施されると見込まれます。
・英国では5月利上げが織り込まれていましたが、3月のCPIが前年比+2.5%に減速、小売売上も前月比マイナスと弱含み、4月19日にカーニー英国中央銀行総裁が利上げに慎重な発言を行ったことから、利上げが先送りされる可能性が出てきました。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月20日)

今後の注目点

ユーロ圏経済は2019年まで3年連続で2%台成長の見通しで、景気拡大継続を予想します。また、ユーロ圏の賃金上昇率は緩慢な上にユーロ相場は緩やかな上昇に留まると見込まれ、欧州ストックス600指数(欧州ストックス)の2018年1株当たり純利益は前年比8%増益と業績拡大が続く見通しです(トムソンロイター調べ、4月17日時点)。予想PER(株価収益率)は14倍台半ばと低水準で推移しています。欧州ストックスの1年後の予想を410ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

2017年6月27日にドラギECB総裁が「デフレ圧力がインフレ圧力に代わりつつある」と発言、ECBの金融緩和の出口が意識されてユーロ高傾向となり、株価は軟調に転じました。7月にはドイツ自動車メーカーの談合疑惑や地政学リスクが懸念され、軟調な地合いが続きました。
8月末以降、ユーロ高が一服し、国境をまたぐ大型の業界再編の動きが浮上、株価は反発に転じました。10月16日にDAXは13,000台に達し、11月初めに欧州ストックスも年初来高値を更新しました。ドイツ総選挙後の混乱も、大連立政権樹立交渉が開始されることになり、安心感が広がりました。年末にECB理事が量的緩和終了を示唆し、2018年入り後、ユーロが反発し、株価は足踏みしましたが、ECB高官の火消しに回る発言が相次ぎ、ユーロの先高観が後退、さらにユーロ圏景気の好調さが再確認されたことから1月23日にDAX、欧州ストックス共に昨年来高値を更新しました。
ユーロ圏の景気拡大や米国の財政悪化懸念から欧米金利が上昇し、株価は下落に転じ、2月2日の米国1月雇用統計を契機に株価は急落すると共に株価の変動性が高まりました。3月1日にトランプ米大統領が輸入関税導入を発表し、再び下落しましたが、ドイツで3月4日に大連立政権誕生が決まったことが好感され、株価は反発しました。米トランプ政権の主要閣僚の解任や保護主義的な政策が嫌気され、株価は再び下落しましたが、米中が通商交渉に入るとの見通しから3月末に反発に転じました。イタリアの政局、米国の対露追加制裁の悪影響はほとんどなく、4月20日時点でDAXは12,540ポイント、欧州ストックスは381ポイントと堅調に推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月20日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。