マーケットアウトルック - ブラジル市場・ブラジルレアル -

投資の視点は2019年4月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/05/13 現在

投資の視点

グローバル景気の減速、通商摩擦問題、失業率の上昇などから企業景況感や個人消費信頼感のマインド指標が低下しています。鉱工業生産などのハードデータも低迷しており、景気の減速感が強まっています。しかし、議会での年金改革の審議は緩慢ながら進捗しており、冷え込んでいるセンチメントの改善が見込まれます。さらに緩和的な金融政策は継続される見通しであり、景気は緩やかに回復に向かうと見られます。

金融政策

ブラジル中央銀行(BCB)は5月8日の金融政策会合で9会合連続で政策金利を据え置きました。消費者物価上昇率は公共料金の値上げなどで3月に前年比で4%台半ばに高まりましたが、一時的な現象と見られます。景気の減速感や通商摩擦リスクなどもあり、政策金利は当面据え置きが続くと見込まれます。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年5月9日)

ブラジルレアルの注目点と今後の見通し

ボルソナロ大統領は従来型の政治との決別を公約しており、細分化された議会で連立工作を避けて議案毎に支持を集める手法を採用しています。このため、市場が注目する年金改革法案の審議に時間が掛かっています。さらに主要政党からは改革法案への修正提案が相次ぐと見込まれています。法案の修正から財政負担軽減効果は縮小する可能性が高まっており、年金改革に対する期待がやや低下しています。しかし、年内に年金改革法案が成立する見通しは継続します。1年間のブラジルレアルの対円相場を1レアル=27.2~29.8円と予想します。

ブラジルレアルの市場動向

2018年10月の大統領選で勝利したボルソナロ候補が構造改革に取り組む姿勢を示したことで、レアルは月末には一時、1レアル=31円台に上昇しました。その後は、期待感が一巡して軟調な推移に転じました。12月に入り、米中通商摩擦の激化と共に米中景気の減速懸念が強まる中で、米国の利上げ継続の見方が広がり、新興国通貨が全面安となり、レアルも下落しました。
2019年に入り、1月4日のパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の市場に配慮するとの発言や、米中通商協議の進展観測などで市場の地合いが好転し、ボベスパ株価指数が史上最高値を連日更新し、レアルも安定を取り戻しました。ボルソナロ政権の年金制度改革への取り組みに市場の関心が集まる中で、2月に発表された改革法案が抜本的な財政負担軽減効果を持つ内容でレアルは上昇しました。
3月中旬に実施された空港の運営権入札が順調であったことが好感されましたが、テメル前大統領が汚職容疑で逮捕されて年金改革法案の審議への悪影響が懸念され、レアルは下落しました。また、下院議長などの有力者がボルソナロ大統領の議会への対応に不満を漏らすなど、議会での支持基盤がぜい弱な同政権が法案成立に手間取るとの見方が強まり、さらに、原油価格上昇に伴い、燃料費値上げに対して政府が介入する動きを見せたことで、市場が好感していたボルソナロ政権の親ビジネスの姿勢に変化が見られるとの懸念も浮上し、上値の重い推移が続きました。
その後、ドル高基調が強まり、新興国通貨が総じて軟調な中で、4月24日に同法案は第一関門である憲法・司法・市民権委員会で可決され、レアルは下げ止まりました。しかし、足元で景況感が弱含むなど景気減速懸念が強まった上に、政権と議会の関係に改善が見られないことや米国の対中関税引き上げの動きもあり、レアルは軟調な推移となりました。5月10日15時現在、対ドルで3.9レアル台半ば、対円で27円台後半となっています。

ブラジルレアルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年5月9日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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