マーケットアウトルック - ブラジルレアル -

投資の視点は2018年5月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/6/11 現在

投資の視点

2018年に入り、年金改革の遅れを要因に大手格付け会社2社が相次いで信用格付(※)格下げを発表しましたが、すでに投機的格付(※)であったことからレアルへの影響は軽微でした。2月に米国金利の急上昇からレアルは不安定な推移となり、円高進行も加わり、対円では下落基調となりました。低インフレが続き、ブラジル中央銀行(BCB)は2月、3月に利下げを実施し、5月の追加利下げを示唆、さらに米国金利上昇後もBCB総裁が金融緩和継続方針を明らかにしたこともレアル安材料となりました。
汚職容疑で有罪とされたルラ元大統領が収監され、出馬の可能性が消滅した4月中旬以降に実施された大統領選世論調査では構造改革派候補の支持率の低下が続き、構造改革継続を巡る不透明感がレアルの重荷になりました。さらに、隣国アルゼンチンの通貨ペソが急落し、同国がブラジルの輸出相手先では中国、EU(欧州連合)、米国に次ぐ第4位であることから通商関係を通じて悪影響が及ぶとの懸念が強まったこともレアル安圧力となりました。
このような内外の要因からBCBが5月16日に利下げを見送りましたが、市場の予想外であり、18日に対ドルで3.77レアル台、対円では29円台前半とレアル安が進みました。
5月下旬に国営石油会社が原油高に連動して燃料価格を値上げしたことに抗議するストが広がり、テメル政権は事態の打開を図るためにディーゼル油の一時的な値下げを実施しました。しかし、ポピュリスト的な政治的な動きが嫌気され、レアルは続落しました。BCBの先物市場での介入強化は当初は効果を発揮しませんでしたが、6月8日にレアルは反発し、6月10日15時現在、対ドルで3.7レアル近傍、対円で29円台後半で推移しています。野村證券では、2018年末のレアルの対円相場を28.2円と予想します。(※無登録格付)

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年6月8日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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