マーケットアウトルック - ブラジル市場・ブラジルレアル -

※長年ご愛読いただきましたマーケットアウトルックは、2021年3月をもちまして終了させていただきます。何卒ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

投資の視点は2021年3月8日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2021/03/15 現在

投資の視点

ブラジルでは、2022年10月に大統領選挙を控え、ボルソナロ政権は2021年中に財政改革と行政改革などの実現を図ると見られます。構造改革への期待に加え、インフレ加速に伴う金融緩和の出口観測は、レアルの下支えになると見られます。一方、世界景気の回復期待が高まり、米長期金利が上昇する局面においては、ブラジルの財政悪化懸念や政治不安が資金流出につながり、レアルに下押し圧力がかかりやすいことには留意が必要です。

金融政策

ブラジル中央銀行は、2021年1月20日の金融政策会合で政策金利を4会合連続で過去最低水準の2.00%に据え置きました。声明文では、インフレ期待の高まりを踏まえ、「インフレ期待が政策目標に近づかない限り金融緩和を縮小することはない」とするフォワードガイダンス(先行きの方針)を今後は適用しない旨が示されました。その上で、フォワードガイダンスの撤回は直ちに利上げ再開を意味せず、金融緩和による景気刺激が引き続き必要であることが明記されました。

金融政策

(出所)リフィニティブより野村證券投資情報部作成(直近値は2021年3月11日)

ブラジルレアルの注目点と今後の見通し

ブラジルでは新型コロナ感染拡大が続き、経済活動の抑制による景気下押し懸念が強まる中、政府が低所得者向け現金給付策を再開する方針を示したことが財政悪化懸念につながっています。さらに、現政権の市場介入に対する警戒感や、次期大統領選挙を巡る政治的混乱もレアル相場を下押ししています。他方、原油や鉄鉱石などブラジルの主要輸出品の価格が堅調さを維持し、利上げ期待が高まれば、レアルは底堅さを取り戻すと考えられます。

ブラジルレアルの市場動向

ブラジルレアルは、2020年12月半ば以降、国内の新型コロナ感染再拡大に伴う景気下振れ懸念から、下落基調となりました。
2021年1月に入り、4日発表の製造業景況感が2ヵ月連続で低下したこと、国内で新型コロナ変異種が確認され、行動規制強化による景気下押し懸念が強まったこと、米金利上昇に伴う資金流出観測が生じたことを受け、レアルは下げ足を速めました。12日公表の12月の消費者物価上昇率が加速すると、利上げ期待の高まりから、上昇に転じました。しかし、15日公表の11月の小売売上高が前月比マイナスに転じると下落しました。20日の金融政策会合で低金利の長期化を掲げるフォワードガイダンスが撤回されると一時強含みましたが、景気刺激のため追加的な支出が必要との見方が強まると、財政悪化懸念から上値を重くしました。
2月1日の連邦議会の議長選で上下両院ともにボルソナロ大統領が支持する議長の就任が決まると、構造改革の進展期待から、レアルは上昇に向かいました。11日にボルソナロ大統領が低所得者向け現金給付再開の方針を示すと、財政悪化懸念の再燃が上値を押さえました。19日に同大統領が燃料価格の決定をめぐる対立から国営石油公社のCEO(最高経営責任者)を更迭すると、政府による企業への介入に対する警戒感から軟化しました。
政府が3月1日、物価上昇抑制のため、軽油や調理用ガスの一部の税金引き下げを発表すると、財政懸念の再燃からレアル安が進みました。4日に連邦議会上院で財政改革法案が承認され、財政規律の維持が示されると一時強含みましたが、8日にルーラ元大統領の汚職疑惑に関する有罪判決が無効とされ、同氏の2022年大統領選出馬が可能になるとの見立てから、政治的混乱への懸念が高まると、急落しました。ブラジル中銀のドル売り介入に加え、11日発表の2月の消費者物価上昇率が市場予想を上回る加速を示し、次期会合での利上げ期待が高まると、大幅反発しました。3月12日15時現在、対ドルで1ドル=5.5レアル台前半、対円で1レアル=19円台後半で推移しています。向こう1年間のブラジルレアルの対円相場レンジを1レアル=18.6~22.1円と予想します(従来予想は同19.0~22.1円)。

ブラジルレアルの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2021年3月11日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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