マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年10月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/11/13 現在

マーケット動向から

2017年6月14日発表の5月分コア消費者物価(CPI)は4ヶ月連続で減速となり、ドルは一時109円を割り込みましたが、19日にはダドリーNY連銀総裁の米景気に自信を示す発言を受けて111円台後半まで上昇しました。27日にはドラギECB(欧州中央銀行)総裁が「インフレ圧力がデフレ圧力に代わりつつある」と述べたことを受け、112円台前半へ続伸しました。7月初旬には好調な6月の米ISM製造業景況指数や雇用統計を受けて114円台へ上昇しました。しかし、6月の米CPIの伸び率が減速したことや、7月FOMCの声明文が加速しないインフレに言及したため、8月3日には109円台へ続落しました。その後一時110円台を回復したものの、9日には北朝鮮が小型核弾頭を保有しているとの報道から再び109円台へ下落しました。米7月CPIが予想を下回り、北朝鮮を巡る地政学リスクが意識され、11日には108円台へ下落しました。その後も、白人至上主義を巡るトランプ大統領の発言などを嫌気してしばらく円高気味に推移しました。
9月8日には税制改革の進展が望めないとの見方が広がり、ドルは107円台に下落しました。その後、11日に国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択し、北朝鮮への警戒感が後退したことなどを受けて111円台へと反発しました。27日にはホワイトハウスと議会共和党が減税案の概要を公表したことを受けて一時113円台へ上昇しました。10月6日発表の米9月雇用統計で時間当たり賃金が加速したことを受けて一時113円台半ばへドルは上昇しましたが、「北朝鮮が米西海岸に到達可能な長距離ミサイルの発射実験を計画」との報道を受け、112円台へ反落しました。その後は、米9月CPIが加速しなかったことや、トランプ大統領が次期FRB議長にタカ派を指名する可能性との綱引きで112円台での推移が続きました。10月22日の日本の総選挙における連立与党の大勝を受けて、日銀の金融緩和政策継続見通しなどもあり、113円台へ上昇し、しばらく同水準で推移しましたが、10月のISM景況指数が高水準を維持し、11月2日に米共和党指導部が減税案を公表したことなどを受けて一時114円台へ上昇しました。11月13日15時現在、113円台半ばで推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)

金利動向より

米10年国債利回りは2017年4月に入ると地政学リスクや3月の弱めの米経済指標を受けて低下しました。5月には欧州政治リスクの後退、4月の米経済指標の持ち直しから再び上昇しましたが、インフレ期待の後退から6月23日には2.13%へ低下しました。その後、6月27日のドラギECB総裁の景気に対する強気の発言や、英国、カナダ中央銀行などの利上げを示唆する見解を受け2.38%へ上昇しましたが、9月に入ると北朝鮮の地政学リスクを意識して7日には2.04%まで低下しました。その後、8月CPIの加速や減税案などを受けて上昇に転じています。11月10日現在、2.398%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2017年10月31日時点では約14.9万枚(約1兆8,600億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

FRB(米連邦準備制度理事会)は10月から保有資産の縮小を実施しています。また、ECB(欧州中央銀行)も10月26日の金融政策理事会で2018年初にQE(量的緩和)縮小を開始し、同年10月に資産購入額をゼロとすることを決定しました。野村證券は同年10-12月期に利上げを実施すると予想します。一方、日銀の金融緩和は長期化するとみられますので、金融政策の方向性の違いから円安基調へ回帰することが想定されます。ドル円レートの向こう1年間の想定レンジを110-123円と予想します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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