マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2019年10月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/10/28 現在

投資の視点

10月24日時点で、FF(フェデラルファンド)レートの先物市場は2020年末までに2.5回(0.625%ポイント)の利下げを織り込んでいる状況で、ドル円相場は1ドル=108円で推移しています。足元では、米中通商摩擦が緩和していますので、円高へ振れるリスクが後退しています。しかし、中国製品1,600億ドル相当への15%の追加関税(第4弾の残り)が12月15日に発動予定であることに変わりはありませんし、補助金や安全保障に関して歩み寄りがみられた様子はありませんので、円高リスクは払拭されません。2019年末のドル円予想を1ドル=105円と予想します(従来通り)。

金利動向

米国10年国債利回りは、5月30日にトランプ大統領が6月10日からメキシコからの輸入品に5%の関税を課すと表明したことを受けて低下基調が続き、6月25日には2.0%割れとなりました。8月1日、同大統領は中国製品の輸入額の3,000億ドル相当に対して10%の輸入関税を課すと発言したため、利回り低下が続き、23日には米中の追加関税措置発表を受け1.53%へ低下しました。9月3日には米8月ISM製造業景況指数が50を下回ったことを受けて、約3年ぶりの低水準となる1.42%へ低下しました、しかし、米中通商摩擦緩和から上昇に転じ、10月24日現在1.76%で推移しています。

金利動向

米ドル・円の注目点と今後の見通し

足元のドル円レートは米国長期金利の動きを反映しています。米中摩擦次第ではリスク回避が強まることで依然として1ドル=105円への円高リスクは残りますが、世界景気の安定化を前提とすると、来年に1ドル=110円へ上昇することが想定されます。一方、FRB(米連邦準備理事会)では予防的な利下げの範疇を超えた大幅な利下げの必要性を考慮する動きは見えていません。105円を大きく割り込むような円高リスクは限定的と言えるでしょう。仮に、世界の金融市場が不安定化した局面で、1ドル=100円程度まで円高が加速した場合に、日銀は追加金融緩和策を打ち出すものと思われます。

米ドル・円の市場動向

6月27日に米中首脳が29日午前11時30分(日本時間)に会談すると発表され、ドルは108円台へ反発しました。しかし、8月1日に同大統領が中国製品の輸入額の3,000億ドル相当に対して10%の輸入関税を課すと発言し、5日に105円台へ下落しました。その後は概ね105~106円台での動きが続きました。10月上旬に米中閣僚級会合を開催することで合意するなど米中通商摩擦緩和の動きが広がり、米長期金利の上昇と相まってドルは反発しました。トランプ大統領が農産品や為替など特定分野で中国と部分合意に達し、10月15日に予定していた中国製品への制裁関税の引き上げを先送りすると表明したことを受けて、ドルは108円台で安定的に推移しています。10月25日15:00現在、108円台後半で推移しています。

米ドル・円の市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年10月24日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年11月22日以降、概ね売り持ちが続きましたが、2019年8月6日に買い持ちに転じました。しかし、2019年10月15日時点で約1万枚(約1,200億円)の売り持ちに転じています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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