マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年8月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/9/11 現在

マーケット動向から

2017年4月7日、ダドリー・ニューヨーク(NY)連銀総裁が「バランスシート縮小に伴い金利の引き上げを小休止させるが、極めて短い期間である」と発言し、ドルは111円台前半へ反発しました。その後、米軍のシリア・アフガニスタン空爆、北朝鮮情勢の緊迫化、3月の米経済指標がやや弱めであることを受けドルは108円台へ下落しました。4月24日日本時間早朝にマクロン氏とルペン氏が仏大統領決選投票へ進むことが確実と報じられ、ドルは110円台前半へ反発しました。5月8日早朝、仏大統領決選投票においてマクロン候補の勝利確実との報道を受け、一時113円台へ上昇しました。しかし、ロシアゲートを巡るトランプ政権のスキャンダルから18日には110円台へ下落し、更に弱めの米国のインフレ指標を受けて109円台へと続落しました。
6月14日発表の5月分コア消費者物価(CPI)は4ヶ月連続で減速となり、ドルは一時109円を割り込みましたが、19日にはダドリーNY連銀総裁の米景気に自信を示す発言を受けて111円台後半まで上昇しました。27日にはドラギECB(欧州中央銀行)総裁が「インフレ圧力がデフレ圧力に代わりつつある」と述べたことを受け、112円台前半へ続伸しました。更に6月の米ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことや、6月の非農業部門雇用者数が前月比+22.2万人と拡大したことを受けて114円台へ上昇しました。しかし、6月のCPIの伸び率が減速したことや、7月FOMCの声明文が加速しないインフレに言及したため110円台へ下落、8月3日には109円台へ続落しました。その後一時110円台を回復したものの、9日には北朝鮮が小型核弾頭を保有しているとの報道から再び109円台へ下落しました。米7月CPIが予想を下回ったことや北朝鮮を巡る地政学リスクが意識され、11日には一時108円台へ下落しました。その後も、白人至上主義を巡るトランプ大統領の発言などを嫌気して円高気味に推移しましたが、米国減税期待の再浮上を受けて109円台へ反発しました。9月3日の北朝鮮の核実験を受けた翌4日は109円台後半で落ち着いた動きとなりました。8日にトランプ大統領と与党共和党の関係が悪化し、税制改革の進展が望めないとの見方が広がり、ドルは一時107円台に下落しましたが、11日15時現在、108円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年9月8日)

金利動向より

米10年国債利回りは2016年11月8日の米大統領選挙、議会選挙後は2%台半ばまで上昇しました。2017年4月に入ると地政学リスクや3月の弱めの米経済指標を受けて低下しました。5月に入ると欧州政治リスクの後退、4月の米経済指標の持ち直しから再び上昇しましたが、インフレ期待の後退から6月23日には2.13%へ低下しました。その後、6月27日のドラギECB総裁の景気に対する強気の発言や、英国、カナダ中央銀行などの利上げを示唆する見解を受け2.38%へ上昇しましたが、インフレ指標の減速を受け再び低下しています。9月8日現在、2.05%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2017年9月5日時点では約7.8万枚(約9800億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

FRB(米連邦準備制度理事会)は9月19-20日のFOMCにおいて保有債券残高の縮小プログラムの詳細を公表し、10月から実施するものと予想されます。また、ECB(欧州中央銀行)も10月25日の金融政策理事会で2018年初からのQE(量的緩和)縮小を発表、同年10月に資産購入額をゼロとし、同年10-12月期に利上げを実施すると予想します。一方、日銀の金融緩和は長期化するとみられますので、金融政策の方向性の違いから円安基調へ回帰することが想定されます。ドル円レートの向こう1年間の想定レンジを107-123円と予想します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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