マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2018年12月17日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/1/15 現在

投資の視点

最も大きな懸念材料である米中通商摩擦は休戦モードに入り、市場の焦点は米国景気の持続性とFRB(米連邦準備理事会)の今後の利上げスケジュールにシフトしています。米国経済指標の一部に軟化が見られ、5年国債利回りが2年国債利回りを下回るなど、先行きの米国の景気後退リスクが意識されています。しかし、景気後退確率、デフォルト(債務不履行)率ともに低位である中、FRBの2019年の利上げ期待が大きく後退するような悲観論は行き過ぎと思われます。2019年の利上げ回数が2回であれば1ドル=115円、3回なら1ドル=120円までドルは上昇余地があると予想されます。

金利動向

米国10年国債利回りは通商摩擦への懸念が後退したことを受けて、2018年5月11日に3.11%へ上昇しました。イタリア政局混迷から一時2.7%台へ低下しましたが、6月1日のイタリア新政権発足を受けて2.9%台へ再び上昇しました。9月17日に発表された米国の中国に対する追加関税措置が想定よりも穏当であったため、3%台へ上昇し、更に堅調な米国経済指標を受け、10月5日には約7年ぶりの水準となる3.246%へ上昇しました。その後は米国経済のピークアウト懸念や原油価格の下落を受けて低下基調となっています。2019年1月10日現在、2.72%で推移しています。

グラフ

米ドル・円の注目点と今後の見通し

2018年12月19-20日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文では米国景気に対する強い懸念は示されず、景気見通しに対するリスクは「概ねバランスしている」との認識が示されました。2019年1月4日のパウエルFRB議長の市場を考慮した発言を受けて、米国金利はやや上昇する形で反応しています。FRBの利上げ姿勢の継続、日銀の現行の金融緩和政策の継続を前提に、ドル円相場の緩やかな上昇が続くものと思われます。2019年末のドル円のレンジを114~126円と予想します。

米ドル・円の市場動向

2018年9月17日に発表された米国の中国に対する追加関税措置が想定よりも穏当であったため、ドル高円安の流れとなり、10月1日には114円台を回復しました。その後、イタリアの財政懸念や中国本土株、人民元の下落を背景に111~112円台へ軟化しました。11月2日発表の好調な米10月雇用統計や、トランプ大統領が米中通商合意案の草案作成を命じたとの報道を受けて、ドルは113円台を回復しました。6日の中間選挙後、ドルは一時114円台へ上昇しました。米国の携帯電話向け部品メーカーの業績下方修正を契機にスマホ販売不振に伴う電子部品の需要減退懸念が高まり、16日には112円台へ下落しました。その後、米国経済のピークアウト懸念と原油価格下落を受けて米国長期金利が低下する中でもドルは総じて堅調に推移しました。しかし、2018年12月の米中の製造業景況感が悪化したことを受けて、2019年1月3日には104円台後半へ急落しましたが、翌4日には108円台へ急反発しました。1月11日午後15:00現在、108円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年1月10日)

需給動向

現在、シカゴ通貨先物市場のポジションは米国政府機関の閉鎖の影響を受け、公表が遅延しています。直近公表値は2018年12月18日時点で、約11.8万枚(約1兆4,800億円)の売り持ちとなっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

本ページに記載の内容は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。なお、使用するデータおよび表現等の欠落や誤謬につきましては、当社はその責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。また、本ページの内容につきましては当社が著作権を有しております。電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、本ページの内容を当社に無断で複製、転載または転送等を行うことは、固くお断りいたします。