マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年6月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/7/10 現在

マーケット動向から

2017年2月10-11日に行われた日米首脳会談でトランプ大統領から日本の通貨・貿易政策を批判する発言がなかったことや、14日にイエレンFRB議長が今年前半の利上げの可能性を示唆したことを受け、15日にドルは一時115円近傍まで上昇しました。その後、111円台に軟化する局面もありましたが、イエレンFRB議長などFRB高官が相次いで3月利上げの可能性を示唆し、3月10日には115円台へと反発しました。3月のFOMCにおいて想定利上げペースが維持されたことを受けて110円台へと円高が進み、その後も概ね円高気味に推移しました。
4月7日、ダドリー・ニューヨーク(NY)連銀総裁が「バランスシート縮小に伴い金利の引き上げを小休止させるが、極めて短い期間である」と発言し、111円台前半へ反発しました。4月に入ると米軍のシリア・アフガニスタン空爆、北朝鮮情勢の緊迫化、3月の米経済指標がやや弱めであることを受けドルは108円台へ下落しました。4月24日日本時間早朝にマクロン氏とルペン氏が仏大統領決選投票へ進むことが確実と報じられ、ドルは110円台前半へ反発しました。
5月8日早朝、仏大統領決選投票においてマクロン候補の勝利確実との報道を受け、一時113円台へ上昇しました。しかし、ロシアゲートを巡るトランプ政権のスキャンダルから18日には110円台へ下落し、更に弱めの米国のインフレ指標を受けて109円台へと続落しました。6月14日、FOMC結果発表前に公表された5月分コアCPIは前年比+1.7%と4ヶ月連続で減速となり、ドルは一時109円を割り込みましたが、FOMC結果発表後は109円台を回復しました。19日にはダドリーNY連銀総裁の米景気に自信を示す発言を受けて、111円台後半まで上昇しました。27日にはドラギECB(欧州中央銀行)総裁が「インフレ圧力がデフレ圧力に取って代わりつつある」と述べたことを受け、米金利上昇につられて112円台前半へ続伸しました。その後、6月のISM製造業景況指数が市場予想を大きく上回ったことを受けて113円台前半へ、更に6月の非農業部門雇用者数も前月比+22.2万人と拡大したことを受けて114円台へ上昇しました。7月10日15時現在、114円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月7日)

金利動向より

米10年国債利回りは2017年11月8日の米議会選挙で上下両院とも共和党が制した後は2%台半ばまで上昇しました。2017年4月以降は地政学リスクや3月の弱めの米経済指標を受けて低下しました。5月に入ると、欧州政治リスクの後退、4月の米経済指標の持ち直しを受けて再び上昇しましたが、インフレ期待の後退から6月23日には2.13%へ低下しました。その後、6月27日のドラギECB総裁の景気に対する強気の発言や、英国中央銀行、カナダ中央銀行などの利上げを示唆する見解を背景に上昇へ転じています。7月7日現在、2.386%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2017年7月4日時点では約9.8万枚(約1兆2,300億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

米国景気は1-3月期の一時的な落ち込みの後、今後再び堅調に推移することが見込まれる中、FRBは政策金利引き上げを継続し、9月にはバランスシート縮小策を発表することが想定されます。一方、日銀の金融緩和は長期化が見込まれ、金利差拡大からドル高円安基調へ復することが予想されます。なお、トランプ政権が日本の貿易・通貨・金融政策に対して強硬姿勢を採ることは概ね回避される見込みです。ドル円レートについて、向こう1年間の想定レンジを108-123円、2017年末120円と予想します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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