マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年3月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/3/27 現在

マーケット動向から

2016年11月9日にトランプ候補優位と報じられるとドルは101円18銭まで下落しましたが、米上院、下院も共和党が過半数を制したことから、トランプ氏の掲げる「大規模減税、インフラ投資」の実現可能性が高まったと市場は受け止め、ドルは上昇に転じました。12月1日には3月以来となる114円台へ上昇し、9日には115円台へ続伸しました。更に、13-14日に開催されたFOMCにおいて参加者の予想分布の中央値で見た2017年の利上げ回数が前回の2回から3回へ上方修正されたことを受け、15日にドルは118円台後半へ上昇しました。
2017年1月13日に行われた米紙のインタビューで、トランプ大統領が「ドルが強すぎる」と述べたことをなどを受けて、17日にドルは112円台半ばまで下落しました。しかし、ムニューシン財務長官が19日に「重要なのはドルの長期的な強さである」と発言し、20日には115円台前半へ反発しました。31日にトランプ大統領が日本や中国の通貨安誘導を批判した発言を受けてドルは112円近傍まで下落しましたが、2月10-11日に行われた日米首脳会談でトランプ大統領から日本の通貨・貿易政策を批判する発言がなかったことや、14-15日の議会証言においてイエレンFRB議長が今年前半の利上げの可能性を示唆したことを受け、15日にドルは一時115円近傍まで上昇しました。その後、111円台に軟化する局面もありましたが、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、ブレイナードFRB理事、イエレンFRB議長が相次いで3月利上げの可能性を強く示唆したことを受けて、3月10日には115円台へと反発しました。その後、3月のFOMCにおいて想定利上げペースが維持され、オバマケアの改正法案も審議が難航し、採決を断念したことを受けて、110円台へと円高が進んでいます。 3月27日15時現在、ドル円は110円台前半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年3月24日)

金利動向より

2016年6月に入り、英国の世論調査でEU離脱賛成が優位との報道や、FOMC参加者の政策金利予想が下方修正され、米10年国債利回りは低下基調が続きました。英国のEU離脱選択を受けた後、7月6日には終値ベースで1.358%と史上最低を更新しました。その後、FRB高官の利上げに前向きな発言や米国の9月の経済改善を受けて上昇基調へ転じました。11月9日にはトランプ候補優勢との状況の下、一時1.7%台へ低下した後、上下院も共和党が制したことを受けて急反発し、2%台半ばまで上昇しています。2017年3月24日現在、2.41%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2017年3月21日時点では約8.9万枚(約1兆1,200億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

米国景気が堅調に推移する中、緩やかながらもFRBは政策金利引き上げを継続することが想定される一方、日銀の金融緩和は長期化が見込まれ、金利差拡大からドル高円安基調へ復するものと予想されます。また、米政権が日本の貿易・通貨・金融政策に対して強硬姿勢を採ることは現実的でないと考えられます。ドル円レートについて、2017年末120円、向こう1年間の想定レンジ110-123円、との予想を継続します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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