マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2019年11月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/11/25 現在

投資の視点

報道によれば、関税の撤廃について、中国側は5月以降に課された関税については即時撤廃、それ以前の関税についても徐々に撤廃されることを要求している模様です。一方、米国側ではどの程度、関税を撤廃するかで意見が集約されていないようですが、少なくとも9月1日実施分の関税撤廃の可能性は引き続き残されていると思われます。足元のドル円水準では既存関税の撤廃はフルには織り込まれていないとみられ、米中が関税撤廃で合意できればドル円の反発が予想されます。なお、米上下両院で「香港民主主義・人権法案」が可決しましたが、トランプ政権としては中国との決定的な対立を避けると見られ、為替市場への影響は限定的でしょう。

金利動向

米国10年国債利回りは、8月1日にトランプ大統領が中国製品の輸入額の3,000億ドル相当に対して10%の輸入関税を課すと発言したため、低下基調を続けました。23日には米中の追加関税措置発表を受け1.53%へと低下しました。9月3日には8月米ISM製造業景況指数が50を下回ったことを受けて、約3年ぶりの低水準となる1.42%へ更に低下しました。その後は、米中通商摩擦緩和を背景に上昇に転じました。11月に入ると、米10月の雇用統計、同月のISM景況指数の持ち直しから上昇を続け、21日現在1.77%で推移しています。

金利動向

米ドル・円の注目点と今後の見通し

足元のドル円レートはグローバルな景況感底打ちが明確になってきたことと、米中摩擦の激化回避や、合意なき英国のEU離脱リスクが回避されるなどの政治リスクの後退に支えられています。特に前者を重視することでドル円レートの見通しを今年年末に1米ドル=110円(従来は同105円)、2020年3月末に同112円(従来は同107円)に変更しました。米中摩擦次第では1ドル=105円も想定されますが、これはリスクシナリオと考えられます。なお、仮に、米中通商摩擦が一層激化するなど、世界の金融市場が不安定化した局面で、1ドル=105円を割り込むまで円高が加速した場合に、日銀は追加金融緩和策を打ち出すものと思われます。

米ドル・円の市場動向

8月1日にトランプ大統領が中国製品の輸入額の3,000億ドル相当に対して10%の輸入関税を課すと発言し、ドルは5日に105円台へ下落しました。その後は概ね105~106円台での動きが続きました。10月上旬に米中閣僚級会合を開催することで合意するなど米中通商摩擦緩和の動きが広がり、米長期金利の上昇と相まってドルは反発しました。トランプ大統領が農産品や為替など特定分野で中国と部分合意に達し、10月15日に予定していた中国製品への制裁関税の引き上げを先送りすると表明したことを受けて、ドルは108円台で安定的に推移しました。その後も米中通商摩擦緩和の期待が更に強まる中、11月5日に109円台を回復しました。その後はやや軟化し、概ね108円台で推移しています。22日15:00現在、108円台後半で推移しています。

米ドル・円の市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年11月21日)

需給動向

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年11月22日以降、概ね売り持ちが続きましたが、2019年8月6日に買い持ちに転じました。しかし、2019年11月12日時点で約3.9万枚(約4,900億円)の売り持ちとなっています。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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