マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2018年4月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/4/23 現在

マーケット動向から

2018年1月9日に日銀が超長期ゾーンの国債買い入れオペを減額したことを受けてドルは110円台へ軟化しました。24日にはムニューシン米財務長官が「ドル安は我々にとって良いことだ」と述べ、更に108円台へ下落しましたが、25日にトランプ大統領が「最終的に強いドルを望んでいる」と述べたことを受けて、109円台へ反発しました。26日には黒田日銀総裁がダボス会議において「2%の物価上昇目標にようやく近づいている」と発言し、再び108円台前半へ軟化しましたが、30-31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文でインフレに対する見方がやや上方修正されたため、109円台を回復しました。2月2日公表の2018年1月の時間当たり賃金が予想を上回る伸びとなり、ドルは110円台半ばへ上昇しましたが、先行きの日米の金融政策への不透明感から16日には2016年11月以来となる105円台へ下落しました。その後は米債券市場が徐々に落ち着き始める中で107円台を回復する動きも見られましたが、日銀が28日に実施した満期までの期間が25年超の超長期国債の買い入れ額が減額されたため、再び106円台へ軟化しました。
3月1日にはトランプ大統領がアルミ・鉄鋼に輸入関税を課す計画を発表し106円台前半へ弱含みました。その後も、トランプ政権の主要閣僚の交代、ロシアゲート、通商を巡る不透明感からドルの上値は抑えられました。20-21日に開催されたFOMCにおいて参加メンバーの2019年、2020年の政策金利予測中央値が上方修正されたものの、反応は限定的でした。22日にトランプ政権が対中関税措置を打ち出したことを受けて23日には2016年11月以来となる104円台へ下落しました。その後、米朝首脳会談開催へとの報道を受けて、ドルが反発する局面もありましたが、米中通商問題の不透明感から米金利が低下基調で推移する中、106円台で推移しました。しかし、米中通商摩擦に対する悲観論が徐々に後退し、4月5日には107円台を回復しました。17-18日に開催された日米首脳会談では対米貿易黒字に対する米国からの強硬な批判は見られず、107円台で落ち着いた動きとなっています。23日午後15:00現在、107円台後半で推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年4月20日)

金利動向より

2018年年明け以降も、好調な経済指標や財政が拡張するとの観測を背景に米国10年国債利回りは上昇基調をたどりました。2月2日に発表された米2018年1月の時間当たり賃金が予想を上回る伸びとなり、2014年1月以来となる2.8%台へ上昇し、更に2月の消費者物価(CPI)が予想以上に加速したことから2.9%台へ上昇しました。その後は米中通商問題の不透明感から2.7%台へ低下する局面となりましたが、現実的な着地に向かうとの観測や原油高を受けて4月中旬以降はじり高となっています。4月20日には約4年3ヶ月ぶりの水準となる2.96%へ上昇しました。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年11月22日以降、売り持ちが続きましたが、2018年3月27日には買い持ちに転じました。4月17日時点では、約1.2万枚(約1,500億円)の買い持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

2月以降のドル安は通商問題への懸念だけではなく、米国ハイテク株の調整や1-3月期の世界景気の足踏みを反映したものと考えられます。今後、米国景気の持ち直しが明確になり、ドルも反発しやすくなるでしょう。日米金利差とドル円の相関関係も3月後半以降見られ始めており、日米金利差拡大で2018年12月末のドル円レートを1ドル=110円と予想します(従来通り)。なお、ドル円相場が100円に到達するような場合、そのきっかけとなるのはFRBによる利上げペースの後退、米国財政赤字拡大への懸念、米中通商摩擦の先鋭化など主に海外要因であり、国内要因では政局流動化によるアベノミクス継続への懸念の高まりが挙げられます。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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