マーケットアウトルック - 米ドル/円 -

投資の視点は2017年5月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/5/22 現在

マーケット動向から

2017年1月13日にトランプ大統領が「ドルが強すぎる」と述べたことをなどを受けて17日にドルは112円台半ばまで下落しましたが、ムニューシン財務長官が19日に「重要なのはドルの長期的な強さである」と発言し、20日には115円台前半へ反発しました。31日にトランプ大統領が日本や中国の通貨安誘導を批判したことを受けてドルは112円近傍まで下落しましたが、2月10-11日に行われた日米首脳会談でトランプ大統領から日本の通貨・貿易政策を批判する発言がなかったことや、14日にイエレンFRB議長が今年前半の利上げの可能性を示唆したことを受け、15日にドルは一時115円近傍まで上昇しました。
その後、111円台に軟化する局面もありましたが、イエレンFRB議長などFRB高官が相次いで3月利上げの可能性を示唆し、3月10日には115円台へと反発しました。3月のFOMCにおいて想定利上げペースが維持されたことを受けて110円台へと円高が進み、その後も概ね円高気味に推移しました。4月7日、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁が「バランスシート縮小に伴い金利の引き上げを小休止させるが、極めて短い期間である」と発言し、111円台前半へ反発しました。4月に入ると米軍のシリア・アフガニスタン空爆、北朝鮮情勢の緊迫化、3月の米経済指標がやや弱めであることを受けドルは108円台へ下落しました。なお、トランプ大統領は12日に「ドルは強くなりすぎている」と述べていますが、ムニューシン財務長官は17日に「ドル高は長期にわたり良いこと」と従来の見方を再度表明しています。なお、18日の日米経済対話では為替について議論されなかった模様です。
24日日本時間早朝に仏大統領選挙においてマクロン氏とルペン氏が決選投票に進むことが確実と報じられ、ドルは110円台前半へ反発しました。25日にはトランプ政権が翌26日に減税案を発表する見込みと伝えられ、ドルは111円台後半へ上昇しました。26日にコーンNEC委員長とムニューシン財務長官が税制改正案を公表しましたが改正案の詳細は示されず、ドルは111円近傍まで軟化しました。5月8日早朝、仏大統領決選投票においてマクロン候補の勝利確実との報道を受け、一時113円台へ上昇しました。しかし、ロシアゲートを巡るトランプ大統領のスキャンダルを受けて18日には110円台へ下落しました。22日15時現在、111円台半ばで推移しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年5月19日)

金利動向より

米10年国債利回りは英国のEU離脱選択を受けた後、2016年7月6日に終値で1.358%と史上最低を更新しました。その後、FRB高官のタカ派的発言や米経済指標改善を受けて上昇基調へ転じ、11月8日の米議会選挙で上下両院とも共和党が制した後は2%台半ばまで上昇しました。2017年4月に入ってからは、地政学リスクや3月の弱めの米経済指標を受けて低下しましたが、欧州政治リスクの後退、4月の米経済指標の持ち直しから再び上昇しました。しかし、ロシアゲートを巡るトランプ大統領のスキャンダルから足もとでは低下しています。5月19日現在、2.235%で推移しています。

グラフ

需給動向より

シカゴ通貨先物市場の円ポジションは2016年1月12日以降買い持ち超過が続きましたが、11月22日には売り持ち超過へ転じました。2017年5月16日時点では約8.2万枚(約1兆300億円)の売り持ちとなっています。

今後の注目点と見通し

米国景気は1-3月期の一時的な落ち込みの後、今後再び堅調に推移することが見込まれる中、FRBは政策金利引き上げを継続することが想定されます。一方、日銀の金融緩和は長期化が見込まれ、金利差拡大からドル高円安基調へ復することが予想されます。なお、米政権が日本の貿易・通貨・金融政策に対して強硬姿勢を採ることは概ね回避される見込みです。ドル円レートについて、向こう1年間の想定レンジを従来の106-123円から111-123円へ下限を上方修正する一方、2017年末120円との予想を継続します。


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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