マーケットアウトルック - 英ポンド -

投資の視点は2018年9月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/10/15 現在

投資の視点

2018年3月21日にEU(欧州連合)離脱に関する移行期間でEUと暫定合意に達し、ポンドは反発、4月17日に対米ドルで1ポンド=1.43米ドル台、対円でも同153円台に上昇しました。しかし、1-3月期実質GDPの急減速を受けて、英国中央銀行(BOE)は5月10日の金融政策決定会合(MPC)で利上げを見送り、景気見通しを下方修正、さらにイタリアの政治リスクもポンドに飛び火し、5月29日に対米ドルで同1.32米ドル台、対円で同143円台に下落しました。
EU離脱交渉が難航する中で、与党内の親EU派と関税同盟離脱などを唱える強硬派の対立がポンドの頭を押さえました。6月21日のMPCで政策金利は据え置かれたものの、利上げ派拡大から8月の利上げ期待が高まり、ポンド相場は反発しました。7月6日の特別閣議でEUとの協調を重視する穏健離脱の方針が合意されましたが、反対する有力閣僚が相次いで辞任、さらに弱い経済指標が続いたことから利上げ期待が後退し、ポンドは軟調に推移しました。
BOEは8月2日に利上げする一方、EU離脱の交渉の行方をリスクとして挙げました。市場では通商などの合意なしの無秩序離脱のリスクが高まったとして、ポンド安が続きました。8月末以降、EU離脱交渉の進展をうかがわせる報道が相次ぎ、無秩序離脱リスクが後退、さらに平均賃金の上昇率が市場予想を上回ったことや、市場の信認の高いカーニーBOE総裁の任期延長決定もポンドを支えました。
英国のEU離脱案を巡るEUとの交渉は合意に近づいているとの報道からポンドは反発していますが、EU離脱を巡る与党内の対立や、野党の政府案反対などから英議会で政府のEU離脱案が承認されないリスクには留意が必要です。ポンドは10月12日15時現在、対米ドルで同1.32ドル台半ば、対円で同148円台後半で推移しています。今後1年間のポンドの対円相場予想レンジを142~179円とします。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年10月11日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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