マーケットアウトルック - インド市場・インドルピー -

投資の視点は2020年6月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/06/29 現在

投資の視点

インドの新型コロナウィルスの感染者数は約47万人(6月25日時点)と、世界第4位です。感染拡大に歯止めがかからない状況が続いており、医療崩壊への懸念が高まっています。インドで全土を対象とした都市封鎖措置を6月1日から緩和し、経済活動を段階的に再開していますが、それに伴い、感染が更に拡大するリスクが高まっています。感染拡大、封鎖措置の影響が今年後半まで残り、雇用・所得、投資などへの悪影響を通じて、景気への下押し圧力が続くと考えられます。政府はGDP比10%規模の景気刺激策を公表しており、一定の景気下支え効果が期待できますが、経済活動再開と感染抑制の両立に向けて難しいかじ取りを迫られています。実質GDP成長率は4-6月期の前年同期比-15.2%を底に、その後は緩やかに回復に向かうと野村證券では予想します。

金融政策

インド準備銀行(RBI)は、5月22日、臨時の金融政策委員会において、政策金利を0.4%ポイント引き下げ、過去最低の4.0%としました。消費者物価指数(CPI)について、政府は、新型コロナウイルスの影響を受けて4月に続き5月も統計の発表を一部に限定しています。限定された情報から推計されるCPIは、食料品物価が落ち着き、5月は前年比+5.6%と前月を下回ったと野村證券では見ています。RBIは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が懸念される中、金融システムの安定、銀行融資の促進、景気下支えを重視し、緩和姿勢を継続することが予想されます。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年6月25日)

インドルピーの注目点と今後の見通し

足元でインド金融セクターの信用不安が高まっています。3月5日、不良債権を抱え経営難に陥っていた大手民間銀行をRBIが管理下に置きました。インドの金融機関の信用力は二極化しており、信用力の劣る金融機関の資金調達コストが上昇しています。足元では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞により、国営銀行の不良債権が倍増するとみられており、政府は最大198億ドル(約2.1兆円)の資本注入を実施する方針です。金融機関の経営難は、貸出抑制、設備投資や消費の減速につながる可能性があるため留意が必要です。
中国とインドの国境問題が再燃しています。5月にはインド北部で両国軍兵士の小競り合いが発生し、その後も同地域における緊張関係が続いています。両国は外交ルートを通じて事態の鎮静化に向けて動いていますが、国民感情の悪化に伴い対中圧力を強める可能性があり、両国の貿易、直接投資に影響する可能性があります。
また、農作物を荒らすバッタが大量発生し、被害が懸念されています。インド北部では既に深刻な被害を受けており、更に拡大する見込みです。食料の不足や価格高騰などにつながるリスクには注意が必要です。
財政収支については、国営企業民営化により財政負担が軽減される一方、新型コロナウイルスに対する政策対応、景気減速に伴う税収の減少が見込まれるため、財政赤字の拡大が予想されます。

インドルピー市場動向

インドルピーの対ドルレートは、2020年3月6日以降、新型コロナウイルスの感染拡大に原油価格の下落が重なって投資家心理が悪化、新興国からの資金流出への懸念から急落しました。その後、政府が3月に発令したインド全土を対象とした外出禁止令が3度延長されたことが嫌気され、ルピーは軟調に推移しました。足元では、6月1日から経済活動を段階的に再開していることで相場を押し上げています。しかし、インドでは感染拡大を抑制できておらず、脆弱な医療体制も懸念されます。新型コロナウイルスの影響が長期化し、ルピーを下押しする可能性があります。インドルピーは6月26日15時現在、1米ドル=75ルピー台、1ルピー=1.41円台で推移しています。向こう1年間のインドルピーの対円レートのレンジを1ルピー=1.37~1.54円と予想します(従来は1.34~1.54円)。

インドルピー市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年6月25日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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