マーケットアウトルック - インド市場・インドルピー -

投資の視点は2019年11月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/11/25 現在

投資の視点

2019年5月末に発足した第2次モディ政権は、2019年度政府予算では輸出や投資の底上げによる持続的成長を志向していましたが、経済の減速傾向を踏まえて成長にてこ入れする方針を強めています。特に法人税率引下げは、企業の競争力向上、投資意欲回復など経済的な効果が期待できます。また、減少する自動車販売等消費をてこ入れするため、貸出金利や自動車保有コストの低減につながる施策が実施されます。2019年4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比+5.0%に減速しました。野村證券では、インドの同成長率見通しを下方修正し、2019年は前年比+4.9%(従来は同+5.7%)、2020年は同+6.0%(従来は同+6.9%)と予想します。今後の経済政策と利下げが景気を押し上げ、徐々に景気が上向くと考えられます。

金融政策

インド準備銀行(RBI)は、2019年10月4日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%ポイント引き下げて5.15%としました。利下げは5会合連続です。RBIは声明で、インフレ率が目標の範囲内に収まるようにしつつ成長を回復させるために、必要な限り緩和的スタンスを維持する方針を示しています。インフレについては、10月の消費者物価指数が食料品等の値上がりにより前年同月比+4.6%と前月の同+4.0%から加速しました。引き続き中央銀行目標レンジ(4±2%)内で推移していますが、食料品インフレは継続する見通しのため、RBIの政策判断に影響する可能性があります。それでも、景気の減速傾向に鑑みれば、RBIは経済成長重視の姿勢を続け、12月会合で追加利下げを実施すると野村證券では予想します。利下げは景気にプラスの効果が期待できるものの、波及には時間を要すると考えます。

金融政策

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年11月21日)

インドルピーの注目点と今後の見通し

インドルピーの注目点としては、貿易・経常収支、金融セクターの信用不安と消費への影響、地政学リスク、財政収支、第2次モディ政権の政権運営などが挙げられます。貿易・経常収支については、政府の赤字削減策にもかかわらず赤字基調が続いていますが、原油価格の低迷が貿易収支改善につながり、ルピーの下支え要因になるとみられます。国営銀行の不良債権問題やノンバンクの信用不安に伴う金融環境の悪化が自動車等の消費の低迷につながっていますが、国営銀行への追加の資本注入、ノンバンクの資金繰り改善のための制度改革の実施、利下げによる効果が見込まれるため、今後改善が期待できます。地政学リスクについては、パキスタンと領有権を争うカシミール地方の州自治権をはく奪するなど、両国の紛争が再燃しているため留意が必要です。財政収支は、国営企業の民営化等により財政負担を軽減する一方、大規模なインフラ投資や法人税減税等を実施するため、財政赤字は期初の予算目標を対GDP比で0.3%程度上回ると予想します。第2次モディ政権の構造改革や景気対策は、インド経済の成長性を高め、ファンダメンタルズ(基礎的条件)が新興国の中でも優位にあることが再認識され、ルピーを下支えすると考えられます。向こう1年間のインドルピーの対円レートのレンジを1ルピー=1.47~1.58円と予想します(従来は1.41~1.56円)。

インドルピー市場動向

インドルピーの対ドルレートは、7月中旬から、企業業績を懸念したインド株式市場からの資金流出に伴い弱含みに推移しましたが、9月20日発表の法人税減税を契機に上昇基調に転じました。足元では、インド企業の7-9月期決算発表で業績好調な銘柄が株式相場をけん引し、株式市場への資金流入がルピーを下支えしています。米中通商摩擦については、米中が段階的な関税撤廃に向けた交渉を進めていることが好感される一方、米議会が11月20日に可決した香港人権・民主主義法案に中国側が反発を示したのを受け、米中対立が深まるとの警戒感からルピーは弱含みに推移しています。インドルピーは11月22日15時現在、1米ドル=71ルピー台後半、1ルピー=1.51円台で推移しています。

インドルピー市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年11月21日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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