マーケットアウトルック - メキシコペソ -

投資の視点は2018年11月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/11/26 現在

投資の視点

メキシコペソ相場は、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や大統領選をめぐる先行き不透明感を背景に、2018年6月半ばに対ドル・対円で2017年1月以来の安値へ下落しました。しかしその後、大統領選の大勢が明らかになるとペソは反発しました。メキシコ中銀が6月21日に0.25%ポイントの利上げに踏み切ったこともペソ高を支援しました。7月1日の選挙では、ロペス・オブラドール氏が次期大統領に当選し、上下両院では同氏が率いる左派連合が圧勝しました。次期政権に対する期待から、ペソは底堅さを取り戻しました。
NAFTA再交渉をめぐっては、米国が8月27日にメキシコと、9月30日にカナダと大筋合意しました。新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」として再編されることになり、米国の離脱によりNAFTAが崩壊するというシナリオが消えたことは、ペソ相場の回復につながりました。
しかし、ロペス・オブラドール次期大統領が新空港の建設ついて、国民投票を経て10月29日に中止を発表したことや、11月8日に銀行の手数料を引き下げる政令案が発議されたことなどを受け、市場ではメキシコの投資先としての不確実性が増すとの見方からペソは急落しました。メキシコ中央銀行は11月15日、通貨防衛のために0.25%ポイントの利上げを実施し、政策金利を8.00%としました。声明文では、ペソ安の背景として次期政権の政策に対する懸念が指摘され、政府と中銀の関係悪化が懸念されたこともペソ相場を下押ししました。12月1日に発足する次期政権は、社会保障、インフラ投資の拡大など、積極的財政路線を打ち出していますが、財政赤字が拡大する可能性にも留意が必要です。ペソ相場は2018年11月22日15時現在、対米ドルでは1ドル=20ペソ台前半、対円では1ペソ=5.5円台後半で推移しています。向こう1年間のメキシコペソの対円相場レンジを1ペソ=5.4~6.6円と予想します(従来予想は同5.6~6.2円)。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年11月21日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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