マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2018年1月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/2/5 現在

投資の視点

トルコリラ相場は、2017年4月16日の国民投票で大統領へ行政権などを移行する憲法改正案が可決され、政治的不透明感が後退したことにより、上昇基調となりました。
しかし9月半ば以降、イラクのクルド自治政府による同国からの独立要求を受けて周辺地域の緊張が高まったことや、10月8日、米国とトルコが相互にビザの発給を停止し、両国の関係悪化が表面化したことを受け、リラは下落基調を強めました。11月末には米国の対イラン制裁に違反する形でトルコの国営銀行がイランと金融取引を行った疑いをめぐり、リラは対ドルで3.98リラ、対円で28.01円と、ともに史上最安値を更新しました。2017年11月の消費者物価(CPI)上昇率が前年同月比+13.0%へ上昇したことに伴い、実質金利(政策金利ーCPI上昇率)が一時マイナスとなったこともリラ相場の上値を重くしたと見られます。
しかしその後、トルコ中央銀行が2017年12月14日の会合で政策金利の後期流動性貸出金利を0.50%ポイント引き上げ12.75%としたことに加え、2017年12月のCPI上昇率が前年同月比+11.9%へ減速したことで、実質金利はプラスに転じ、リラは底固めに向かいました。
対米関係においては、2017年12月28日に米国とトルコが相互にビザの発給を完全再開するなど歩み寄りの姿勢が示されました。その一方、シリア情勢をめぐっては、米国が支援するクルド人勢力に対し、トルコ軍が2018年1月下旬より軍事作戦を展開しており、両国間の緊張は高まっています。軍事面での対立が地政学リスクに発展し、リラ相場の上値を重くする可能性にも留意が必要です。2018年2月5日15時現在、対米ドルで3.7リラ台後半、対円で29円台前半で推移しています。向こう1年間のトルコリラの対円相場のレンジを1リラ=28.0~30.8円と予想しています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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