マーケットアウトルック - トルコ市場・トルコリラ -

※「マーケットアウトルック」の次回の更新は、6月10日(水)頃を予定しております。


投資の視点は2020年3月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/03/30 現在

投資の視点

トルコ経済は、大幅利下げや政府の国営銀行を通じた信用拡大策を背景に消費が持ち直し、2019年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.0%へ加速しました。ただし目先は、新型肺炎の世界的な感染拡大に伴い、トルコ国内の経済活動の鈍化に加え、輸出の約5割を占める欧州の景気減速により、外需の落ち込みに対する懸念が強まっています。また、市場のリスクオフが加速する中、実質政策金利のマイナス幅が拡大したことで、足元で経常収支が赤字へ転じているトルコの通貨リラには下押し圧力がかかりやすいとみられます。

金融政策

トルコ中央銀行は、2020年3月17日に金融政策委員会を前倒しで開催し、政策金利の1週間物レポ金利を1.00%ポイント引き下げ、9.75%とすることを決定しました。2019年7月以降に7会合連続で利下げが実施されたことにより、政策金利は累計14.25%ポイント引き下げられました。一方、消費者物価上昇率が2020年2月に前年同月比+12.37%へ加速し、政策金利からインフレ率を差し引いた実質政策金利は-2.6%へと、マイナス幅を拡大させました。次回の会合は4月22日に予定されていますが、リラ安が進む中、実質政策金利がマイナス圏にある中での追加的な利下げは資金流出懸念につながりやすいことから、利下げを小幅にとどめることが出来るかが注目されます。

金融政策

(注)政策金利の指標は、2018年5月31日まで後期流動性貸出金利、2018年6月1日以降は1週間レポ金利を使用している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年3月26日)

トルコリラの注目点と今後の見通し

内需回復に伴う輸入増加で貿易赤字が拡大したことに加え、冬場に観光収入の減少でサービス収支の黒字幅が縮小し、2020年1月の経常収支は2ヵ月連続の赤字となりました。実質政策金利がマイナスになり、証券投資を通じた資金流入が低調であることもリラ安の一因となっています。
エルドアン政権は求心力の低下を食い止めるため、対外的な強硬姿勢を強めています。隣国シリアとは、トルコとロシアとの合意を受け、3月6日より停戦入りしましたが、地政学リスクにはなお留意が必要です。リラ安抑制には、新型肺炎の世界的な感染拡大のピークアウトが条件とみられます。

トルコリラの市場動向

2019年12月中旬に米国議会が対トルコ制裁を求めるなど、米国とトルコの対立激化への懸念が強まったことや、26日にエルドアン大統領が内戦の続くリビアへトルコ軍部隊の派遣を表明したことを受け、リラは下落基調を強めました。
2020年に入り、中東情勢が緊迫化、さらに12月のインフレ率が加速すると、リラは一段安となりました。その後、中東情勢に対する懸念が後退したことや、16日の金融政策委員会で利下げ幅が0.75%ポイントと、市場予想に比べ小幅となったことも好感されました。しかしその後、実質政策金利がマイナスへ転じたことや、外貨準備の水準の低さが改めて意識され、リラは弱含みに転じました。
2月に入り、トルコ軍とシリアのアサド政府軍の直接交戦により多数の死傷者が出るなど地政学リスクの高まりに加え、インフレが加速する中、19日に0.50%ポイントの利下げにより実質政策金利のマイナス幅が拡大し、リラ安が進みました。
3月に入り、トルコとロシアによりシリア北西部イドリブ県の情勢の安定化が図られるとの期待からリラは持ち直しました。しかし、新型肺炎の世界的な感染拡大に伴い市場でリスクオフが加速し、16日にリラは対円で2018年8月のリラ急落時以来の安値水準へ下落しました。17日にトルコ中央銀行は1.00%ポイントの追加利下げを決定し、外貨建て預金準備率の引き下げなど流動性供給措置を打ち出しましたが、リラの軟調推移は続きました。その後、欧米で新型肺炎対策が相次いで発表されたことで、市場は落ち着きを取り戻し、3月27日15時現在、トルコリラ相場は対米ドル6.4リラ台前半、対円で16円台後半で推移しています。

トルコリラの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年3月26日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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