マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2017年8月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/9/11 現在

投資の視点

トルコリラ相場は、2016年7月のクーデター未遂事件や、過激派組織「イスラム国」(IS)およびクルド人勢力との交戦など、国内外での政情不安や地政学リスクの高まりを受けて下落し、対ドルでは2017年1月27日に3.87リラ、対円で4月18日に29.5円と史上最安値を更新しました。
しかし、トルコ中銀が通貨防衛を目的に流動性引き締め措置を取ったことが好感され、リラ相場は安定を取り戻しました。2017年4月16日の国民投票の結果、大統領の権限強化に向けた改憲案が承認され、政治的不透明感が後退したことを受け、リラ相場は反発しました。足元にかけては、地政学リスクの低下や国内景気の堅調さを背景に、リラは対ドルで緩やかな持ち直し基調を維持しており、2017年9月11日15時現在、対米ドルで3.4リラ台前半、対円で31円台後半で推移しています。
内需拡大に加え、欧州向けの自動車などの輸出増加により、2017年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.0%へ加速しました。消費者物価(CPI)上昇率は8月に前年同月比+10.7%と、7月の同+9.8%から加速しました。また、エネルギーや食品・飲料等を除いたコアCPIの上昇率も、景気好調と対バスケット通貨でのリラ安を背景に、8月に同+10.2%と、7月の同9.6%から加速しました。
トルコ政府が成長重視の経済政策を続け、世界的に金利が上昇に向かう局面において、「インフレ見通しの大幅な改善」を金融緩和の条件とするトルコ中央銀行が、2017年中に金融緩和に舵を切る可能性は低いとみられます。主要な短期金利である「後期流動性貸出金利」は12.25%と高水準にあり、引き続き債券投資に伴う資金流入がリラ相場を下支えすると見られます。向こう1年間におけるトルコリラの対円レート見通しを1リラ=29.1~33.1円と予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年9月8日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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