マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2017年6月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/7/10 現在

投資の視点

トルコリラ相場は、2016年7月のクーデター未遂事件や、過激派組織「イスラム国」(IS)およびクルド人勢力との交戦など、国内外での政情不安や地政学リスクの高まりを受けて下落し、対ドルでは2017年1月27日に3.87リラ、対円で4月18日に29.5円と史上最安値を更新しました。
その後リラ相場は、トルコ中央銀行が流動性引き締め措置を強化したことに加え、2017年4月16日の国民投票において、大統領権限集中の改憲が僅差ながら承認され、政治的な先行き不透明感が後退したことを受けて、持ち直し基調に転じました。
しかし、足元にかけて世界的に長期金利が上昇し、米ドル高が進む中、リラ相場はシリア情勢をめぐる地政学リスクの高まりや、野党による現体制への抗議デモが重しとなり、対ドルで下落しました。2017年7月10日15時現在、対米ドルで3.6リラ台前半、対円で31円台半ばで推移しています。
今後は2019年11月の次期大統領・議会選挙後と定められた実権型大統領制への移行を視野に、内外の政策課題に対するトルコ政府の取り組みが注目されます。
国内景気は持ち直し基調にあります。政府が財政支出の拡大を伴う景気刺激策を講じたことや、欧州向けを中心とした輸出の増加が成長率を押し上げ、2017年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.0%へ加速しました。
インフレ率は4月にピークアウトし、6月には前年同月比+10.9%へ低下しました。トルコ中央銀行は、事実上の上限金利である「後期流動性貸出金利」を12.25%と高水準に維持し、金融引き締めを継続しています。高い利回り追求する動きから、債券投資に伴う資金流入が継続し、リラ相場を下支えしていると見られます。向こう1年間におけるトルコリラの対円レート見通しを1リラ=29.2~32.4円と予想します。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月7日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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