マーケットアウトルック - トルコ市場・トルコリラ -

投資の視点は2020年1月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/02/17 現在

投資の視点

トルコでは、過去半年にわたる大幅利下げや、政府による国営銀行を通じた信用拡大策を背景に消費が持ち直しつつあります。一方、巨額の外貨建て債務を抱える企業の投資手控えが成長の足かせとなっています。今後、景気刺激効果が現れ、トルコ経済が回復に向かうかが注目されます。
ロシア製地対空ミサイルシステムの稼働が2020年4月頃にも予定される中、米国議会が対トルコ制裁法案の成立に向けた動きを再び活発化させるリスクには留意が必要です。また、トルコ軍がリビアやシリアの内戦への関与を深め、地政学リスクが増す可能性にも注意が必要です。

金融政策

トルコ中央銀行は、2019年7月から2020年1月にかけて5会合連続で利下げを実施し、政策金利を24.00%から11.25%へ累計12.75%ポイント引き下げました。消費者物価(CPI)上昇率が2020年1月に前年同月比+12.15%へ加速し、政策金利からインフレ率を差し引いた実質政策金利は-0.9%と、マイナス幅が拡大しました。
野村證券では、2020年末の政策金利を10.00%と予想しています。市場では、次回2月19日の金融政策委員会においても追加利下げが予想されています。政府による利下げ要請が続く一方、実質政策金利がマイナス圏にある中での追加的な利下げは資金流出懸念につながりやすいことから、利下げを小幅にとどめることが出来るかが注目されます。

金融政策

(注)政策金利の指標は、2017年1月23日までは1週間レポ金利、その後2018年5月31日まで後期流動性貸出金利、
2018年6月1日以降は再び1週間レポ金利を使用している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年2月13日)

トルコリラの注目点と今後の見通し

夏場の観光シーズン後にサービス収支の黒字幅が縮小し、経常収支は2019年11月に赤字へ転じました。実質政策金利が低下する中、証券投資に伴う資金流入加速が見込みにくいことや、国内預金のリラ建てからドル建てへのシフトが進んでいることは、リラ安要因として注意が必要です。
与党・公正発展党(AKP)の求心力が低下する中、現政権は対外的な強硬姿勢を強めています。米国との関係悪化懸念や地政学リスクは、リラの重しとなりやすいでしょう。向こう1年間のトルコリラの対円相場レンジ予想を1トルコリラ=17.1~19.3円と予想します。

トルコリラの市場動向

2019年11月4日公表の10月の消費者物価(CPI)上昇率が前年同月比+8.55%へ減速し、13日の米トルコ首脳会談で軍備をめぐる問題の対話継続が確認されたことが好感され、リラは安定して推移しました。しかし、11月下旬にトルコによるロシア製武器のレーダー試験開始が報じられると、米国とトルコの関係悪化懸念から、リラは下落しました。
12月中旬には、米国議会で対トルコ制裁を求める声が高まりました。これに対し、エルドアン大統領は15日、米国が対トルコ制裁を発動する場合、米国が核弾頭を配備するトルコ南部のインジルリク空軍基地を閉鎖する可能性を示唆しました。米国とトルコの対立激化への懸念から、リラは下落しました。26日にトルコ軍の部隊の内戦の続くリビアへの派遣が表明されると、リラには下押し圧力がかかりました。
2020年1月3日に米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害をきっかけに中東情勢が緊迫化し、12月のCPI上昇率が加速すると、リラは一段安となりました。その後、中東情勢の悪化懸念が後退すると、リラは反発しました。16日の金融政策委員会では利上げ幅が0.75%ポイントと、市場予想より小幅であったことも好感されました。しかしその後、実質政策金利がマイナスへ転じたことや、外貨準備水準の低さが改めて意識され、リラは弱含みに転じました。
2月に入り、トルコ軍とシリアのアサド政府軍の直接交戦により多数の死傷者が出るなど、地政学リスクが高まると、リラは対ドルで約9ヵ月ぶりの安値へ下落しました。2月14日15時現在、トルコリラ相場は対米ドル6.0リラ台前半、対円で18円台前半で推移しています。

トルコリラの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年2月13日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

はじめての方へ

オンラインサービスをご利用のお客様

ログイン

お問い合わせ先

総合ダイヤル

0570-077-000

【利用できない場合】042-303-8100(注)

平日 8:40~19:00土日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)

  • ご利用の際には、電話番号をお間違えのないようご注意ください。
  • ナビダイヤルは通話料が発生します。(固定電話:3分8.5円(税別)/ 携帯電話:20秒10円(税別))
  • 携帯電話料金プランの無料通話等を適用させる場合はこの番号をご利用ください。