マーケットアウトルック - トルコ市場・トルコリラ -

投資の視点は2020年7月13日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/07/27 現在

投資の視点

トルコの輸出の大半を占める欧州で経済活動が再開されたことをきっかけに、トルコリラは5月半ば以降に過去最安値から持ち直しました。トルコにおいても6月1日より都市間の移動制限が解除され、カフェやレストランの営業の再開が認められるなど一連の規制が緩和され始めたことは、リラの一段高につながりました。他方、実質政策金利(政策金利ー消費者物価上昇率)のマイナス幅拡大、為替介入による外貨準備の減少、リラ安により外貨建て債務返済負担が増加することへの懸念は、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感とともにリラの重石となっています。

金融政策

トルコ中央銀行は2019年7月以来9会合連続で利下げを実施した後、2020年6月25日の会合において、大方の市場予想に反して追加利下げを見送り、政策金利を8.25%に据え置くことを決定しました。声明文では、政策金利据え置きの理由として、基調的なインフレ率の上昇傾向に加えて、食料品価格が季節的要因と新型コロナウイルスに関連する影響で上昇したことが挙げられました。一方で、経済活動の低迷により、年後半にインフレ減速は顕著になるとの見方も示されました。リラ安に伴う輸入物価上昇などにより、6月の消費者物価(CPI)上昇率は前年同月比+12.6%へ加速しました。実質政策金利のマイナス幅が4.35%に拡大したことは、リラの下押し圧力となっています。

金融政策

(注)政策金利の指標は、2018年5月31日まで後期流動性貸出金利、2018年6月1日以降は1週間レポ金利を使用している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年7月21日)

トルコリラの注目点と今後の見通し

新型コロナウイルスによる影響で欧州諸国の景気悪化が予想される中、トルコからの輸出減少や、夏場の観光収入の落ち込みによって、目先、経常収支が悪化する可能性には留意が必要です。トルコ政府は、追加的な輸入関税を幅広い品目に課して輸入を制限し、外貨需要の抑制によるリラ安回避を図る方針を打ち出しています。ただし、同措置が経常収支の赤字拡大、ひいてはリラ安圧力を抑制するかどうかは不透明です。

トルコリラの市場動向

3月10日にトルコで初の新型コロナウイルス感染者が確認されると、リラは下落基調を強めました。さらに世界的な感染拡大に伴い市場でリスクオフが加速すると、リラは16日に対円で2018年8月以来の安値水準へ下落しました。17日にトルコ中央銀行は1.00%ポイントの緊急追加利下げを決定し、外貨建て預金準備率の引き下げなど流動性供給措置を打ち出しましたが、リラは軟調に推移しました。
トルコ政府が4月3日に国内移動の制限を強化し、10日に週末の外出禁止令を出したことに続き、トルコ中銀が22日に1.00%ポイントの利下げを決定すると、リラは下げ足を速めました。世界的な景気減速懸念が強まる中、5月7日にリラは対円で14円台後半と史上最安値を更新しました。しかし、11日にトルコで一部の小売店の営業が許可されると、経済活動再開への期待から、リラは上昇に転じました。
6月1日に国内の移動制限が解除され、サービス業の再開が認められるとリラは一段高となりました。その後、世界的な感染再拡大への警戒が強まるとリラは軟化しましたが、25日に予想外の利下げ見送りを受け、リラは持ち直しました。
7月3日発表の6月のCPI上昇率が予想を上回る加速を示すと、リラは再び上値を重くしました。トルコの東地中海における資源開発や、世界遺産の「アヤソフィア」をモスクにするなどイスラム色の強い政策を巡り、欧州諸国との対立が鮮明になったこともリラ安につながりました。トルコ中銀がリラを買い支えする一方、外貨準備の減少はリラの減価圧力となっています。 7月22日15時現在、トルコリラ相場は対米ドル6.8リラ台前半、対円で15円台後半で推移しています。向こう1年間のトルコリラの対円相場レンジ予想を1リラ=15.2~16.6円に据え置きます。

トルコリラの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年7月21日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

はじめての方へ

オンラインサービスをご利用のお客様

ログイン

お問い合わせ先

総合ダイヤル

0570-077-000

【利用できない場合】042-303-8100(注)

平日 8:40~19:00土日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)

  • ご利用の際には、電話番号をお間違えのないようご注意ください。
  • ナビダイヤルは通話料が発生します。(固定電話:3分8.5円(税別)/ 携帯電話:20秒10円(税別))
  • 携帯電話料金プランの無料通話等を適用させる場合はこの番号をご利用ください。