マーケットアウトルック - トルコリラ -

投資の視点は2017年10月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/11/13 現在

投資の視点

トルコリラ相場は、2016年7月のクーデター未遂事件や、過激派組織「イスラム国」(IS)およびクルド人勢力との交戦など、国内外での政情不安や地政学リスクの高まりを受けて2017年入り当初は下落基調が続きました。
しかし、4月の国民投票で大統領へ行政権などを移行する憲法改正案が可決され、政治的不透明感の後退により、リラ相場は上昇基調に転じました。財政刺激策を背景とした景気回復やトルコ中央銀行(TCMB)による金融引き締め継続もリラ相場の上昇を後押ししました。
ところが9月半ば以降、イラクのクルド自治政府による同国からの独立要求を受けて周辺地域の緊張が高まり、リラは下落に転じました。さらに10月8日、米国とトルコが相互にビザの発給を停止したことで、両国の関係悪化懸念が高まり、リラは下げ足を強めました。その後11月6日に米国とトルコはビザ発給を一部再開し、同9日に両国は会談を持つなど、関係修復が図られています。もっとも、トルコは対外資金調達ニーズが高いことから、リラ相場の動向を見る上では、今後も欧米諸国との関係を注視する必要があると見られます。2017年11月13日15時現在、対米ドルで3.8リラ台後半、対円で29円台前半と、史上最安値近辺にあります。
金融政策においては、インフレ高止まりを受けて当面引き締め姿勢が継続される見通しです。10月の消費者物価(CPI)上昇率は対ユーロでのリラ安や原油高を背景に前年比+11.90%へ加速し、コアCPI上昇率は同+11.82%と2004年1月以来の高水準へ上昇しました。TCMBは10月26日に金利据え置きを決定し、11月6日にリラ安抑制策を打ち出しました。今後、リラ相場が上昇基調を取り戻すには、金融引き締め効果によりインフレがピークアウトすることに加え、欧米諸国との関係が改善することが条件と考えられます。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年11月10日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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