マーケットアウトルック - トルコ市場・トルコリラ -

投資の視点は2019年12月16日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2020/01/14 現在

投資の視点

トルコでは、大幅利下げや政府の景気刺激策により消費は回復しつつある一方、巨額の外貨建て債務を抱える企業の投資の落ち込みが成長の足かせとなっています。政府は景気回復のため、トルコ中銀に対して繰り返し利下げを要請しており、同中銀の独立性への懸念が強まっています。
対外政策面では、ロシア製武器を導入するトルコに対し、米議会が対トルコ制裁法案の成立に向けた動きを活発化するリスクや、トルコ軍によるリビア内戦への関与に伴う地政学リスク、さらに中東情勢の先行き不透明感を背景とした原油高で対外収支が悪化する可能性にも注意が必要です。

金融政策

トルコ中央銀行は、インフレ減速を受け、2019年7月25日の金融政策委員会で政策金利を24.00%から4.25%ポイント引き下げたのを皮切りに、9月12日の会合で3.25%ポイント、10月24日の会合で2.50%ポイント、12月12日の会合で2.00%ポイントと、4会合連続で市場予想を上回る利下げを決定し、政策金利を12.00%へ引き下げました。
エルドアン大統領が利下げ圧力を強める一方、消費者物価(CPI)上昇率が2019年12月に前年同月比+11.8%へ加速したことに伴い、政策金利からインフレ率を差し引いた実質政策金利は0.2%へ低下し、追加利下げへのハードルは高くなっています。2020年1月16日の会合におけるトルコ中銀の舵取りが注目されます。

金融政策

(注)政策金利の指標は、2017年1月23日までは1週間レポ金利、その後2018年5月31日まで後期流動性貸出金利、
2018年6月1日以降は再び1週間レポ金利を使用している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年1月9日)

トルコリラの注目点と今後の見通し

2019年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+0.9%と、1年ぶりにプラスへ転じました。今後、大幅利下げによる景気刺激効果が現れ、トルコ経済がプラス成長を維持できるかが注目されます。他方、景気回復を急ぐ政府がトルコ中銀に大幅利下げを迫るリスクには留意が必要です。
与党・公正発展党(AKP)の有力者の離党などにより求心力が低下する中、現政権は対外的な強硬姿勢を強めています。米国との関係悪化懸念や地政学リスクはリラの上値を抑制しやすいでしょう。向こう1年間のトルコリラの対円相場レンジを1トルコリラ=17.1~19.3円と予想します。

トルコリラの市場動向

2019年10月7日に米軍部隊がシリア北東部からの撤収を表明し、トルコ軍が9日に同地域のクルド人勢力への軍事作戦を開始すると、地政学リスクが高まり、リラは急落しました。その後、トルコの停戦合意を受け、23日に米国が対トルコ経済制裁を解除すると、リラは回復基調を取り戻しました。
11月4日公表の10月の消費者物価(CPI)上昇率が前年同月比+8.55%へ減速し、13日の米トルコ首脳会談で軍備をめぐる問題の対話継続が確認されたことが好感され、リラは安定を取り戻しました。しかし、11月下旬にトルコによるロシア製武器のレーダー試験開始が報じられると、米国とトルコの関係悪化懸念から、リラは下落しました。
米国では、上院外交委員会が12月11日に対トルコ制裁法案を可決し、上院本会議が同12日にオスマン帝国によるアルメニア人虐殺を認定する決議案を可決するなど、対トルコ制裁を求める声が高まりました。エルドアン大統領は15日、米国が対トルコ制裁を発動する場合、米国が核弾頭を配備するトルコ南部のインジルリク空軍基地を閉鎖する可能性を示唆しました。米国とトルコの対立深刻化への懸念から、リラは下落しました。26日にリビア内戦へのトルコ軍の部隊派遣が表明されると、リラには下押し圧力がかかりました。
2020年1月3日に米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害をきっかけに中東情勢が緊迫化したことに加え、12月のCPI上昇率の加速に伴い実質政策金利が低下したことを受け、リラは一段安となりました。しかしその後、中東情勢の悪化懸念が後退すると、リラは反発しました。2020年1月10日15時現在、トルコリラ相場は対米ドル5.8リラ台後半、対円で18円台後半で推移しています。

トルコリラの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2020年1月9日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

はじめての方へ

オンラインサービスをご利用のお客様

ログイン

お問い合わせ先

総合ダイヤル

0570-077-000

【利用できない場合】042-303-8100(注)

平日 8:40~19:00土日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)

  • ご利用の際には、電話番号をお間違えのないようご注意ください。
  • ナビダイヤルは通話料が発生します。(固定電話:3分8.5円(税別)/ 携帯電話:20秒10円(税別))
  • 携帯電話料金プランの無料通話等を適用させる場合はこの番号をご利用ください。