マーケットアウトルック - トルコ市場・トルコリラ -

投資の視点は2019年3月18日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2019/04/15 現在

投資の視点

トルコでは、インフレ高止まりや金融引き締めの影響により消費や投資が落ち込み、2018年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比-3.0%とマイナス成長になりました。景気減速感が強まる中、2019年3月31日の統一地方選挙では、全国区で与党連合が過半数を確保するも、首都アンカラなど大都市で最大野党の候補が優勢となり、現政権の求心力低下が示されました。与党が一部都市で再選挙を求めていることや、ロシア製武器の購入計画をめぐる対米関係悪化への懸念、さらにトルコ金融当局による市場介入の継続性に対する不透明感はリラの重しとなっています。

金融政策

3月下旬のリラ急落を受けて、トルコ中央銀行は3月22日に一時的に事実上の利上げを実施したほか、国営銀行などを通じてリラ買い介入を行ったと見られます。また、トルコ当局は国内の金融機関に対して、トルコリラを海外の金融機関に貸し出さないように要請するなど、市場への介入姿勢を強めたことは、市場の不安を強めることにつながりました。

金融政策

(注)政策金利の指標は、2017年1月23日までは1週間レポ金利、その後2018年5月31日まで後期流動性貸出金利、
2018年6月1日以降は再び1週間レポ金利を使用している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年4月11日)

トルコリラの注目点と今後の見通し

トルコリラが長期的な下落基調にある背景として、高インフレと短期対外債務の増加など経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)の悪化が挙げられます。リラ下落に伴う物価高や大幅利上げの影響により、野村證券では2019年にトルコは景気後退に陥ると予想しています。
4月10日に政府は新たな経済計画において、国営銀行への資本注入や食料インフレの抑制策を打ち出しました。今後、政府による追加的な支出が財政規律を歪めるリスクや、トルコ金融当局がリラ買いなど市場介入を続けることはリラ相場にとり、懸念材料となります。対外政策面においては、トルコはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であるにもかかわらず、仮想敵国のロシアから最新鋭地対空ミサイルシステムを導入する計画であり、その場合、米国がトルコに対して制裁を発動することが最大のリスクと考えられます。

トルコリラの市場動向

トルコリラ相場は、2018年8月初旬にトルコの対米関係が悪化したことを受け、8月半ばにかけて対米ドルで一時20%超下落しました(トルコショック)。リラ急落に対して、トルコ中央銀行が9月13日に大幅利上げを決定し、さらにトルコ政府が10月12日に米国との対立の一因となっていた米国人牧師を解放し、11月2日には両国が相互に経済制裁措置を解除したことなどで、リラ相場は持ち直しました。経常収支の大幅改善やインフレ減速もリラの回復を後押しし、対円相場は11月末に約4ヵ月振りの高値を回復しました。
その後、世界景気の減速懸念やリスク回避傾向を受けてリラは再び軟化する局面もありましたが、トルコ中央銀行が2019年1月16日に政策金利据え置きを決定し、金融引き締め姿勢の維持を改めて示したことが好感され、2月初旬にかけて底堅く推移しました。しかし、2018年10-12月期の実質GDP成長率がマイナス圏に陥るなど経済指標の悪化を受けてリラ相場は弱含みに転じました。
3月下旬には、世界景気減速懸念が強まる中、トルコリラは対米ドルで一時6.5%下落しました。トルコ金融当局の強力な通貨防衛策によりリラ相場は反発したものの、当局の市場介入姿勢が嫌気され、リラ相場は上値を重くしました。3月31日の統一地方選挙で大都市を中心に与党への支持率低下が明らかになったことや、トルコ政府が米国のけん制を振り切る形でロシアから最新鋭地対空ミサイルS400の購入計画を進めたことで米国との緊張が増したことは、リラ相場の下押し材料となっています。2019年4月12日15時現在、トルコリラ相場は対米ドル5.7リラ台半ば、対円で19円台前半で推移しています。向こう1年間のトルコリラの対円相場レンジを1リラ=17.9~20.9円と予想します。

トルコリラの市場動向

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2019年4月11日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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