マーケットアウトルック - 日本市場 -

投資の視点は2017年8月21日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/9/11 現在

投資の視点

地政学リスクなどで円高懸念が残りますが、消費回復など景気拡大の持続性が期待される中、好調な4-6月期決算を受けて企業業績の上方修正が相次いでおり、日本株の割安感が高まっています。日銀の金融緩和は長期化するとみられる一方、FRB(米連邦準備制度理事会)はハリケーンによる災害の景気への影響を勘案しながらも、緩やかに政策金利を引き上げ、金融政策の正常化を図ることが想定され、日米金融政策の方向性の違いからドル高円安基調へ回帰することが予想されます。また、省力化を目的とした設備投資の拡大は株価上昇のドライバーとして期待されます。9月8日現在、Russell/Nomura Large Cap(除く金融)の2017年度業績は前年度比6.5%増収、同16.7%経常増益を見込んでいます。

株式需給動向より

2017年8月第5週(8月28日-9月1日)の2市場投資部門別売買状況では、海外投資家は6週連続で売り越しとなりました(614億円)。一方、個人投資家は4週間ぶりに売り越しとなりました(861億円)。

日本株の注目点

2017年度第1四半期のRussell/Nomura Large Cap(除く金融)は前年比7.0%増収、同20.2%経常増益となりました。増収率は2016年度第4四半期からほぼ倍増、2013年度第4四半期以来となる高い伸びを記録しました。18業種全てが増収となり、マクロ環境の好転を素直に受けた結果と言えます。第1四半期決算発表を踏まえて、Russell/Nomura Large Cap(除く金融)の上期予想は前年比7.5%増収、同16.7%経常増益予想へと上方修正しましたが、マクロ環境からは第2四半期の増収率は第1四半期よりも加速すると見込まれます。好調な売上に牽引され、実際の上期業績は上記予想を上ぶれて着地する可能性が高いと考えられます。昨年秋口以降のグローバルな景気回復は製造業の在庫循環の動きによるものであり、日米欧中の4極経済は揃って拡大しているとの見立てに変更はありません。雇用改善などを背景とした消費の回復、設備投資の拡大、昨年の景気対策に伴う公共事業の執行開始などから足もとの日本経済は良好な状態と言えるでしょう。特に、今後も非製造業などの人手不足に起因する省力化投資の持続的な拡大が見込まれます。2017年末の日経平均株価を21000円と予想します。

株式のマーケット動向から

2017年4月25日、マクロン氏とルペン氏が仏大統領決選投票へ進むことが決定し、マクロン氏が当選するとの期待からリスク回避姿勢が後退し、日経平均株価は19000円台を回復しました。更に5月8日には仏大統領決選投票でマクロン候補勝利確実との報道を受け19000円台後半へ上昇しました。その後は米国株式市場が史上最高値を更新し、ドルが113円台を回復したことを背景に2万円近傍まで上昇しました。5月中旬から下旬にかけては、ロシアゲートを巡るトランプ政権のスキャンダルからリスク回避姿勢が強まり、軟調な展開となりました。しかし、1-3月期に減速を示した米経済指標が4月分から持ち直し始めたことや、日本の3月以降の経済指標が堅調なことを受けて、日経平均株価は6月2日に2015年12月1日以来となる2万円台を回復しました。その後は一時2万円台を割り込んだものの、米国株式市場が連日のように史上最高値を更新し、ドル円も112円台を回復する中、20日には2015年8月18日以来1年10ヶ月ぶりの高値となる20230円を付けました。その後は2万円を挟んだ展開が暫く続きましたが、8月に入ると、北朝鮮を巡る地政学リスクや白人至上主義を巡るトランプ大統領の発言を嫌気し19000円台前半へ下落しました。9月3日(日)の北朝鮮の核実験を受けた翌4日は19000円台半ばで軟調な動きとなりました。11日の終値は19545円となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年9月8日)

債券のマーケット動向から

10年国債利回りはトランプ氏が次期米大統領に選出された後、2017年11月15日にプラス圏へ再浮上し、2月3日には0.15%へ上昇しました。4月中旬にかけて0%近傍へ低下した後、欧米金利につられる形で0.1%近傍へ上昇し、7月7日に日銀は指値オペを実施しました。 その後は世界的に金利が低下基調となる中で低下傾向が続き、9月1日には-0.005%と約10ヶ月ぶりにマイナス圏へ低下 しました。9月11日現在、0.000%となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年9月8日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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