マーケットアウトルック - 日本市場 -

投資の視点は2017年6月19日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2017/7/10 現在

投資の視点

フランス下院選挙は波乱なく通過し、ギリシャ向け支援も目途がつくなど欧州のリスクが後退する中、日経平均株価は2万円台を回復しています。上場企業の2016年度業績は減収増益となりましたが、純利益は2年振りに過去最高を更新しています。2017年度の会社予想は例年通り慎重姿勢が強いものの、企業の稼ぐ力は着実に改善しています。加えて、緩やかながらもFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが今後も想定され、9月には量的緩和縮小も視野に入ってくる中、円高リスクは低下しており、日本企業の業績拡大は続くものと予想されます。7月10日現在、Russell/Nomura Large Cap(除く金融)の2017年度業績は前年度比4.9%増収、同11.3%経常増益を見込んでいます。

株式需給動向より

2017年6月第5週(6月26日-30日)の2市場投資部門別売買状況では、海外投資家は4週間ぶりに買い越しとなりました(116億円)。一方、個人投資家は2週連続で売り越しとなりました(1,516億円)。

日本株の注目点

日米欧中の4極経済は揃って拡大しているとの見立てに変更はありません。日本経済は輸出に牽引され、消費にも回復の兆しが見えてきました。今後、民間企業の設備投資が拡大することも期待されます。ドル円は2017年末に1ドル=120円とドル高円安基調への回帰が想定され、日本株は業績に基づく割安感が評価されやすくなっていると言えます。2017年末の日経平均株価は21000円と予想します。
6月調査日銀短観において、大企業製造業業況判断が最近(+17)、先行き(+15)いずれにおいても市場予想(それぞれ+15、+14)を上回りました。予想以上の改善は、これまでの輸出の回復が国内における生産活動の着実な改善に結び付いている実態と整合的な内容と判断されます。他方、大企業非製造業では、最近の業況判断(+23)は市場予想と一致したものの、先行き判断(+18)は市場予想(+21)を下回りました。業種別では、運輸・郵便、対個人サービスにおいて最近から先行きへの業況悪化が目立ちました。これらの業種では人手不足の深刻化がうかがえます。一方、設備投資計画では全規模全産業ベースで(ソフトウェアを除き土地投資額を含む)前年比+2.9%となり、野村證券予想の+4.0%をやや下回りましたが、大企業全産業ベースの計画(+8.0%)は市場予想(+7.2%)を上回っています。

株式のマーケット動向から

2017年2月10-11日の日米首脳会談でトランプ大統領から日本の通貨・貿易政策を批判するような発言はなく、日経平均株価は19000円台を回復しました。4月に入り中東情勢や北朝鮮情勢の緊迫化を受け、18000円台前半へと下落しました。その後、マクロン氏とルペン氏が仏大統領決選投票へ進むことが決定し、マクロン氏が当選するとの期待からリスク回避姿勢が後退し、25日には19000円台を回復しました。更に5月8日には仏大統領決選投票でマクロン候補勝利確実との報道を受け19000円台後半へ上昇しました。
その後は米国株式市場が史上最高値を更新し、ドルが113円台を回復したことを背景に2万円近傍まで上昇しました。5月中旬から下旬にかけては、ロシアゲートを巡るトランプ政権のスキャンダルからリスク回避姿勢が強まり、軟調な展開となりました。しかし、1-3月期に減速を示した米経済指標が4月分から持ち直し始めたことや、日本の3月以降の経済指標が堅調なことを受けて6月2日に2015年12月1日以来となる2万円台を回復しました。その後2万円台を割り込んだものの、米国株式市場が連日のように史上最高値を更新し、ドル円も112円台を回復する中、20日には2015年8月18日以来1年10ヶ月ぶりの高値となる20230円を付けました。7月10日の終値は20080円となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月7日)

債券のマーケット動向から

10年国債利回りは2016年9月21日に日銀が「イールドカーブ・コントロール」導入を発表した後もマイナス圏で推移しました。トランプ氏が次期米大統領に選出されたことを受けて11月15日にプラス圏へ再浮上し、2017年2月3日には一時0.15%へ上昇しました。4月中旬にかけて0%近傍へ低下した後、欧米金利につられる形で0.1%近傍へ上昇しています。なお、7月7日に日銀は指値オペを実施しました。7月10日現在、0.09%となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2017年7月7日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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