マーケットアウトルック - 日本市場 -

投資の視点は2018年8月20日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/9/18 現在

投資の視点

4-6月期の実質GDP成長率2次速報は前期比年率+3.0%と1次速報の同+1.9%から上方修正されましたが、主因は実質設備投資の上方修正です(1次速報の前期比+1.3%に対し、2次速報は同+3.1%)。企業の設備投資は引き続き省力化、自動化を中心に堅調に推移していることが確認されました。一方で、9月11日に発表された8月の工作機械受注速報によれば、外需が前年比-4.4%と、2016年11月以来、1年9ヶ月ぶりに減少しました。中国での自動車関連、スマートフォンなど電子部品関連の受注が落ち込んだことに加え、米中通商摩擦の影響から、中国での設備投資を控える動きが広がっているためと推察され、留意が必要です。

金融政策

日本銀行は、7月30-31日の金融政策決定会合で、フォワードガイダンスの導入(「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定」)、長期金利レンジの柔軟化(10年金利-0.1~0.1%→-0.2~0.2%)、国債買入額の柔軟化、マイナス金利適用残高の削減(10兆円→5兆円)、ETF買入額の柔軟化、ETF買入で日経平均連動のETFを減らし、TOPIX連動のETFを増やすことを決定しました。今回の政策調整は、現在の政策を長期間継続するためのものであり、出口観測を否定し、円高の進行に伴うインフレ率低下を防ぐことにその意図があると思われます。

日本株の注目点と今後の見通し

米中通商摩擦により、中国の設備投資意欲が悪化する兆しがあり、日本経済が下振れする懸念があります。しかし、中国政府は財政、金融両面で景気を下支えする姿勢を示していますので、失速は回避されるものと思われます。4-6月期の日本企業の業績は堅調であり、業績改善をベースにした割安感が評価されることが予想され、2018年末の日経平均株価を25000円と予想します。ラッセル野村 Large Cap(除く金融)ベースで、2018年度は前年度比6..8%増収、同10.9%経常増益予想です(9月14日時点)。

株式市場動向

日経平均株価は米国の対中関税引き上げ発動に対する懸念から、7月2日には492円の大幅安となりました。トランプ政権が10日に中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税措置のリストを発表したことを受けて、11日に一時22000円割れとなりましたが、中国からの報復措置が発表されなかったため、翌12日には22000円を回復しました。その後は好調な4-6月期決算と米中通商摩擦問題への懸念の綱引きとなり、22000円台で一進一退の動きとなりました。8月に入り、2000億ドルの追加関税発動の可能性が高まるにつれ、22000円割れとなる局面も見られましたが、一方でNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で米国とメキシコが大筋合意するなどの進展を好感し、一時23000円を回復する場面も見られました。9月14日の終値は23094円です。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年9月13日)

株式需給動向

9月第1週(9月3日-7日)の2市場投資部門別売買状況では、海外投資家は2週間ぶりに売り越しとなりました(5,280億円)。一方、個人投資家は3週間ぶりに買い越しとなりました(3,697億円)。

債券市場動向

7月下旬に10年国債利回りが上昇する中、日銀は23日、27日、30日に指値オペを実施しました。7月31日に日銀が政策調整を発表した後、一時0.045%まで低下しましたが、再び上昇しています。9月14日現在、0.11%となっています。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年9月13日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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