マーケットアウトルック - 米国市場 -

投資の視点は2018年1月15日に野村マンスリー投資会議で確認された内容に基づいています。

2018/2/5 現在

投資の視点

2018年1月31日のトランプ大統領の一般教書演説では、通商政策について、既存の貿易協定を米国内産業に有利になるよう再交渉し、既存の国内法の規定等を利用して相手国の不公正な貿易慣行を正していくというこれまでの方針を繰り返しました。通商政策は従来と方針が変わってはいないことが一応確認されました。また、インフラ投資については総額を1.5兆ドルと述べ、地方政府や民間の資金を活用すると述べた以上の詳細は示されませんでした。2月12日に2019年度(2018年10月-2019年9月)予算教書を公表する予定ですので、そこで具体策が示されるものと思われます。米国経済は引き続き好調です。2018年1月の非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人となり、市場予想の同+18.0万人を上回りました。業種別に見ると、財生産部門の雇用(製造業:前月比+1.5万人、鉱業・林業:同+0.6 万人、建設業:同+3.6 万人)は同+5.7万人と引き続き高い伸びとなり、トレンドとして財生産部門の雇用の伸びが加速していることがうかがえます。失業率は4.1%と2017年12月と同水準となりました。一方、時間当たり賃金は前月比+0.3%と市場予想の同+0.2%を上回り、前年比では+2.9%と市場予想の同+2.6%を大きく上回る伸びとなりました。2017年12月分も同+2.5%から同+2.7%へ上方修正されました。停滞していた賃金の伸びが今後加速するか注目されます。

金融政策より

1月30-31日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)は市場予想通り、政策金利の据え置きを決定しました。今回のFOMCはイエレンFRB(米連邦準備理事会)議長にとって最後の会合となりました。声明文には金融政策の先行きに変更を迫る示唆はありませんでした。前年比ベースで見たインフレ率はこれまで「当面2%をいくぶん下回る」とされていた部分が「今年は上昇する」へと変更されました。これは携帯電話サービス料金の大幅引き下げによるインフレ率への低下圧力が2018年3月には剥落すると見込まれること、更に足もとでガソリン価格が上昇傾向にあることを踏まえた文言変更と考えられますが、この変更は2017年12月のFOMCで示されたFOMC参加者のインフレ予想に沿った内容であり、FOMC参加者の予想通りにインフレ指標が動いていることを示唆しています。従って、インフレに対する見方が大きく変わったわけではないと思われます。次回3月20-21日のFOMCでは0.25%ポイントの利上げを決定するものと予想されます。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)

米国株の注目点

米国の2017年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.6%となりました。3期連続で2%後半以上の高成長を遂げました。更に、2018年4-6月期頃から税制改正の効果が表面化し、もう一段の影響が2019年前半に出てくることが期待されます。足もとでは製造業の在庫積み増しが抑制され、住宅投資にも回復感が出ていることなどを考慮すると、米国景気のピークは2019年半ば以降になるものと予想されます。S&P500を構成する米国主要企業の業績は、2018年通期は前年比17.3%、2019年通期は同10.1%の2桁増益が見込まれています(S&P500、トムソンロイター調べ、2月2日時点)。今後1年間のS&P500株価指数の想定レンジを2500-3000ポイント、1年後を2800ポイントと予想します。

株式のマーケット動向から

ロシアゲートを巡るスキャンダルが懸念材料となる中でも、米国企業の良好な業績見通しを背景に2017年6月以降もNYダウ、S&P500、ナスダック指数(主要3指数)は連日史上最高値を更新しました。4-6月期の米国企業の好決算を受けて、8月2日にNYダウは22000ドル大台へ上昇しました。
その後、北朝鮮を巡る地政学リスクなどにより軟調な展開となりましたが、9月11日に国連安保理が北朝鮮に対する制裁決議を採択したことや堅調な経済指標を受けて、9月半ば以降もNYダウは堅調に推移しました。10月に入ると税制改正への期待や良好な7-9月期企業決算を背景に主要3指数は史上最高値を更新し、NYダウは10月18日に23000ドルの大台、11月30日に24000ドルの大台を示現しました。12月第4週に入ると税制改正法案が成立する見込みとなり、24000ドル台後半へじり高となりました。
2018年入り後も堅調な経済指標、企業業績を受けて主要3指数は史上最高値を更新しました。1月4日にNYダウは25000ドルの大台へ上昇し、17日には26000ドル台へ続伸しました。その後も米金利が上昇する中でも堅調に推移しましたが、2月2日に発表された2018年1月の時間当たり賃金が予想を上回る伸びとなり、米金利が大幅に上昇する中、同日のNYダウの終値は前日比-2.5%の25520ドルとなりました。

グラフ

(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成(直近値は2018年2月2日)


  • 内容は、「野村マンスリー投資会議」で確認されたグローバルな各資産に関する見方や投資視点などに基づいて作成しております。
  • 「野村マンスリー投資会議」は、グローバル・リサーチによる主要国・地域の景気、金利、為替、株価見通しを前提に、投資戦略を検討する月例の会議です。

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