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2019.04.03

他人事ではない…「介護」と向き合うということ

2025年、75歳以上が2,000万人を突破?

高齢化が進む日本。2025年には、75歳以上の高齢者人口が2,180万人(注)にもなると言われています。高齢者が増えるにつれ、「介護」はより身近になり、今後ますます他人事とは言えない状況となっていきそうです。

  • (注)厚生労働省 平成30年度 老健局「公的介護保険制度の現状と今後の役割」より

実際、「要介護(要支援)認定者数」の推移を見てみると、毎年増加していることが分かります。

要介護(要支援)認定者数の推移

要介護(要支援)認定者数の推移イメージ図

  • (出所)厚生労働省 平成30年度 老健局「公的介護保険制度の現状と今後の役割」を元に野村證券作成
  • (※1)陸前高田市、大槌町、女川町、桑折町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町は含まれていない。
  • (※2)楢葉町、富岡町、大熊町は含まれていない。

上記を見ると、今後も要介護(要支援)者が増えていくことが予想されます。自分の身内がいつ介護が必要な状況になっても困らないために、今のうちから介護に関する情報はキャッチアップしておくのが賢明といえそうです。

ところで、要介護(要支援)者を支える「介護保険サービス」についてご存知ですか?

介護保険サービスってどんなもの?

介護保険が適用される「介護保険サービス」は、40歳から64歳までの医療保険加入者は老化に伴う疾病が原因で要介護(要支援)状態になったとき、65歳以上であれば原因を問わず要介護(要支援)状態となったときに受けることができる制度です。介護保険サービスを受けるにはいくつかの手順を踏む必要があります。

【介護保険サービス 利用までの流れ】

  1. [1]お住まいの市区町村の窓口で「要介護認定」を申請する
  2. [2]1次2次の判定を経て「要介護認定」を受ける
  3. [3]介護(介護予防)サービス計画書の作成
  4. [4]介護度に応じた、各種介護保険サービスを受ける
  • (出所)厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」を元に野村證券作成

要介護(要支援)者の容態等に応じたサービスを提供するため、サービスの種類は非常に豊富になっています。いわゆる「老人ホーム」などの介護施設も、この介護保険サービスを活用して利用できるものの一つなのです。
そのような介護施設は全国にさまざまな形で存在しています。それぞれの違いを確認してみましょう。

介護施設の種類はさまざま(一例)※3

特別養護老人ホーム 要介護高齢者に対し、(1)入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の世話、(2)機能訓練、(3)健康管理、(4)療養上の世話を行うことを目的とする施設。
介護老人保健施設 要介護高齢者に対し、(1)看護、(2)医学的管理の下における介護、(3)機能訓練、その他必要な医療、(4)日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。
介護療養型医療施設 療養病床等に入院する要介護者に対し、(1)療養上の管理、(2)看護、(3)医学的管理の下における介護、(4)その他の世話及び機能訓練、(5)その他必要な医療を行うことを目的とする施設。
介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護) 介護等のサービスがついた高齢者向けの居住施設。介護サービスは有料老人ホームの職員が提供する。
住宅型有料老人ホーム 生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の介護サービスを利用しながら、当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能。
サービス付き高齢者向け住宅 高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する施設。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 認知症の高齢者に対し、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにする施設。
  • (出所)経済産業省「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会 報告書(2016年3月24日)」を元に野村證券作成
  • (※3)施設によって入所要件が異なります。詳細は、個々の施設、あるいは都道府県・市区町村の福祉担当部局にお問い合わせ下さい。

「介護施設」と一口にいっても、それぞれ違った特徴があるのが分かります。他にも居宅サービスの種類も多数ありますので併せて確認しておきましょう。
市区町村によってサービス内容が異なりますので、お住まいの地域ではどんなものがあるのか等、調べておくと安心です。疑問があれば公的機関に問い合わせてみるのもいいかもしれません。

さらに、介護保険サービスには、自己負担上限額を超えた場合に申請すると払い戻しがされる「高額介護サービス費支給制度」というものがあり、費用面での負担を軽減することができます。

具体的に「介護」とどう向き合えばいいのか

いつ「介護」に関わることになるのか分からないからこそ、事前準備が大切になります。とはいっても具体的に何をしたらいいのか分かりませんよね。
以下、2つのポイントを押さえておけば、いざという時に役に立つかもしれません。

●制度変更などの情報の変化を追いかける
介護保険サービスを提供する「介護保険制度」は、実は3年毎に見直されています。
例えば、サービス料。今までは費用の1~2割を利用者が自己負担額として支払うことが規定されていましたが、2018年の制度改定によって、所得の多い高齢者は3割負担が課せられることに変更になりました。
このまま高齢者人口が増えていくと、ますます保険制度が見直されていく可能性があります。一度調べたから大丈夫、ではなく、介護の情報には常にアンテナを張っておくことが大切です。
●介護の期間や費用感の把握
環境や容態などにより、介護にかかる期間や資金は人によってさまざま。一概にどれくらいとは言えません。しかし、想定しづらいからこそ、せめて資金面での準備はしておきたいところです。全国平均値などの情報を確認しておけば、介護資金の準備をどうするか、具体的な検討を進めることができますよね。

介護にかかる期間や費用(全国調査)※4

「介護期間」「介護費用(月額)」の全国平均値イメージ図

  • (出所)公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年度)を元に野村證券作成
  • (※4)合計は必ずしも100%にはなりません
  • (※5)現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間
  • (※6)公的介護保険サービスの自己負担費用を含む

全国調査の介護期間平均は「4年7ヵ月」。「10年以上」を見ても14.5%を占めています。
費用を見てみても、月額平均「7.8万円」。負担はかなり大きいといえますね。
上記の他にも居宅サービスの利用限度額や、介護保険施設の利用料など、今のうちに知っておいて損は無いデータも確認することができます。50代・60代のお金のハナシ「お金の不安や課題」の内容をぜひチェックしてみてください。

日々の情報収集が、いざという時の助けになるはずです。
ニュースや新聞のチェックなど、介護への備えを進めていきましょう。

編集後記

筆者A

親などの身内の介護について考えるのも大切ですが、将来の自分の介護についてもきちんと検討を進めておかないといけませんね。

ファイナンシャル
プランナーK

人生100年時代と言われる時代、「介護」は避けては通れないものと思っておいた方が良いでしょう。大切な家族や親せき、そして自分自身。どのように介護と向き合えばいいのか、今回のコラムを読むことで考える機会になれば嬉しいです。

ファイナンシャル
プランナーK

「これからのお金の課題は?」
「老後資金は足りる?」など、
気になるお金のあれこれを一緒に
考えていきましょう

人生100年時代に知っておきたい!50代・60代のお金のハナシ

第6回は2019年5月
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