【日経平均株価】週刊チャート展望

<4/22>日経平均大幅安も、長期上昇トレンド内の一時的な押しとみる

日経平均株価は、今年3月高値(終値ベース:40,888円)から、値幅面で約3,000円の大幅調整となっています。チャート面からみれば、これら押しは一時的な調整に留まる可能性が高いと考えています。
まず、今回の長期上昇トレンドである2022年3月安値(24,717円)から今年3月高値(40,888円)にかけての上昇は、上昇倍率で1.65倍となっています(日経平均株価:月足チャート)。過去の長期上昇トレンドをみると1.6-2.6倍であり、そのうち最低の上昇倍率の1.6倍を若干上回った水準に留まっています。また、新値累積数値という新高値(安値)の更新回数をカウントした数値をみると、今年3月高値は、起点から8回の高値更新となっています。過去の長期上昇トレンドでは11-21回の高値更新となっており、同局面と比較した場合、上昇余地があると考えられます。このように、上昇倍率や新値累積数値の観点からみると、今年3月高値以降の調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えています。

前回の一時的調整局面である、昨年7月高値から10月安値にかけての調整における下落率は9.6%となり、下落期間は3ヶ月でした(日経平均株価:週足チャート)。今年3月高値から4月17日安値(37,961円)の下落率は7.2%、下落期間は1ヶ月弱であり、前回の一時的な調整の範囲内に留まっています。前回と比較すれば、日柄面での調整が足りず、この先もしばらく戻り高値を抑えられる可能性は考えられますが、それらの局面は中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができます。
※2024年4月18日時点

4月に入り大幅安も、短期的な売られ過ぎを示唆するテクニカル指標も

今週(4月15日-)の日経平均株価は、地政学的リスクの高まりが嫌気されたことなどから、軟調でした。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、3月22日高値(41,087円)形成後に調整相場入りとなりました。4月3日にこれまで下支えとなってきた25日移動平均線(4月18日:39,613円)を割り込み、4月18日には75日線(同:37,844円)を一時下回りました。目先の下値メドとして、昨年10月安値から今年3月高値にかけての上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準が挙げられます。仮にさらなる調整となった場合は、同半値押し(35,787円)の水準が次の下値メドとして挙げられます。

一方、これまでの下落を受け、RSI(4月18日:26.9%)は昨年10月6日(20.4%)以来の低水準となりました。短期的な売られすぎを示唆しており、この先底入れとなるか注目されます。反発に転じた場合、25日線(同:39,613円)に向け戻しを試す動きとなると考えられます。

次に長期的な動きを確認してみましょう。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。これまでの上昇倍率は1.65倍となっていますが、前回(日経平均株価:月足チャート図中③)の上昇倍率である1.9倍を22年3月安値に当てはめると46,962円と試算されます。3月高値形成後に調整相場入りとなりましたが、これらの調整をこなしつつ、先行きはさらなる上昇となると考えられます。
※2024年4月18日時点

 
日経平均株価 日足
< 大幅安で一時38,000円割れ、一方で短期的な売られすぎを示唆する指標も >


(注1)直近値は2024年4月18日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

 
 
日経平均株価 週足
< 今年3月高値形成後に大幅安し下落率は7%超え、長期上昇局面内の一時的な調整か >


(注1)直近値は2024年4月18日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

 
 
日経平均株価 月足
< 今回の上昇倍率は1.65倍、過去の長期上昇局面(①-③)のうち、最も低い上昇倍率の1.6倍(②)を超えた水準に留まる >


(注1)直近値は2024年4月18日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

 
 
本資料は投資判断の参考となる情報の提供のため、テクニカル分析の一般的な考え方を紹介しているものであり、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。なお、使用するデータ及び表現等の欠落・誤謬につきましては当社はその責を負いかねますのでご了承ください。また、本資料は提供させていただいたお客様限りでご使用いただきますようお願い申し上げます。

【ご参考銘柄】日経平均株価関連のETF

銘柄コード 銘柄名
1320
iFreeETF 日経225(年1回決算型)
1321
NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信
1329
iシェアーズ・コア 日経225 ETF
1330
上場インデックスファンド225
1346
MAXIS 日経225上場投信
※日経平均株価を連動対象とするETFのうち、過去1ヵ月の「1日当たり売買代金」の平均値について、上位5銘柄を掲載しています(2024年4月16日時点)。掲載は銘柄コード順です。



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