2024.04.16 NEW
日経平均株価2日連続下落 地政学リスク解説と今後の見通し
2024年4月15日の日経平均株価の動き
2024年4月15日の日経平均株価は前週末比466円安の39,056円で取引を開始しました。前週末の米国株式市場で主要3指数が揃って下落したことに加え、週末に中東情勢が悪化したことが、株式市場の重石となりました。
寄り付き後下げ幅が一時、前週末比702円安まで拡大する場面もありました。もっとも、その後は米主要株価指数先物が堅調に推移していることや、為替市場で円安ドル高が進行したことなどから、日経平均株価は下げ渋る展開となりました。後場に入ると、39,100円を挟んで横ばいとなり、前週末比290円安の39,232円と反落して、取引を終えました。
業種別では、原子力規制委員会が停止中の柏崎刈羽原発への核燃料搬入の作業を承認したと報じられたことで、東京電力をはじめとした電力株が堅調に推移し、電気・ガス業が前週末比+3.11%となりました。
一方で、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ、アドバンテストや東京エレクトロンといった値嵩株や半導体関連株の一角が下落し、4銘柄で日経平均株価を約126円押し下げたほか、前週末引け後に業績の大幅下方修正を発表したアステラス製薬が前週末比-7.95%と大幅に下落しました。
(野村證券投資情報部 磯崎 博志)
2024年4月16日の日経平均株価の動き
2024年4月16日の日経平均株価は、前日比482円安の38,750円で取引を開始しました。13日のイランによるイスラエルへの報復攻撃後イスラエルは再報復の構えをみせており、地政学リスクの高まりが嫌気されほぼ全面安となりました。
1米ドル=154.30円付近まで進行する円安も投資家心理を和らげることもなく、日経平均株価は、寄り付き後も下げ幅を広げ続けました。11時に発表された中国の経済指標では、1ー3月のGDPや固定資産投資で市場予想を上回る結果が示されました。
中国経済回復への期待から、ファナックなどの中国関連銘柄の一角は逆行高となりましたが、全体に及ぼす影響は限定的でした。
日経平均株価は一時910円安まで下げ幅を拡大した後は、やや値を戻して前日比761円安の38,471円と続落し、2月21日以来約2ヶ月ぶりの低い水準で取引を終えました。プライム市場全体では値上がり169銘柄に対して、値下がり1,465銘柄と全体の約9割の銘柄が下落しました。
(野村證券投資情報部 神谷 和男)
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