2024.07.05 NEW

最高値更新の日本株、持続性はあるのか 上昇の背景と今後の見通し

最高値更新の日本株、持続性はあるのか 上昇の背景と今後の見通しのイメージ

株高の持続には決算の上振れや中長期資金の日本株シフトなどが必要か

7月第1週に日本株は急反発し、TOPIX(東証株価指数)と日経平均株価ともに史上最高値を更新しました。7月5日終値時点でTOPIXは前日比14.29ポイント安の2,884.18、日経平均株価は前日比1.28円安の40,912.37円となっています。野村では、今回の急反発が先物のショートカバー(買い戻し)によって主導されたと見ています。外資系証券会社の日経225先物のネット買い建玉は、6月28日時点で1.7万枚のショート(売り持ち)を抱えていました。ショートの解消が進んだ場合、市場への影響としてTOPIXを2%から3%程度押し上げると試算されます。ショート解消時の目安は、TOPIXで2,875前後、日経平均で40,600円前後であり、先物のショート解消が進展した模様です。

また、主要10資産のパフォーマンスで見ると、今回の日本株の急反発は、1ヶ月程度の期間で見たリバーサル(過去の一定期間で株価が大きく下落した銘柄が、その後反転する)的な側面が大きいでしょう。国・地域別に株価を見ても、インドネシアやブラジルなど、過去1ヶ月間に伸び悩んでいた国が反発する一方で、アウトパフォームしていた韓国や台湾が小休止しています。加えて、政治不安を抱える英国、フランス、メキシコや、中国のアンダーパフォームが継続するというモメンタム(過去の一定期間で株価が大きく上昇した銘柄が、その後も勢いが続く)的な側面も同居しています。セクター別に見ても、海運業や銀行業などの急上昇といったリバーサル、機械や保険業の上昇継続、ゴム製品やパルプ・紙などの低迷継続といったモメンタムが同居しています。

先述の通り、足元の急反発は先物のショートカバーが主導しており、現時点では中長期の需給や景気・業績面から見て持続性に欠けると考えられます。ただし、今後、2024年4-6月期決算が予想を上回ったり、中長期資金が日本株へシフトしたりする期待が強まった場合、この「フライング」とも言える株高が持続する可能性もあります。

野村では、2024年末の日本株見通しについて、TOPIXを2,900、日経平均株価を40,000円と予想しています。レンジは、TOPIXが2,600~3,200、日経平均が36,000円~44,000円としており、夏場に一進一退の動きを見せた後、秋以降に株価が上昇すると想定しています。

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー – 日本株高値フライングの持続性(2024年7月4日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

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