2025.06.05 NEW

国内株式、予想利益成長率が高い銘柄リスト 目先は好調持続へ 野村證券ストラテジストが解説

国内株式、予想利益成長率が高い銘柄リスト 目先は好調持続へ 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

4月以降は予想利益成長率ファクターが好調

野村證券では、少し先の話として、アナリストによる業績予想の修正を指数化した「リビジョン・インデックス」のボトムアウト局面における銘柄選択は、リビジョン・インデックスの逆張りとなる可能性が高いと見ています。これを踏まえて、予想業績系のファクターに注目すべきと考えます。

予想利益成長率ファクターのファクターリターンは、いわゆるトランプ関税ショック直後の2025年4月7日が短期的なボトムとなり、2025年1-3月期の決算発表期間においても好調でした。直近では、約2ヶ月間にわたり上昇が継続しています。

ETI(実績業績トレンド)・予想利益成長率・リビジョンの累和ファクターリターン(2024年8月以降)

カテゴリー別Barraベータの推移のイメージ (注)TOPIX500ユニバース。予想利益成長率は次のように定義。前期成長率(前々期→前期)、今期成長率(前期→今期)、来期成長率(今期→来期)を利益項目ごと(営業利益、経常利益、税引利益)に算出。対象期ごとに利益項目を合成し(営業利益:経常利益:税引利益=2:3:5)、対象期を合成(前期成長率:今期成長率:来期成長率=2:3:5)した値。ETI(Earnings Trend Indicator)は12四半期分の業績実績値を時系列順にプロットした際の傾きを表す。ただし、季節性を考慮して、全四半期による傾きと同一四半期のみを抽出した傾き(Q1~Q4それぞれで3四半期分)との5つの傾きの平均値とした。また、利益項目別のETIを合成した(営業利益:経常利益=3:2で合成)。リビジョンはコンセンサス予想の過去4週平均からの変化率。ただし、来期優先、連結優先、IFIS予想優先(東洋経済予想で補完)、かつ利益項別リビジョンの合成値(営業利益:経常利益:税引利益=5:3:2で合成)。リバランス頻度はリビジョンが週次でその他のファクターは月次。
(出所)Quick、ブルームバーグ、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

また、予想業績の変化によって定義されるリビジョンファクターも、決算発表終了後しばらくしてからプラス傾向が目立ってきました。特に輸出系銘柄のリビジョン・インデックスが低下傾向を強めていることから、リビジョンファクターの動きはこれに連動していると考えられます。ただし、今後はリビジョン・インデックスがボトムアウトする可能性に注意しておくべきでしょう。

目先の展開については、今後もしばらくは予想利益成長率ファクターの値持ちが良好な状況が続くと考えます。リビジョン・インデックスの低下が継続している間は、リビジョンファクターもある程度有効であると思われます。以下に、予想利益成長率が高い銘柄の例を示します。

予想利益成長率の高い銘柄(2025年6月2日時点)
銘柄コード 銘柄名
1417 ミライト・ワン
1801 大成建設
1803 清水建設
1963 日揮ホールディングス
2501 サッポロホールディングス
2579 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス
3048 ビックカメラ
3105 日清紡ホールディングス
3197 すかいらーくホールディングス
3397 トリドールホールディングス
3563 FOOD & LIFE COMPANIES
3591 ワコールホールディングス
3697 SHIFT
3769 GMOペイメントゲートウェイ
3994 マネーフォワード
4005 住友化学
4043 トクヤマ
4186 東京応化工業
4385 メルカリ
4452 花王
4502 武田薬品工業
4503 アステラス製薬
4676 フジ・メディア・ホールディングス
4751 サイバーエージェント
4902 コニカミノルタ
5214 日本電気硝子
5232 住友大阪セメント
5344 MARUWA
5801 古河電気工業
5803 フジクラ
5832 ちゅうぎんフィナンシャルグループ
5838 楽天銀行
6134 FUJI
6701 日本電気
6707 サンケン電気
6770 アルプスアルパイン
6971 京セラ
7013 IHI
7181 かんぽ生命保険
7205 日野自動車
7259 アイシン
7337 ひろぎんホールディングス
7453 良品計画
7732 トプコン
7747 朝日インテック
7936 アシックス
8334 群馬銀行
8359 八十二銀行
8377 ほくほくフィナンシャルグループ
8795 T&Dホールディングス
9984 ソフトバンクグループ

(注)TOPIX500ユニバース。予想利益成長率上位20%銘柄かつリビジョン上位50%銘柄。2025年6月2日時点。
(出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

もう少し先を想定していますが、その後、リビジョン・インデックスの底打ちが意識される局面では、関税エクスポージャーの高い銘柄を中心とした、低リビジョン銘柄のロング(買い持ち)が有効になると考えます。同時に、実績業績トレンド(ETI)の高い銘柄のショート(売り持ち)も有効であると見込んでいます。この局面では株価の動きが瞬発的かつ大きくなると予想されるため、機動的な対応が難しい投資家は、関税エクスポージャーの高い銘柄の戻りに備えておくべきだと考えます。

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株クオンツメモ – 予想業績ファクターの伸びが拡大(2025年6月3日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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