2025.08.19 NEW

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年6-8月発表分)

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年6-8月発表分)のイメージ

日本企業の2025年4-6月期の決算発表シーズンが一巡しました。今回、東証上場銘柄の中でも特に時価総額の大きい銘柄からなる「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2025年6月5日から2025年8月14日までの期間で決算を発表した銘柄について、決算発表日当日と翌日の株価(終値ベース)の変化率をもとにランキングを作成しました。トップ3は1位が資生堂(4911)、2位がソフトバンクグループ(9984)、3位が京セラ(6971)となりました。

なお、三菱重工業(7011)のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表日前日と当日の株価(終値ベース)を比較しています。

TOPIX100構成銘柄 決算発表後の株価騰落率ランキング(2025年6月5日~2025年8月14日発表分)
順位 銘柄コード 銘柄名 決算発表日 時間 発表日前日株価終値 発表日当日株価終値 発表日翌日株価終値 発表日当日と翌日の株価変化率(場中発表は前日と当日の比較)
(円) (円) (円) (%)
1 4911 資生堂 2025年8月6日 15:30 2,401.5 2,397.0 2,661.0 11.0
2 9984 ソフトバンクグループ 2025年8月7日 15:30 12,395 12,560 13,865 10.4
3 6971 京セラ 2025年7月30日 15:30 1,665.0 1,645.0 1,802.0 9.5
4 4543 テルモ 2025年8月7日 15:30 2,561.0 2,530.0 2,735.5 8.1
5 9843 ニトリホールディングス 2025年8月7日 15:30 12,355 12,465 13,335 7.0
6 2914 日本たばこ産業 2025年7月31日 15:30 4,291 4,318 4,585 6.2
7 6701 日本電気 2025年7月29日 15:30 4,043 4,090 4,340 6.1
8 4503 アステラス製薬 2025年7月30日 15:30 1,498.5 1,488.0 1,578.5 6.1
9 8801 三井不動産 2025年8月5日 15:30 1,408.5 1,410.0 1,492.5 5.9
10 7011 三菱重工業 2025年8月5日 13:30 3,546 3,749 3,927 5.7
11 8267 イオン 2025年7月31日 15:35 4,827 4,833 5,100 5.5
12 7974 任天堂 2025年8月1日 15:30 12,690 12,595 13,240 5.1
13 6954 ファナック 2025年7月25日 15:30 4,425 4,220 4,431 5.0
14 5108 ブリヂストン 2025年8月8日 14:30 6,256 6,549 6,612 4.7
15 6503 三菱電機 2025年7月31日 15:30 3,269 3,342 3,496 4.6
16 8591 オリックス 2025年8月7日 15:30 3,486 3,534 3,695 4.6
17 5802 住友電気工業 2025年7月31日 15:00 3,604 3,758 3,741 4.3
18 6758 ソニーグループ 2025年8月7日 12:00 3,707 3,860 3,995 4.1
19 9020 東日本旅客鉄道 2025年7月31日 15:30 3,206 3,218 3,344 3.9
20 4901 富士フイルムホールディングス 2025年8月6日 14:00 3,123 3,243 3,340 3.8

(注1)母集団はTOPIX100構成銘柄。決算発表の対象期間は2025年6月5日~2025年8月14日。決算発表日当日と翌日(休場日の場合は翌日以降で最も近い取引日)の株価終値を比較している。決算発表が取引時間中に実施された銘柄については、発表日前日(休場日の場合は前日以前で最も近い取引日)と当日の株価終値を比較している。上位20位を掲載している。株価変化率は、小数点第2位を四捨五入。
(注2)決算発表時間と株価変化率の枠を水色で示した銘柄は、取引時間中に決算を発表したことを表している。
(注3)諸般の事情により特定の銘柄をリストから削除している場合がある。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

トップ5は資生堂、ソフトバンクグループ、京セラ、テルモ、ニトリホールディングス

資生堂が1位となりました。資生堂の2025年4-6月期決算では、コア営業利益が前年同期比91%増の151億円となり、野村予想を上回りました。売上高は日本、欧州、米州で伸び悩みましたが、利益率の高い中国および免税店販売などのトラベルリテール事業での売上高が想定を上回ったことに加え、構造改革や費用発生の後ズレなどコスト削減が利益の押し上げに寄与しました。

ソフトバンクグループが2位となりました。ソフトバンクグループの2025年4-6月期決算では、税引前利益が6,899億円となり、野村予想を上回りました。特にソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の税引前利益は、上場株式の株価上昇を受けて4,514億円へ拡大しました。

京セラが3位となりました。京セラの2025年4-6月期決算では、営業利益が前年同期比11.5%減の186億円となり、野村予想通りの着地となりました。コスト削減の効果が随所にみられ、コスト管理能力の高さがうかがえる堅実な決算でした。

テルモ(4543)が4位となりました。テルモの2025年4-6月期決算では、営業利益が前年同期比25%増の559億円となり、野村予想を上回りました。心臓血管カンパニーでの値上げが寄与し、営業利益率も野村予想を上回っています。野村證券では、この値上げが浸透する背景について、テルモの代替困難性が要因と見ています。

ニトリホールディングス(9843)が5位となりました。ニトリホールディングスの2025年4-6月期決算では、営業利益が前年同期比1%減の369億円となりました。販売は弱含みでしたが、原価低減などを背景とした荒利益率の改善により、一定の利益を確保できたと見ています。

業種別では電気機器が多くランクイン

業種別(東証33業種)でみると、電気機器が最も多くランクインしました。具体的には、京セラ、日本電気(NEC、6701)、ファナック(6954)、三菱電機(6503)、ソニーグループ(6758)の5銘柄です。今回の決算で注目された関税影響については、京セラとソニーグループは期初想定比で抑制、三菱電機は期初想定比で増加となりました。ファナックはこれまで発表を見送っていた会社計画を、関税影響を加味して発表しました。

野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課(2025年8月19日時点)

※この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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