2025.10.24 NEW

内閣支持率が高い局面ではTOPIX堅調 海外投資家の買い越しも誘発か 野村證券ストラテジストが解説

内閣支持率が高い局面ではTOPIX堅調 海外投資家の買い越しも誘発か 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

高い内閣支持率は外国人投資家の日本株買い越しを誘発しやすい

高市早苗氏の自民党総裁選勝利はサプライズであり、これを受けて野村證券は10月7日に株価見通しを引き上げました。2025年末の目安は、TOPIX(東証株価指数)が3,300(上限3,600)、日経平均株価が49,000円(上限52,000円)です。直近の株高はややオーバーシュート気味で一旦落ち着くとみられますが、政策期待や業績期待を背景に高値圏を維持しやすいと判断しています。サナエノミクスの実効力を測る上では、高い内閣支持率の持続性が注目されます。次週は日米交渉など外交・安全保障が焦点となる見通しです。内閣支持率が高いと外国人投資家の日本株買い越しを誘発しやすい傾向があります(なお近年は関係性がやや低下しています)。

内閣支持率と外国人投資家の日本株買い越し額(外国人投資家フロー)

内閣支持率が高い局面ではTOPIX堅調 海外投資家の買い越しも誘発か 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)海外投資家の買い越し額は2002年以降は現先合計、2001年以前は現物が対象。月次の振れを均すために図中では3ヶ月平均を使用。
(出所)NHK、東京証券取引所、大阪取引所より野村證券市場戦略リサーチ部作成

内閣支持率が高い場面ではTOPIXも堅調に推移しやすい傾向があります。高市内閣の顔ぶれを見ると、片山さつき財務相と城内実経済財政相は、2005年の郵政解散時の因縁もありますが、「経済安全保障」「責任ある積極財政」で共通項が多い印象です。赤沢亮正経済産業相は、日米合意の継続を示すメッセージと受け止められます。

内閣支持率とTOPIX

内閣支持率が高い局面ではTOPIX堅調 海外投資家の買い越しも誘発か 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)NHK内閣支持率は2025年9月が直近値(石破内閣までを対象)。
(出所)NHK、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

なお、外国人投資家は為替ヘッジを行わずに日本株へ投資することが多いため、「円安で株高」でも歓迎されにくく、為替政策への注目度が高くなっています。10月のTOPIXのドルベース・リターン(+1.8%)はMSCIオール・カントリー・ワールド指数(+0.7%)をやや上回る程度で、年初来では欧州株や新興国株を下回っています(10月22日時点)。

主要国・地域別株価指数(ドルベース)の推移

内閣支持率が高い局面ではTOPIX堅調 海外投資家の買い越しも誘発か 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)2025年10月22日時点。
(出所)JPX総研、S&P、STOXX、MSCIより野村證券市場戦略リサーチ部作成

Japan Weeksが開催

10月20〜25日を中心に、日本の「資産運用立国」への取り組みを国内外に発信する「Japan Weeks(ジャパンウィークス)」が開催されました。10月20日に一般公開された「日本を強くする投資」企画に登壇した片山さつき氏は、NISA(少額投資非課税制度)やコーポレートガバナンス(企業統治)改革の重要性、ROE(自己資本利益率)8%未満の企業の多さなどを、手元メモをほとんど見ずに強調していました。

Japan Weeks参加者からの興味深い意見として、財務省が「脱・経理部」「CFO(最高財務責任者)的発想」へとシフトする可能性があるとの指摘が聞かれました。また、セクター物色に関してはAI相場への関心が高いものの、食品や自動車、中小型株への関心も見られ、10月に見られた日経平均独歩高のような一極集中相場から分散を見据えた意見が多かった印象です。

高市首相とトランプ大統領が初会談へ

高市首相は10月24日に所信表明演説を行った後、外遊・外交に時間を割く見通しです。10月27日からのトランプ大統領の訪日対応では、日米合意に関する調印式が実施される可能性があり、5,500億ドルの投資計画の具体化や、同行する企業経営者の顔ぶれが注目を集めそうです。また、トランプ大統領の横須賀基地視察も予定されており、日本の防衛費拡大への関心が一段と高まりやすいとみます。

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー – Japan Weeksでもサナエノミクスが話題に(2025年10月23日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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