2025.11.21 NEW

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年9-11月発表分) 野村證券・滝沢弘量

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年9-11月発表分) 野村證券・滝沢弘量のイメージ

撮影/タナカヨシトモ(人物)

日本企業の2025年7-9月期の決算発表シーズンが一巡しました。今回、東証上場銘柄の中でも特に時価総額の大きい銘柄からなる「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2025年9月4日から2025年11月19日までの期間で決算を発表した銘柄について、決算発表日当日と翌日の株価(終値ベース)の変化率をもとにランキングを作成しました。野村證券投資情報部デジタル・コンテンツ課長の滝沢弘量が解説します。

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年9-11月発表分) 野村證券・滝沢弘量のイメージ

トップ5はアドバンテスト、リクルートHD、NEC、村田製作所、オリンパス

TOPIX100構成銘柄における決算発表後の株価騰落率ランキングでは、1位がアドバンテスト(6857)、2位がリクルートホールディングス(6098)、3位が日本電気(NEC、6701)、4位が村田製作所(6981)、5位がオリンパス(7733)となりました。なお、村田製作所のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表日前日と当日の株価(終値ベース)を比較しています。

TOPIX100構成銘柄 決算発表後の株価騰落率ランキング(2025年9月4日~2025年11月19日発表分)
順位 銘柄
コード
銘柄名 決算発表日 時間 発表日前日株価終値 発表日当日株価終値 発表日翌日株価終値 発表日当日と翌日の株価変化率(場中発表は前日と当日の比較)
(円) (円) (円) (%)
1 6857 アドバンテスト 2025年10月28日 15:30 18,195 18,120 22,120 22.1
2 6098 リクルートホールディングス 2025年11月6日 15:30 7,221 7,311 8,487 16.1
3 6701 日本電気 2025年10月29日 15:30 5,094 5,104 5,775 13.1
4 6981 村田製作所 2025年10月31日 14:00 3,031 3,392 3,458 11.9
5 7733 オリンパス 2025年11月7日 15:30 1,839.5 1,871.5 2,087.5 11.5
6 8630 SOMPOホールディングス 2025年11月19日 16:00 4,553 4,483 4,955 10.5
7 8267 イオン 2025年10月14日 16:00 1,830.0 1,878.5 2,055.0 9.4
8 2914 日本たばこ産業 2025年10月30日 15:30 4,908 4,925 5,365 8.9
9 6920 レーザーテック 2025年10月31日 15:45 28,575 28,410 30,770 8.3
10 6367 ダイキン工業 2025年11月5日 15:30 18,070 17,900 19,295 7.8
11 6501 日立製作所 2025年10月30日 15:30 4,850 4,963 5,318 7.2
12 8830 住友不動産 2025年11月11日 15:30 6,813 6,818 7,281 6.8
13 9983 ファーストリテイリング 2025年10月9日 15:31 46,710 48,290 51,500 6.6
14 5802 住友電気工業 2025年10月31日 15:00 5,299 5,650 6,062 6.6
15 7974 任天堂 2025年11月4日 15:30 13,045 12,945 13,750 6.2
16 2503 キリンホールディングス 2025年11月11日 15:30 2,226.5 2,202.5 2,335.0 6.0
17 4307 野村総合研究所 2025年10月30日 15:30 5,701 5,704 6,030 5.7
18 6758 ソニーグループ 2025年11月11日 12:00 4,284 4,520 4,686 5.5
19 8750 第一生命ホールディングス 2025年11月14日 14:30 1,156.5 1,219.0 1,242.0 5.4
20 6273 SMC 2025年11月13日 14:00 53,780 56,610 57,000 5.3

(注1)母集団はTOPIX100構成銘柄。決算発表の対象期間は2025年9月4日~2025年11月19日。決算発表日当日と翌日(休場日の場合は翌日以降で最も近い取引日)の株価終値を比較している。決算発表が取引時間中に実施された銘柄については、発表日前日(休場日の場合は前日以前で最も近い取引日)と当日の株価終値を比較している。上位20位を掲載している。株価変化率は、小数点第2位を四捨五入。
(注2)決算発表時間と株価変化率の枠を水色で示した銘柄は、取引時間中に決算を発表したことを表している。
(注3)諸般の事情により特定の銘柄をリストから削除している場合がある。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

1位のアドバンテストの決算では、2026.3期の営業利益計画が従来の3,000億円から3,740億円に上方修正されました。また、上限1,500億円の自社株買いも発表されました。野村證券のアナリストは、会社計画の上方修正と株主還元はいずれも想定を上回ったと評価しています。

2位のリクルートHDの決算では、2026.3期の連結EBITDA+S(営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用)計画が従来の4,600億円から4,958億円に上方修正されました。野村證券のアナリストは、米求人サイト「Indeed(インディード)」の単価上昇などを背景に、想定を上回る内容だったとしています。

3位のNECの決算では、2026.3期の営業利益計画が従来の3,100億円から3,300億円に上方修正されました。DX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービス「ブルーステラ」の順調な推移により国内ITサービスの収益性が改善したことが、上方修正の要因となっています。

4位の村田製作所の決算では、2026.3期の営業利益計画が従来の2,200億円から2,800億円に上方修正されました。さらに、同社はAIサーバー向け需要が一段と増える来期以降、大型品を中心に需給が逼迫する可能性を指摘しています。

5位のオリンパスは決算発表と併せて、新たな経営戦略(2027.3期~2029.3期)を発表しました。経営戦略の売上高成長率(為替影響調整後)目標は、2027.3期が前期比+3%、2028.3期が同+4%、2029.3期が同+5%とされています。

業種別では電気機器が多くランクイン

業種別(東証33業種)で見ると、トップ20では電気機器が最も多くランクインしました。具体的には、アドバンテスト、NEC、村田製作所、レーザーテック(6920)、日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)の6銘柄です。

野村證券のアナリストは、テクノロジー業界の決算について、需要の牽引役が生成AIからAIエージェントへ、またBtoC(消費者向け)からBtoB(法人向け)へとシフトしていく方向性が見え始めており、それに伴ってAI関連の投資が加速し、電力インフラとITインフラという二つのインフラの需要が拡大していると指摘しています。

決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2025年9-11月発表分) 野村證券・滝沢弘量のイメージ
野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課長
滝沢 弘量
2010年に野村證券入社、2017年より投資情報部。資産運用アプリ「NOMURA」、野村独自の情報を発信するオウンドメディア「NOMURA ウェルスタイル」などに向けたコンテンツの企画・制作を担当。

※この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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