2025.12.10 NEW
12月権利確定・連続増配期間が長い銘柄ランキングと各銘柄の配当利回り(2025年12月8日時点)
配当金は株主価値(株価)を判断する重要な指標であり、株式投資の魅力の一つです。今回は「連続増配企業」に注目し、12月末を配当基準日とする銘柄の中で連続増配期間の長い銘柄をランキング形式で紹介します。また、各銘柄の配当利回りもあわせて記載します。
連続増配とは
連続増配とは、企業が複数年にわたり配当金を連続して増やしていることを指します。多くの企業は、獲得した利益を株主に還元する目的で、配当金を支払っています。日本企業では多くの場合、事業年度の中間期(中間決算期)と期末(本決算)に年2回配当金を支払います。その年度の配当金が前年度を上回れば「増配」、下回れば「減配」、支払いがなければ「無配」となります。
連続増配銘柄の特徴
配当金は、企業が当該事業年度にあげた利益、もしくは過去から積み上げてきた利益剰余金から支払われます。連続して配当金を増やし続けている企業の多くは創業からの歴史が長く、ブランド力や技術力などの強みを有しています。こうした企業は、安定した利益を創出する独自の経営スタイルや販売手法を確立しており、大きな景気変動やさまざまな外部ショックにも対応してきた実績があります。そのため、一時的に減益に陥る局面があっても、長期的には継続的な増配が可能な事業基盤を備えている場合が多くあります。
12月末が配当基準日の連続増配銘柄ランキング
それでは、具体的にどのような連続増配銘柄があるのでしょうか。12月末を決算日・期末配当基準日とする銘柄について、連続増配期間の長い銘柄のトップ10をランキング形式で紹介します。なお、ランキングは以下の基準に基づいてスクリーニングしています。
| 銘柄 コード |
銘柄名 | 株価終値 12月08日 |
予想1株当たり 年間配当金 |
予想 配当利回り |
今期決算期 | 連続増配年数 予想を含む |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (円) | (円) | (%) | (年) | |||
| 4452 | 花王 | 6,230 | 154 | 2.47 | 2025.12期 | 36 |
| 4967 | 小林製薬 | 5,270 | 104 | 1.97 | 2025.12期 | 27 |
| 8113 | ユニ・チャーム | 893.0 | 18 | 2.02 | 2025.12期 | 24 |
| 2502 | アサヒグループホールディングス | 1,750.0 | 52 | 2.97 | 2025.12期 | 18 |
| 4768 | 大塚商会 | 3,194 | 85 | 2.66 | 2025.12期 | 16 |
| 3064 | MonotaRO | 2,230.0 | 31 | 1.39 | 2025.12期 | 15 |
| 3003 | ヒューリック | 1,703.0 | 60 | 3.52 | 2025.12期 | 13 |
| 8804 | 東京建物 | 3,427 | 103 | 3.01 | 2025.12期 | 12 |
| 7846 | パイロットコーポレーション | 4,701 | 120 | 2.55 | 2025.12期 | 11 |
| 4912 | ライオン | 1,604.0 | 30 | 1.87 | 2025.12期 | 10 |
(注1)表示されている銘柄のうち、連続増配期間中に株式分割を行っている銘柄は、株式分割後の調整済みの数値。
(注2)各種データは2025年12月8日時点。1株当たり年間配当金の予想は東洋経済新報社で、予想値がレンジの場合は下限値。連続増配年数でトップ10を掲載。
(注3)復配や配当開始は回数に含まず、決算期変更を実施した企業も対象に含んでいる。配当が前期比で横ばいとなった銘柄は除外。上場以前の配当実施額、資本移動については、完全に網羅されていない可能性がある。また、将来の増配を保証するものではない。
(注4)ヒューリックは2012年7月に昭栄と経営統合しており、連続増配年数のカウントは存続会社である昭栄に基づいている。
(注5)諸般の事情により特定の銘柄をリストから削除している場合がある。
(出所)東洋経済新報社、各社資料より野村證券投資情報部作成
スクリーニング上位銘柄はどんな企業?
上記の条件でスクリーニングした企業のうち、上位5銘柄を紹介します。
1位(36期連続):花王(4452)
花王は、国内トイレタリーで最大手です。花王石鹸を祖業とし、川上原材料である界面活性剤などの化学品も製造しています。衣料用・住宅用洗剤、紙おむつ・生理用品に加え、化粧品やヘアケアなど、幅広い事業を展開しています。
2位(27期連続):小林製薬(4967)
小林製薬は、ヘルスケアや日用品でニッチ製品を展開しています。各製品の売上高規模は小さいですが、多くの製品で国内トップシェアを確保しています。
3位(24期連続):ユニ・チャーム(8113)
ユニ・チャームは、子ども用・大人用の紙おむつ、生理用品、ペットケア用品、マスク、ウエットティッシュなど、不織布・吸収体製品を製造・販売しています。
4位(18期連続):アサヒグループホールディングス(2502)
アサヒグループホールディングスは、ビール類の大手です。2016年に西欧事業、2017年に中東欧事業、2020年に豪州事業を大型買収し、海外事業の利益構成比が国内事業を上回っています。
5位(16期連続):大塚商会(4768)
大塚商会は、独立系最大手のIT販売会社です。中堅・中小企業向けを主力とし、ソフトウェア・ハードウェアに加え、オフィス通販事業まで幅広く手掛けています。
野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課(2025年12月8日時点)
※この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。