2026.01.20 NEW

日本株決算前の注目ポイント 予想上振れ候補銘柄をスクリーニング 野村證券ストラテジストが解説

日本株決算前の注目ポイント 予想上振れ候補銘柄をスクリーニング 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

コンセンサスは前年比減益予想も、相応の上振れが濃厚

日本企業の2025年度の3Q(第3四半期)に関するボトムアップ・コンセンサスは、売上高が前年同期比1.8%減、EPS(1株当たり利益)が同19.0%減と、減収・経常減益の見通しです。一方、トップダウンでは、売上高が同2.7%増、EPSが同4.1%増と増収・増益を予想しています。仮にボトムアップ・コンセンサス通りに3Qが前年比減益となれば、直近の株高ムードに水を差す可能性があります。

ボトムアップ・コンセンサスとトップダウンの2025年度3Q・4Q売上高・EPS予想

日本株決算前の注目ポイント 予想上振れ候補銘柄をスクリーニング 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)ボトムアップ・コンセンサスは2・3月本決算のうち四半期コンセンサスが取得可能な270社の集計値(除く金融・公益・ソフトバンクグループ、2026年1月16日時点)。トップダウン予想は2025年11月4日付「日本株見通し:直近決算等を反映し上方修正」で示した数値。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部作成

セクター別のボトムアップ・コンセンサスをみると、化学、機械、電気機器、輸送用機器、銀行などで、3Qに前年比で経常減益に転じる見込みです。

2025年度の経常利益に関するコンセンサスと会社予想は上方修正傾向にあります。上期の進捗、為替前提、受注動向からみて、今後もコンセンサスや会社予想の上振れが見込まれます。

2025年度の上期経常利益の達成率は、通期会社予想比で55.1%、コンセンサス比で52.7%と、いずれも例年をやや上回っています。上期達成率の高さは、最終的な通期実績の上振れ度合いと連動しやすい傾向があります。会社予想の為替前提であるドル円が1米ドル=146円前後、ユーロ円が1ユーロ=165円前後であるのに対して、足元では円安傾向で推移している点も、外需企業の利益上振れにつながりやすいです。

建設・機械・ソフトウエアなどの受注産業における、2025年度の2Q(第2四半期)時点の四半期受注は前年同期比+4.1%増、受注残高は同5.2%増と堅調で、先行きの収益機会も確保されています。

直近決算に対する株価の反応では、会社予想の上方・下方修正に応じたリターン格差は生じていますが、増減益の方向性や事前コンセンサス比の差は株価に大きな影響を与えていません。

上期進捗率、為替前提、受注からみた上振れ候補銘柄をスクリーニング

進捗率の高い企業のスクリーニング結果を整理しました。建設、自動車、電力、運輸、サービスの主力企業などが該当します。ここでの進捗率は、通期会社予想に対する期中の達成度合いを指します。

直近経常利益の進捗率(対通期会社予想)が前年同期比で改善している企業
銘柄
コード
企業名 直近四半期 直近四半期までの
経常利益進捗率
(vs会社予想)
経常利益進捗率
(vs会社予想)の
前年同期比
(%) (%)
1801 大成建設 2025年9月 55 18
1802 大林組 2025年9月 49 17
1803 清水建設 2025年9月 55 29
1812 鹿島建設 2025年9月 53 19
1860 戸田建設 2025年9月 46 19
1942 関電工 2025年9月 61 16
1969 高砂熱学工業 2025年9月 57 25
2127 日本M&Aセンターホールディングス 2025年9月 50 15
3105 日清紡ホールディングス 2025年9月 99 55
3397 トリドールホールディングス 2025年9月 84 19
4208 UBE 2025年9月 42 34
4544 H.U.グループホールディングス 2025年9月 5 32
5076 インフロニア・ホールディングス 2025年9月 42 16
5301 東海カーボン 2025年9月 88 19
5901 東洋製罐グループホールディングス 2025年9月 70 17
6472 NTN 2025年9月 67 28
6592 マブチモーター 2025年9月 105 49
6645 オムロン 2025年9月 31 33
6770 アルプスアルパイン 2025年9月 69 34
6849 日本光電工業 2025年9月 28 16
6857 アドバンテスト 2025年9月 62 21
7203 トヨタ自動車 2025年9月 59 15
7259 アイシン 2025年9月 49 38
7267 本田技研工業 2025年9月 89 39
7752 リコー 2025年9月 46 26
9024 西武ホールディングス 2025年9月 82 71
9064 ヤマトホールディングス 2025年9月 -9 96
9147 NIPPON EXPRESSホールディングス 2025年9月 72 18
9404 日本テレビホールディングス 2025年9月 57 15
9502 中部電力 2025年9月 85 17
9504 中国電力 2025年9月 85 22
9505 北陸電力 2025年9月 101 30
9507 四国電力 2025年9月 125 50
9509 北海道電力 2025年9月 144 65
9513 電源開発 2025年9月 81 25
9531 東京瓦斯 2025年9月 57 31
9532 大阪瓦斯 2025年9月 57 19
9684 スクウェア・エニックス・ホールディングス 2025年9月 70 24
9697 カプコン 2025年9月 52 21
9719 SCSK 2025年9月 56 15

(注)対象はTOPIX500構成企業で直近経常利益の進捗率(対通期会社予想)が前年同期比10%ポイント以上改善している企業。2026年1月16日時点。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

為替前提が保守的な企業を整理すると、機械、電気機器、精密が該当します。これらの企業は過去1か月にTOPIX(東証株価指数)をアウトパフォーム(相場平均を上回る)している銘柄が多い一方、精密関連企業の株価には出遅れ感がみられます。

為替前提が保守的な企業
銘柄
コード
企業名 ドル円前提 対ドルで1円
円安時の
利益影響
ユーロ円前提 対ユーロで1円
円安時の
利益影響
為替要因に
起因する
利益の上振れ・
下振れ余地
(通期会社予想比)
(100万円) (100万円) (%)
2502 アサヒグループホールディングス     164.0 4,600 15%
3105 日清紡ホールディングス 145.0 250 160.0   5%
4062 イビデン 145.0 800 165.0 100 6%
4151 協和キリン 145.0 500 160.0 200 6%
4202 ダイセル 146.0 900     5%
4205 日本ゼオン 140.0 300     9%
4902 コニカミノルタ 145.0 -100 165.0 500 8%
5019 出光興産 145.5 4,900     19%
6301 小松製作所 143.2 4,800 164.9 500 7%
6302 住友重機械工業 145.0 260 152.0 70 6%
6326 クボタ 145.0 2,500 161.0 600 7%
6448 ブラザー工業 140.0 -200 165.0 1,000 6%
6457 グローリー 145.0 150 160.0 150 11%
6472 NTN 145.5 400 169.0 200 14%
6526 ソシオネクスト 130.0 300     63%
6592 マブチモーター 145.0 240     5%
6925 ウシオ電機 140.0 120 155.0   10%
6963 ローム 143.5 600     28%
6981 村田製作所 145.5 4,500     5%
7013 IHI 140.0 900     5%
7270 SUBARU 145.0 10,000 155.0 200 18%
7731 ニコン 145.0 500 157.0 300 40%
7752 リコー 143.0 200 161.6 900 13%
8086 ニプロ 139.0 90 158.0 220 16%

(注)対象はTOPIX500構成企業で、会社側為替前提からみて5%以上の経常利益上振れ(通期会社予想比)が試算される企業。2026年1月16日時点。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

また、直近四半期の新規受注が前年同期比で2桁増の企業を整理すると、建設、機械、情報サービスが該当します。これらの企業についても、過去1か月にTOPIXをアウトパフォームしている銘柄が多いものの、情報サービス関連企業の株価には出遅れ感がみられます。

受注が前年同期比2桁増の企業
銘柄
コード
企業名 直近四半期 新規受注 直近の
受注前年比
(100万円) (%)
1801 大成建設 2025年9月 542,800 32%
1959 クラフティア 2025年9月 149,200 33%
1969 高砂熱学工業 2025年9月 113,395 13%
2327 日鉄ソリューションズ 2025年9月 111,238 28%
4684 オービック 2025年9月 36,133 11%
5631 日本製鋼所 2025年9月 74,794 13%
6113 アマダ 2025年9月 107,409 14%
6134 FUJI 2025年9月 43,119 67%
6268 ナブテスコ 2025年9月 60,948 31%
6302 住友重機械工業 2025年9月 254,152 20%
6806 ヒロセ電機 2025年9月 54,140 10%
6841 横河電機 2025年9月 151,393 13%
6981 村田製作所 2025年9月 487,003 14%
7012 川崎重工業 2025年9月 569,100 30%
7729 東京精密 2025年9月 44,699 33%
9719 SCSK 2025年9月 191,005 45%

(注)対象はTOPIX500構成企業で、直近四半期の新規受注が前年同期比2桁増であった企業。2026年1月16日時点。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

一方、上期の進捗率、為替前提、受注などからみて警戒されやすいのは、プラント、食品、医薬です。これらの分野では、通期の業績予想に対する不確実性が比較的高く、相対的に株価の反応が厳しくなりやすい可能性があります。

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株メモ:25年度3Q決算前の注目点 – コンセンサスは前年比減益予想も、相応の上振れが濃厚(2026年1月19日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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