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電子マネーのキホン ーー賢く使うため知っておきたいこととは?

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みなさんの中には、すでに現金をほぼ使わず、キャッシュレスでの支払いがメインになっている方も多いのではないでしょうか?

経済産業省の「2022年キャッシュレス決済比率を算出した結果」によれば、年々キャッシュレス決済の規模が拡大し、2022年には111兆円に到達しました。最も使用されているのはクレジットカードで、次にコード決済、電子マネーとなっています。

もしかしたら、電子マネーを使っている方の中には、その利用が電子マネーとして認識されていない人もいるかもしれません。日常生活における便利さと効率性を求めるなら、電子マネーの使用はもはや不可欠といえるでしょう。この記事では、電子マネーの基本から、そのメリットや注意点について詳しく解説します。

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電子マネーとは?

キャッシュレス決済にはたくさんの種類があり、「何が何だかわからない」と混乱している人もいるのではないでしょうか?

そもそも、「電子マネー」とは、企業が独自に発行する電子的な決済手段です。実際の紙幣や硬貨を使わずに、デジタル化された通貨で支払いを行うシステムの総称です。電子マネーには大きく分けて2つのタイプがあります。

1つ目は、事前に特定の金額をチャージし、その残高の範囲内で使用するプリペイド型です。このタイプには、公共交通機関が発行する交通系カードや、小売大手の会社が提供している商業系のカードが含まれます。

2つ目は、ポストペイ型の電子マネーです。これは、使用後に料金を支払うシステムで、実際に現在日本で展開されているポストペイ型の電子マネーはクレジットカードに紐づいています。支払いは、クレジットの利用料として、月末や一定期間後に利用額をまとめて支払います。例えば、スマートフォンの決済アプリや一部のクレジットカードに組み込まれた電子マネー機能がこれに該当します。

電子マネーの最大の便利な点は、その迅速性と利便性にあります。現金の取り扱いに比べて、素早い取引が可能で、小銭を気にする必要もなく、財布の中が小銭であふれるという事態が避けられます。電車やバスに乗る時も「ピピッ!」とカードなどを一瞬センサーにかざすだけです。電子マネーが皆さんの毎朝の通勤をスムーズにしてくれているといえます。

クレジットカードとの違い

 電子マネーとクレジットカードはどちらもキャッシュレス決済の便利な手段ですが、根本的な違いがあります。

まず、電子マネーは事前にチャージするなどして使用するプリペイド型が主流と言えます。たとえば、交通系電子マネーでは、500円や1,000円など、あらかじめ決められた金額をカードにチャージし、電車賃や小額の買い物に使用します。一方クレジットカードは後払い制で、利用した金額は月末や翌月に一括で請求されるシステムです。

電車に乗るときは、交通系電子マネーを改札機にタッチして通過するだけで、チャージ済みの金額から自動的に運賃が差し引かれます。昼食時、コンビニで500円のお弁当を購入する際にも、同様に電子マネーを使って素早く支払えます。これらの場面では、事前にチャージされた金額の範囲内でしか支払いができないため、支出管理がしやすいというメリットがあります。 

 一方で、ちょっと高価なビジネススーツを購入するといった際には、数万円単位の大きな支出になるため、クレジットカードを使用することが一般的といえそうです。クレジットカードの場合、高額な支出でもチャージは不要です。またその場で支払う必要はなく、利用限度額の範囲内であれば、後日一括または分割で支払うことができます。さらに、クレジットカードはポイント還元や保険などの付帯サービスが充実しており、高額な買い物などに適しています。 

 つまり、電子マネーは少額の日常的な支払いに適しており、特にプリペイド型は支出管理がしやすく、迅速な取引が可能です。一方、クレジットカードは高額な支払いやオンラインでの買い物、海外旅行など、より幅広い用途に対応し、多様な付加価値を提供します。それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることが、賢いキャッシュレス生活を送る上での鍵となります。 

コード決済との違い

電子マネーとコード決済は、電子マネー6.1兆円、コード決済7.9兆円とクレジットカードに次ぐキャッシュレス決済の手段として普及しています。利用シーンはコンビニやランチの支払いなど、似ていることが多いですが、その使用方法において大きな違いがあります。

電子マネーは物理的なカードやスマートフォン内のデジタルカードを使用し、専用のリーダーにタッチすることで支払いが行われます。一方、コード決済は、アプリ操作を必要とし、スマートフォンのカメラでコードをスキャンしたり、自分のコードを読み取ってもらうことで決済が完了します。  

また、コード決済には電子マネーにはないユーザー間の送金機能があり、割り勘などの支払いシーンで便利に使用することができます。このように、それぞれが異なる利便性を提供しており、利用シーンや目的に応じて使い分けることができます。

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電子マネーのメリットは

では、電子マネーのメリットを解説していきます。

迅速な取引

電子マネーの支払いは瞬時に行われ、カードやスマートフォンを読み取り機にかざすだけで決済が完了します。混雑した時間帯やランチタイムなどでの利便性が高く、小銭を探したり、並んだりする手間も省けます。

管理の容易さ

プリペイド式の電子マネーは、チャージする金額を自分で管理できるため、支出のコントロールがしやすく、使用履歴が記録されるため、お金の流れの把握も容易です。 

セキュリティ 

現金を携帯するリスクが減少し、カードを紛失しても、すぐに利用停止ができるため、現金を持つ場合に比べリスクが低いといえます。 

デメリット

では、逆に電子マネーのデメリットについて考えてみましょう。

使用できる場所の制限

すべての店舗やサービスで電子マネーが利用できるわけではないため、場所によっては利用できないことがあります。特に地域によって対応していない店舗が多い場合があります。 

チャージの手間

プリペイド式電子マネーの場合、事前にチャージする必要があります。残高不足の場合は、再度チャージする手間が発生します。 

システム障害のリスク

電子マネーシステムに障害が発生すると、一時的に使えなくなることもあります。特にビジネスなどの支払いに影響を与えることもあるため注意が必要です。 

ポイント還元の特徴

次に、電子マネーのポイント還元の特徴について解説します。プリペイド型の電子マネーは冒頭で述べたとおり、企業が独自に発行する電子決済です。通常の決済によるポイント還元の他、自社での買い物に対してポイントを優遇したり、電子マネーでの支払いをすることで、商品の割引をしたりしています。一方、 ポストペイ型の電子マネーは、電子マネーとしてのポイント還元ではなく、紐付いたクレジットカードのポイントとして付与されることが特徴です。 

日常生活に不可欠なツールに

現代を生きるビジネスパーソンにとって、キャッシュレス決済はもはや日常生活に不可欠なツールです。電子マネーもその一つです。たくさんのキャッシュレス決済がありますが、それぞれの電子マネーの特徴やメリット・デメリットを理解すると、場面に応じてベストな支払いを選択できます。電子マネーの賢い使い方をぜひ、マスターしてください。 

  • このコラムは、2024年1月時点の情報に基づくものです。

編集協力:寺澤 真奈美 2級ファイナンシャルプランニング技能士/
編集・文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室

 
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