超高齢社会 日本の実態を深堀り

今回は、日本の高齢化の状況を国内外のデータを交えてお伝えしたいと思います。
高齢化が加速する日本
日本は『世界で最も高い高齢化率』(※1)と言われていますが、実際どうなのでしょう。
まず、言葉の定義です。
『高齢化社会』とは、65歳以上の高齢者の割合が人口の7%を超えた社会を指し、日本は1970年から高齢化率が7%を超え、高齢化社会となりました。
また、『高齢社会』とは65歳以上の高齢者の割合が人口の14%を超えた社会を指し、日本は1994年の時点で高齢社会に突入しています。
さらに、『超高齢社会』とは65歳以上の高齢者の割合が人口の21%を超えた社会を指し、日本は2007年で超高齢社会を迎えました。

世界対比では?
では、世界的なレベルではどうでしょうか?
高齢者人口割合のトップ10を示したデータでは、65歳以上の高齢者人口の割合において日本は『世界最高』となっています。

65歳以上の方の就労状況は?
次は高齢者の方々の就業状況を見てみます。
主要国における高齢者の就業率は下のグラフの通りとなっており、日本は相対的に高い割合で就業していることがわかります。
また、高齢者の就業割合は世界的に上昇しているようで、日本では25.1%、つまり、65歳以上の方の4人に1人は就業されているということになります。

では、どのような職業に従事されているのでしょうか?下のグラフは、業種別での65歳以上の高齢者の割合です。ご覧の通り業種別でかなり差があり、農業・林業では就労者の過半数(53.3%)が65歳以上の方となっており、逆に情報通信業ではわずか2.3%のみとなっています。

なお、各種の意識調査で従来の65歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が強くなっていることから、75歳以上を高齢者の新たな定義とすることが提案されています。また、「高齢社会対策大綱」においても、「65歳以上を一律に『高齢者』と見る一般的な傾向は、現状に照らせばもはや現実的なものではなくなりつつある。」(※3)とされています。
※3 出所:内閣府ホームページ「令和5年版高齢社会白書(全体版)」
※ 出所:本コラムのデータはすべて総務省統計局 統計トピックスNo.132より野村證券作成
- このコラムは、2023年12月時点の情報に基づくものです。
文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室兼ライフプラン・サービス部 籔内 大助