みなさんは何歳まで働くのでしょう?

今回は、高齢者の就労状況と諸外国との比較、就労の理由などについて解説します。
1.みんな何歳まで働くの?
みなさんは「自分が何歳まで働くべきか」を考えたことはありますか?
「とりあえず定年まで働いて、その後はお金との相談かな」といった漠然としたイメージしかわかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まず、60歳以上の方がどのぐらい働いているかを見てみましょう。
年齢層別就労率

- 出所:総務省統計局 労働力調査 長期時系列データ 年齢階級(5歳階級)別就業者数及び就業率より野村證券作成
上図の通り
60-60-64歳では約4分の3(73%)
65-69歳では過半数(50.8%)
70歳以上では6分の1超(18.4%)
の方がそれぞれ働いているのが現状です。
また、かつて60歳以上の方の就労率は緩やかな減少傾向にありましたが、その後上昇に転じています
2.60歳以上の人が働いている理由は?
では、どうして60歳以上の方が働くのでしょうか?
令和3年版高齢社会白書によると、60歳以上の方の就労理由の半数以上(51%)が「収入がほしいから」という経済的な理由でした。
60歳以上の人が就労の継続を希望する主な理由(日本、2020年)

- 出所:令和3年版高齢社会白書より野村證券作成
2位は「働くのは体によいから、老化を防ぐから」(23.1%)
3位は「仕事そのものが面白い、自分の活力になるから」(15.8%)
という結果でした。
高齢社会白書では、アメリカ、ドイツ、スウェーデンで同じ調査を行った際の結果を掲載しています。
60歳以上の人が就労の継続を希望する主な理由(2020年)

- 出所:令和3年版高齢社会白書より野村證券作成
日本以外の調査国では、就労理由の1位はいずれも「仕事そのものが面白い、自分の活力になるから」でした。
なお「収入がほしいから」という回答は日本以外の国ではいずれも2位でした。
3.調査国の所得代替率
ここで、上記調査国の所得代替率を比較してみます。
所得代替率とは、年金を受け取り始める時点における年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合かを示すものです。平均余命とは、現在ある年齢の人が、あと何年生きることができるのかを表したものです。
OECD報告書「図表で見る年金2021年版」によると、各国の所得代替率と平均余命は下記の通りです。日本の所得代替率は38.7%と、他国を大きく下回っている一方、65歳の方の平均余命は22.3年と、他国を上回っています。
各国の所得代替率と65歳時の平均余命

- 出所:OECD報告書「図表で見る年金2021年版」より野村證券作成
他国より「長寿」にもかかわらず、現役時の収入よりかなり低い年金収入で生活しなければならないのです。このため、年を取っても働いて収入を得たいと考える人が多いのでしょう。
日本ではより早く、より多く資産形成することが肝要といえそうです。
文責:野村證券 資産形成推進部 籔内大助
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