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お金や経済の面で「安心」している人は、何をしている?~「働く」を「お金のため」だけにしないために~

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物価上昇や将来の社会保障への不安が続くなか、家計や資産形成について考える機会はこれまで以上に増えています。そうした時代において、給与や賞与だけでなく、勤務先が用意している福利厚生制度を上手に活用することは、お金の不安に備えるうえで有効な選択肢のひとつです。
本コラムでは、実際に人々がどのようなお金の不安を抱えているのか、また、お金に対する安心感の違いは、福利厚生制度の活用状況とどのように関係しているのかを、各種調査結果をもとに見ていきます。

何のために働くのか?働く目的を調査

内閣府が実施している「国民生活に関する世論調査」は、国民の生活に関する意識や要望を捉えるために昭和33年(1958年)からほぼ毎年実施され、さまざまな項目が掲載されています。
そのひとつとして「働く目的」を問う設問があります。
直近(2025年8月)の調査で最も多かった回答は「お金を得るために働く」で、63.5%もの回答者が選択しています。
次に多かった回答は「生きがいを見つけるために働く」なのですが、割合は13.1%と1位とかなり大きな差がありました。

働く目的の調査結果の割合を示した円グラフ
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」(2025年8月)より野村證券作成

働く目的を「お金を得るため」と回答する人の割合は増加の一途

以前からそうだったのでしょうか?
この2つの回答割合を時系列に並べてみたものが下記折れ線グラフになります。
ご覧の通り2000年頃は同じような割合であったものが、年々乖離し「お金を得るために働く」と答える人の割合が増えているのが見て取れます。

2つの回答割合を時系列に並べた折れ線グラフ
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」より野村證券作成

「お金のために働く」人の割合が増加しているのは、将来が不安だからか?

次のグラフは、「今後の生活の見通し」についての回答状況で、「働く目的」で示したグラフと同じ期間の推移を示したものです。
ご覧の通り推移には上下があるものの、「働く目的」で見られたような方向性は、特には見受けられません。つまり、「今後の生活の見通し」と「働く目的」にはあまり明確な相関が見られない、ということになります。

今後の生活の見通しについての回答状況を示したグラフ
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」より野村證券作成

お金に悩み・不安を持っている人の割合は増加している

次に、「悩みや不安の内容」という設問を見てみます。
直近(2025年調査)の回答の上位5項目は、「老後の生活設計」⇒「自分の健康」⇒「今後の収入や資産の見通し」⇒「家族の健康」⇒「現在の収入や資産」という順序でした。

2025年に調査した、悩みや不安の内容上位5項目を示した棒グラフ
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」(2025年8月)より野村證券作成

これを1997年の回答との変化率で見てみると、下記グラフのように、いずれの項目を選択した人の割合も増加しています。なかでも「収入や資産」について悩み・不安を抱える人の割合が増加していることがわかります。

悩みや不安の内容上位5項目の変化(1997年から2025年の増減率)を示した棒グラフ
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」より野村證券作成

「お金に不安のない人」と「お金に不安のある人」での行動の違い

次に、野村資産形成研究センターが2021年より毎年実施している「ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート」の最新結果を見てみます。
調査設問の中には、現在および将来における経済的な順調度・安心度を問う設問があり、

  • 「現在順調かつ将来安心」と回答した人をファイナンシャル・ウェルネスが高い人(FW高)
  • 「現在不調かつ将来不安」と回答した人をファイナンシャル・ウェルネスが低い人(FW低)

と分類しています。

この両者について、会社のお金にまつわる福利厚生制度の利用状況を分析したのが下記の表です。

制度名 FW高(A) FW低(B) A/B
1 企業型DC 52 35 1.5
2 持株会 48 34 1.4
3 財形貯蓄 26 19 1.4
4 DB 20 9 2.1
5 社員優遇のある生命保険・損害保険 15 11 1.4
6 iDeCo 11 7 1.7
7 出産・育児支援(一時金、融資) 11 7 1.5
8 社内預金 9 5 1.7
9 職場つみたてNISA 7 3 2.7
10 住宅融資 5 2 2.1
11 介護支援(一時金、融資) 2 1 1.8
12 上記制度利用なし 16 37 0.4
出所:野村資産形成研究センター「ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート」2025

上記からは以下の3点が言えると考えます。

  1. ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、低い人に比して、総じてお金に関する福利厚生制度の利用率が高い
  2. 利用率の上位3つは、ファイナンシャル・ウェルネスの高低に関わらず、「企業型DC」・「持株会」・「財形貯蓄」の3制度
  3. 制度利用率において、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人と低い人との差が最も大きいのは「職場つみたてNISA」

つまり、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、基本的な制度はしっかり把握・利用し、かつ、会社を通さなくても利用できるNISAのような制度についても「職場つみたてNISA」という社内制度を有効利用している、ということになります。

まとめ

社内の資産形成制度を最大限に有効活用して、「働く目的」を「お金のため」だけでなく、「生きがいを見つける」や「自分の才能・能力を発揮する」といった他の価値を軸足に置いた人生を築いていきませんか。

ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート

調査期間:2025年9月17日~2025年9月30日
調査方法:リサーチ会社を利用したWEBアンケート
調査対象:従業員数1,000人以上の上場企業従業員(11,145名)

文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部 籔内 大助

記事公開日:2026年4月23日

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