【3分で読める】大切な人へ、賢くつなぐ 贈与のポイント

はじめに
こどもや孫など、大切な人へ生前に財産を渡す「贈与」は、相続対策として広く活用されています。
贈与には、資産を次の世代へ早めに渡せることや、資産承継に対するご自身の意思を反映しやすいといったメリットがあります。一方、進め方によっては贈与と認められず、期待した効果につながらないこともあります。
まずは基本的な仕組みと注意点を確認してみましょう。
贈与の主なメリット
贈与には、主に次のようなメリットがあります。
- 相続税の負担軽減につながる場合がある
- 資産を次の世代へ先に渡すことができる
- 資産承継の意思を生前に反映しやすい
- 遺産分割の事前対策につながる
年間110万円の基礎控除額を超える贈与であっても、贈与税・相続税の負担、財産の種類、贈与の目的等を踏まえると、選択肢となる場合があります。実行にあたっては、専門家に一度相談してみるとよいでしょう。
贈与に必要な3つの条件
贈与は、財産を「あげる人」と「受け取る人」の双方の合意によって成立します。単に名義を書き換えたり、契約書を作成したりするだけでは、実質的な贈与があったと認められない可能性があります。
最低限、次の3つの条件を押さえておきましょう。
注:図はイメージで、全てを網羅している訳ではありません。
出所:野村證券投資情報部作成
- 1.双方が合意している
- 贈与する方に、財産を無償で渡す意思があり、受け取る方(またはその法定代理人等)にも受け取る意思が必要です。双方が贈与について理解し、合意していることが基本です。
- 2.贈与の記録を残している
- 贈与を行ったことが確認できるよう、贈与の記録や契約書などを残します。契約書だけで贈与が成立するわけではありませんが、贈与の事実を確認するための記録になります。
- 3.財産を実際に引き渡している
- 名義を変更するだけでなく、受け取った方が財産を自由に使える状態にする必要があります。
贈与の事実や実質的な管理状況が確認できない場合、税務上、贈与として認められず、相続税の課税上問題となる可能性があります。「双方の合意」「記録」「引き渡し」の3点がそろっているか、確認しておきましょう。
贈与による対策は早めに
相続開始前の一定期間内に、相続または遺贈等により財産を取得した方に対して行われた贈与は、一定の要件のもとで相続税の課税価格に加算される場合があります。
加算の対象期間は、相続開始日等によって異なります。
令和8年12月31日以前は原則として3年以内、令和9年1月1日以後は段階的に延長され、令和13年1月1日からは7年以内となります。そのため、贈与を相続対策として考える場合には、早めに検討することがポイントです。
贈与した資金を将来に役立てる
贈与された資金を、受け取った方の将来に向けた資金づくりに活用する方法もあります。
こどもNISA・NISAを活用する
受け手が18歳未満の場合は2027年1月に開始されるこどもNISA1を、18歳以上の場合は現行のNISA2を活用することで、受け手の将来に向けた資産形成を支援できます。
ただし、投資には価格変動による損失のおそれがあります。商品によって手数料やリスクが異なるため、内容をよく確認することが大切です。
1年間投資枠60万円/非課税保有限度額600万円
2年間投資枠360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)/非課税保有限度額1800万円
まとめ
贈与は、資産を次の世代へ先に渡し、ご自身の意思を生前に反映しやすい方法です。一方、贈与として認められるためには、いくつか留意点があります。
贈与を考える際は、まずは次の点を整理してみてはいかがでしょうか。
- 贈与する方と受け取る方が合意しているか
- 贈与の記録を残しているか
- 財産が自由に使える状態になっているか
- 贈与した資金を将来どのように活用したいか
贈与の方法は、財産状況や目的によって異なります。気になる点は身近な金融機関の担当者など専門家に相談してみるとよいでしょう。
本稿は2026年9月現在の情報および施行中の法令・通達等に基づいています。今後、内容が変更される場合があります。制度の詳細は、国税庁ウェブサイト等の最新情報をご確認ください。
編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 寺田 絢子
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2026年10月13日


