2025.04.08 NEW

相互関税後の下落局面でも上昇した銘柄は? 騰落率ランキングを解説(2025年4月2日終値~7日終値)

相互関税後の下落局面でも上昇した銘柄は? 騰落率ランキングを解説(2025年4月2日終値~7日終値)のイメージ

米国のトランプ大統領は米国時間4月2日(日本時間4月3日午前5時過ぎ)、世界各国からの輸入品に対して「相互関税」をかけると公表しました。相互関税は金融市場の事前想定を上回る厳しい内容となり、世界的に株安が進行しました。日本株についてみると、相互関税の発表直前の4月2日終値時点で、日経平均株価は35,725.87円、TOPIX(東証株価指数)は2,650.29でした。しかし、発表から3営業日が経過した7日の終値時点では、日経平均株価が4月2日終値比で12.85%安の31,136.58円、TOPIXが同13.64%安の2,288.66と大幅に下落しました。

「相互関税」発表後の騰落率上位・下位20銘柄は?

主要指数が大幅に下落したこの期間、個別銘柄ではどのような銘柄が大きく値上がり、値下がりしていたのでしょうか。TOPIX500の構成銘柄について、4月2日終値と7日終値を比較して、騰落率の上位20銘柄と下位20銘柄について見ていきます。

TOPIX500構成銘柄 騰落率ランキング上位20銘柄(集計対象期間:4月2日終値~7日終値)
順位 銘柄コード 銘柄名 株価終値 株価騰落率
2025年4月2日 2025年4月7日 4月2日~7日
(円) (%)
1 3038 神戸物産 3,422 3,704 8.24
2 4528 小野薬品工業 1,541.0 1,623.0 5.32
3 9843 ニトリホールディングス 14,235 14,880 4.53
4 8174 日本瓦斯 2,230.0 2,330.0 4.48
5 3088 マツキヨココカラ&カンパニー 2,308.5 2,370.0 2.66
6 3349 コスモス薬品 7,462 7,604 1.90
7 2269 明治ホールディングス 3,202 3,261 1.84
8 2809 キユーピー 2,850.5 2,895.0 1.56
9 2871 ニチレイ 1,740.5 1,766.5 1.49
10 4684 オービック 4,343 4,400 1.31
11 8267 イオン 3,660 3,700 1.09
12 4661 オリエンタルランド 2,866.5 2,891.0 0.85
13 4676 フジ・メディア・ホールディングス 2,760.0 2,779.0 0.69
14 9735 セコム 5,025 5,038 0.26
15 4507 塩野義製薬 2,250.0 2,253.5 0.16
16 2267 ヤクルト本社 2,812.5 2,816.0 0.12
17 9020 東日本旅客鉄道 2,939.0 2,941.5 0.09
18 9007 小田急電鉄 1,465.0 1,465.5 0.03
19 2212 山崎製パン 2,777.0 2,776.5 -0.02
20 9749 富士ソフト 9,826 9,813 -0.13

(注)TOPIX500構成銘柄の2025年4月2日終値と7日終値を比較し、騰落率の上位20銘柄を掲載している。
(出所)野村證券投資情報部作成

内需系やディフェンシブ銘柄が堅調に推移

騰落率上位20銘柄を東証33業種別に見ると、世界経済への不透明感の高まりから、小売業やサービス業、陸運業といった内需系やディフェンシブ性の高い情報・通信業や食料品などの銘柄が上位にランクインしています。

特に、小売業が5銘柄、食料品が5銘柄と多くランクインしました。小売業からは3位にニトリホールディングス(9843)、4位に日本瓦斯(8174)、5位にマツキヨココカラ&カンパニー(3088)、6位にコスモス薬品(3349)、11位にイオン(8267)がランクインしています。食料品からは7位に明治ホールディングス(2269)、8位にキユーピー(2809)、9位にニチレイ(2871)、16位にヤクルト本社(2267)、19位に山崎製パン(2212)がランクインしています。

騰落率ランキング下位 AI関連や銀行の下落が目立つ

騰落率下位20銘柄を東証33業種別に見ると、AI関連銘柄が含まれる非鉄金属や電気機器、日本銀行の追加利上げ期待を背景に注目されていた銀行業など、最近テーマ性のあった業種の下落が目立ちました。

TOPIX500構成銘柄 騰落率ランキング下位20銘柄(集計対象期間:4月2日終値~7日終値)
順位 銘柄コード 銘柄名 株価終値 株価騰落率
2025年4月2日 2025年4月7日 4月2日~7日
(円) (%)
1 5803 フジクラ 5,353 3,593 -32.88
2 6723 ルネサスエレクトロニクス 2,026.0 1,380.0 -31.89
3 7012 川崎重工業 9,034 6,182 -31.57
4 6976 太陽誘電 2,529.0 1,794.0 -29.06
5 6506 安川電機 3,719 2,668.0 -28.26
6 5344 MARUWA 30,500 21,950 -28.03
7 6323 ローツェ 1,423.0 1,030.5 -27.58
8 4062 イビデン 4,104 2,975.0 -27.51
9 8308 りそなホールディングス 1,250.5 907.0 -27.47
10 5802 住友電気工業 2,412.5 1,750.0 -27.46
11 8411 みずほフィナンシャルグループ 4,011 2,925.0 -27.08
12 8377 ほくほくフィナンシャルグループ 2,548.5 1,860.5 -27.00
13 5631 日本製鋼所 5,255 3,866 -26.43
14 3436 SUMCO 1,014.5 747.9 -26.28
15 6525 KOKUSAI ELECTRIC 2,427.0 1,789.5 -26.27
16 4004 レゾナック・ホールディングス 3,050 2,250.0 -26.23
17 7167 めぶきフィナンシャルグループ 712.2 526.9 -26.02
18 5838 楽天銀行 6,225 4,613 -25.90
19 6141 DMG森精機 2,815.0 2,087.5 -25.84
20 6632 JVCケンウッド 1,265.5 938.6 -25.83

(注)TOPIX500構成銘柄の2025年4月2日終値と7日終値を比較し、騰落率の下位20銘柄を掲載している。
(出所)野村證券投資情報部作成

特に、電気機器が6銘柄、銀行業が5銘柄と多くランクインしました。電気機器からは、2位にルネサスエレクトロニクス(6723)、4位に太陽誘電(6976)、5位に安川電機(6506)、8位にイビデン(4062)、15位にKOKUSAI ELECTRIC(6525)、20位にJVCケンウッド(6632)がランクインしています。銀行業からは9位にりそなホールディングス(8308)、11位にみずほフィナンシャルグループ(8411)、12位にほくほくフィナンシャルグループ(8377)、17位にめぶきフィナンシャルグループ(7167)、18位に楽天銀行(5838)がランクインしています。

なお、4月8日は寄り付きから日本株の主要指数が大幅に反発しましたが、フジクラ(5803)をはじめとする、下落率上位にランクインしていた銘柄の反発が目立ちました。

野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課(2025年4月8日時点)

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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