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社会人が知っておきたい保険の話 第1回 「保険」の基本を理解! 保険の種類と仕組みを知ろう

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みなさんは保険と聞いて何をイメージしますか?生命保険、医療保険、火災保険などいろいろな種類の保険があります。また、なんとなく「入る必要がありそうだ」というイメージも持っているかもしれません。そもそも保険はなぜ入るのでしょうか?どのような保険に入る必要があるのでしょうか?さらに保険とはどのような仕組みで成り立っているのでしょうか?このシリーズでは、40代が知っておきたい保険の知識を解説していきます。第1回は保険の種類と仕組みの全体像についてです。

そもそも保険ってなに?

そもそも保険とは?

保険とは、予期せぬリスクや困難な状況に備えるための金銭的な保障の手段です。つまり、死亡、病気、ケガなどにより、将来入るはずだった収入が入らなくなってしまった場合や、突然大きな支出が必要になった場合に、将来の収入や突然の支出を補い、自分または家族の生活を支えるための手段です。

一言でまとめると、自己資金で賄えない将来の生活費や、突然の出費に備えるものと言うことができます。

保険の種類:公的保険と民間保険

保険の種類と聞くと、生命保険や医療保険などをイメージされる方が多いかと思います。これらは、まとめて「民間保険」に分類されます。

民間保険は、「公的保険では補いきれない部分について、民間保険で補う」というのが基本的な考え方です。民間保険を知るためにしっかりと理解しておきたい公的保険については、20代の社会人が知っておきたいお金の話第1回「国の制度」で説明していますので、ご参照ください。

日本は公的保険がしっかりと整備されている国です。民間保険に加入する際は、現在の資産状況や公的保険でカバーされる範囲をしっかりと把握した上、必要最低限の民間保険に入るようにすることが大切です。

保険の仕組み

次に保険の仕組みについて解説します。保険とは、保険会社が契約者から一定の金額(保険料)を集め、保険金を支払う対象の出来事に見舞われた被保険者に、保険金を支払うという契約です。どのような保険でも基本的な仕組みは変わりません。

つまり、保険は、被保険者の間でリスクを共有することで、経済的な安定性を提供する役割を果たしています。多くの人が少額の保険料を支払うことで、個々のリスクに備え、万一の時に経済的な負担を軽減することができます。

したがって、

  • 保険金が高くなれば保険料も高くなる
  • リスクが高い事象を保障する保険は保険料が高くなる
  • カバーする範囲が大きい保険は保険料が高くなる

という性質を持っています。保険の加入にあたっては、どれくらいのリスクや範囲に対して、いくらの保険をかけるか精査することが大切です。

ライフプランを考える上での保険の役割

ライフプランとは

では、次にライフプランを考える上での保険の役割を見ていきます。

その前に、ライフプランとは何かを改めて説明します。ライフプランとは、個人や家庭が将来の目標や希望を実現するために立てる計画や生涯生活の設計のことを指します。

これは、財務的な目標や生活スタイルに合わせて、収入、支出、投資、貯蓄、保険、年金などを調整するためのロードマップとして機能します。ライフプランは、個人や家庭が経済的な安心と幸福を追求するために不可欠なツールです。

ライフステージによって異なるリスク

ライフプランは、年齢や家族構成によっていくつかのライフステージに分けることができます。人は、ライフステージによって異なるリスクを抱えています。

例えば、学生の頃はスポーツの部活動などでケガをするリスクが高いといえます。結婚し、家族ができれば家族の収入を保障したり、住宅ローンを返したり、子どもの学費を確保したりする必要が生じます。

さらに、年齢を重ねるごとに、病気のリスクはだんだん高くなっていきます。一人ひとりの人生が異なるように、最適な保険もその人の人生によって異なります。各ライフステージに応じて最適な保険に加入し、見直しを定期的に行うことで、より良いライフプランを作ることができます。

安心と幸福を得るためのライフプランと保険

では、ライフプランを考える上で、なぜ保険が必要なのでしょうか?

人は生きていれば、何かしらのリスクを抱えています。そのリスクが全て自己資金で賄えれば不安はありません。

しかし、残念ながら全てがそうではありません。例えば、若くして亡くなってしまうリスクを考えると、多くの場合、残された家族に大きな負担をかけてしまいます。

また、貯金が少ないのに大病を患ってしまうリスクを考えると、医療費が支払えるのかとても心配になる人もいるでしょう。

こうしたリスクに備え、保険料を支払うことで、これらのリスクに対応できることがわかっていれば、毎日を安心して生活することができます。

また、ライフプランを作成し、長期的な視点を持つことで、必要な期間や保険金額が明確になり、ライフステージに最適な保険を見つけ、リスクとのバランスが取れるようになります。

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保険の種類と用語

それでは、最後に主要な保険の種類と用語を表形式でまとめてご紹介したいと思います。この記事の冒頭で、「公的保険では補いきれない部分について、民間保険で補う」というのが基本的な考え方と説明しました。そこで、公的保険、民間保険の順にまとめていきます。

公的保険

リスク 保険制度 解説
ケガ・病気 健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度・高額療養費制度・傷病手当金・子ども医療費助成制度・指定難病医療費助成制度など 自分や家族が、病気やケガをしたときに医療費の一部が軽減される制度。自己負担割合は年齢や所得により1〜3割。
業務上・通勤途上のケガ・病気 労働者災害補償保険(労災保険) 労働者の業務上の事由や、通勤による労働者の傷病等に対して 必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度
老齢 公的年金(老齢年金) 高齢になったときに終身給付を受けることができる年金。受給開始時期は原則65歳からで、60歳から75歳までの間で選択可能。
死亡 公的年金(遺族年金) 年金受給者や被保険者が亡くなったとき、亡くなった方の収入で生活していた配偶者や子どもなどが給付を受けられる。(子どもの年齢は原則18歳以下)
介護・認知症 公的年金(障害年金) 加入中、病気やけがなどによって障害の状態になったときに給付を受けられる。「障害の状態」とは、視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などの障害だけでなく、長期療養が必要ながんや糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの内部疾患、または統合失調症などの精神の障害により、仕事や生活が著しく制限を受ける状態になったときなども含まれる。また、障害者手帳を持っていない場合でも、障害年金を受けることができる。
公的介護保険等 公的介護保険は40歳以上の人が加入して介護保険料を納め、必要時に要介護認定を受けることで、介護サービスが受けられる保険。
障害 公的年金(障害年金) 上記参照
自立支援医療 心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度。精神通院医療、更生医療、育成医療がある。
障害福祉サービス 個々の障害のある人々の障害程度や勘案すべき事項を踏まえ、個別に支給決定が行われる「障害福祉サービス」と、市町村の創意工夫により、利用者の方々の状況に応じて柔軟に実施できる「地域生活支援事業」に大別される。
失業  雇用保険 労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方(けがや病気を理由とする場合を含む)や教育訓練を受けられる方等に対して、「失業等給付」等が支給される。
  • 参照)金融庁「公的保険について」
  • このコラムは、2023年11月時点の情報に基づくものです。

編集協力:寺澤 真奈美 2級ファイナンシャルプランニング技能士/
編集・文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室

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