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株式インデックスの算出方式(資産運用の視点)

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株式インデックス(以下、指数)とは、株式市場の動向を示す指標のことです。指数の算出方式のうち、伝統的なものは株価平均型と時価総額加重平均型と呼ばれます。

株価平均型の基本的な考え方は、文字通り株価の平均を算出することです。長い伝統をもつ算出方式で、指数値が円、ドルなどの通貨で表されるため分かりやすいといえます。代表例としては、日経平均株価や米国のダウ平均株価等があります。この方式の指数では、値がさ株(1単元の購入に必要な金額が大きい株式)の値動きが指数の値動きに影響を与えやすいことには注意が必要です。

時価総額加重平均型は、株式会社ごとの市場価値を表す時価総額(株価×発行済株式数)の大きさに比例して、銘柄が指数の中で占める割合(以下、ウエイト)を決定します。構成銘柄全体の市場価値変動を把握できるとされ、代表例としては東証株価指数や米国のS&P500等が挙げられます。近年では市場の実勢を指数に反映するために、発行済株式の代わりに浮動株(市場に流通し、売買される可能性の高い株式)を採用した時価総額を用いる方式が主流です。

時価総額加重平均型では時価総額を用いてウエイトを決定しますが、株価の適正価格を超える割高な銘柄の時価総額が大きくなることに伴い、ウエイトが大きくなる傾向にあります。その場合、割高な銘柄が適正価格に戻っていくと指数リターンが低下すると言われています。

この解決案として、株価や時価総額とは異なる基準でウエイトを決定する算出方式が注目されています。全構成銘柄のウエイトを等しくする等金額投資型や、財務データを用いてウエイトを決定するファンダメンタルズ型などです。最近のスマートベータ指数(財務指標や株価の変動率など銘柄の特定の要素に基づいて構成された指数)の中にも、従来型とは異なるウエイト決定方式の指数が見られます。

指数は金融商品のベンチマークとしても用いられます。そのため、金融商品の特徴を把握するには、指数の算出方式について理解することが重要です。市場の動きの把握や市場を反映したポートフォリオ構築のためには、時価総額加重平均型指数が適しているでしょう。

市場を超えるリターンを目指す場合は、異なる算出方式の指数の中から探した方が良いかもしれません。様々な指数の算出方式に着目すると、自身の運用スタイルに沿う金融商品を探すのに役立つでしょう。(2022年10月27日FINTOS!編集部、「野村週報」 2022年10月24日号「資産運用」より)

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