経済・市場に見る100年の軌跡① 日本のGDPの長期変遷~100年超の軌跡~

野村グループは2025年12月25日に創業100周年を迎えました。
経済・金融市場の長きにわたる成長・発展の上に、私たちの今があります。100年の歴史を振り返ると、世界的な戦争や恐慌、高度経済成長やバブル経済など、様々な局面がありました。覇権国が英国から米国に移り、ソ連と西側諸国との冷戦、固定相場の為替レートが変動相場に転換するなど、今とは比べ物にならないほどの変化や不確実性がありました。
人生100年時代。これからの長い人生を歩む中で必要となる、投資や資産の保全には、避けて通ることのできない選択肢の連続が待ち構えています。
本シリーズでは、野村證券株式会社投資情報部が発刊した「経済・市場に見る100年の軌跡 ~超長期の変遷が映し出す変化~」から、長期的な視野で過去を振り返ることで、皆様がこれから直面するリスクに備え、未来への展望の一助となるよう、経済の学びをお届けします。
日本経済の100年超の歩み
日本経済の100年超の歩みを3つの局面に分けると、太平洋戦争終戦までの戦前期と、戦後の1970年代前半までの高度経済成長期、1990年代以降の停滞期となります。戦前は、成長率や物価が今よりはるかに大きく変動しました。戦後は経済復興やインフラ投資の拡大による高成長の期間が続いた後、1990年代以降は成長率とインフレ率が低迷する局面が長く続きました。

具体的には、帝国主義が強まる中、欧米列強と東アジアを中心に植民地の拡大競争を続けた戦前は、日清戦争(1894~1895年)の勝利による巨額の賠償金獲得が、八幡製鉄所建設などの富国強兵の原資となりました。
1914年からの第一次世界大戦で、日本は東アジアを中心に権益を拡大し経済成長を達成したものの、1929年の大恐慌により景気は悪化し、以後、戦時経済への移行により高インフレと実質GDP成長率の低迷が続きました。
戦後の復興からバブル経済
戦後の復興局面では1970年代初頭まで実質GDP成長率が2桁を記録する高度経済成長が続きました。1950年代の三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)や、1960年代の新三種の神器(カラーテレビ、クーラー、乗用車)などが消費を喚起し、1964年の東京オリンピック開催に向けて首都高速道路の開通(1962年12月)や新幹線の開業(1964年10月)などのインフラ投資が成長をけん引しました。
1970年代は2度のオイルショックに端を発する原油価格の急騰により、インフレが急伸して名目GDPは急拡大しましたが、実質GDP成長率は低迷しました。1980年代は国際的な米ドル安への協調を目的としたプラザ合意後、低金利政策が不動産開発投資を中心にバブル経済を加速させ、名目GDPは1988年には400兆円に達しました。
バブル経済崩壊から現代
バブル経済崩壊後は、政府の経済対策が一時的に景気を下支えしましたが、供給過剰の解消が遅れてデフレ的な経済状況が続き、日本の名目GDPは1992年から2023年まで、おおよそ500兆円台での推移が続きました。
一方、2022年から消費者物価上昇率(除く生鮮食品)が2%を上回り、デフレ局面を抜けると、名目GDPの水準は切り上がり、2024年に600兆円を超え、再び拡大局面に入っています。
現代は、戦前の帝国主義、大国間の戦争が頻発する戦時経済に戻る可能性は低いとみられます。日本の総人口は2008年をピークに減少に転じましたが、新産業の勃興や女性の社会参画など国民・国家・企業のさまざまな取り組みが経済成長を支えています。
- 第1回:日本のGDPの長期変遷~100年超の軌跡~
- 第2回:ダウ指数の長期変遷~130年の推移~
- 第3回:日本の産業構造の変遷と上場企業(準備中)
- 第4回:米ドル円の長期推移~150年超の推移~(準備中)
- 第5回:日本の政策金利と長期金利~100年の推移~(準備中)
- 第6回:日本と米国の100年におよぶ人口動態(準備中)
- 第7回:主要国・地域の経済規模にみる地位の推移(準備中)
- 第8回:日本における家庭の耐久消費財・サービスの普及率の変遷(準備中)
- 付録:100年間の歴史年表<1920年~/1980年~>(準備中)
編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 小高 貴久
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2026年1月7日


