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経済・市場に見る100年の軌跡⑦ 主要国・地域の経済規模にみる地位の推移

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経済市場に見る100年の軌跡⑦ 主要国・地域の経済規模にみる地位の推移

「経済・市場に見る100年の軌跡」シリーズの第7回では、主要国のGDP推移を通じて、世界経済の構造変化と日本経済の課題を整理します。
世界経済の勢力図を名目GDP(以下、GDP)で見ると、米国の優位が続く一方で、中国やインドの存在感が急速に高まっています。1980年代から90年代前半まで世界第2位だった日本は、現在では主要国の中で相対的に地位を下げています。

GDP世界一の米国

GDPで見た世界経済の中心は米国で、概ね世界全体の25%を占め、(以下、IMFデータ)第二次世界大戦以降、長年にわたって覇権国としての地位を維持しています。GDPはその国や地域の経済力を示す指標であり、1980年以降の推移を見ると、各国の経済力の浮沈が明確に表れています。

主要国・地域の世界における名目GDPのウエイトと米国・中国・ユーロ圏を除く主要国・地域の名目GDP(円建て)を示す折れ線グラフ
注:データは年次で、直近値は2024年、2025~2030年はIMFの予想。アセアン5は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5ヶ国。
出所:IMFより野村證券投資情報部作成

日本は、加工貿易が主導し、2005年 まで世界のGDPの10%以上を占めていました(以下、ウエイト〇%)。1994 年には、米国に肉薄するウエイト 17.8%まで上昇しました。
しかし、日米貿易摩擦や円高により、製造拠点がアジアを中心に海外に移り、中国が台頭するとその地位は大きく後退し、2023年にはドイツに追い越され、ウエイトは2024年には3.6%まで低下しています。

世界経済の中で台頭した中国

中国が世界経済の中で台頭したのは、1978年の鄧小平の主導による市場原理と外国資本を導入して経済成長と国民生活の向上を図った改革開放政策の実施や2001年のWTO(世界貿易機関)への加盟により輸出を中心に経済が拡大したこと等が主な要因として挙げられます。また、2008年のリーマン・ショックに伴う世界的な景気悪化局面で、経済対策として4兆元の大規模投資を行い、以降、不動産やインフラ投資を中心に経済を急拡大させました。
その結果、中国のウエイトは2010年に日本を抜き、2011年には10%台に達しました。
2018年には中国1国でユーロ圏を超え、現在もおよそ17%程度の推移が続いています。
こうした中国の台頭は、米国にとっても脅威とみられるようになり、近年は関税や貿易規制など、過去の日米関係以上の摩擦が生じています。

今後の世界のGDP

今後の世界のGDPは、2026年にはインドが日本のGDPを追い抜くと予想されています。
2030年には、日本経済は米国、中国、ドイツ、インドに加え英国の後塵を拝し、世界第6位となるとみられていますが、円安による為替換算の目減りを言い訳とせず、実力ベースの成長により、世界の中の主要国としての地位を維持することが求められるでしょう。
ユーロ圏や日本のウエイトが低下する一方で、アジアを中心とした新興国は今後も成長力の高い地域とみられます。
米国の関税政策により、世界の経済構造が再編を迫られ、新興国を中心とする輸出主導型の経済成長にブレーキがかかる可能性もあります。
日本経済の成長には今後発展する国・地域の成長を取り込むような投資などが重要になるでしょう。

編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 小高 貴久
編集/文責:野村ホールディングス株式会社ファイナンシャル・ウェルビーイング部

記事公開日:2026年2月27日

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