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経済・市場に見る100年の軌跡⑧ 日本における家庭の耐久消費財・サービスの普及率の変遷

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これまでの「経済・市場に見る100年の軌跡」シリーズで、私たちを取り巻く経済環境の変化を日本のGDPの長期変遷や、米ドル円の長期推移といった、広い視点で見てきました。本コラムでは、より私たちの生活に近い、携帯電話や家電などのモノ(耐久消費財)やサービスの普及率の変遷という観点から社会の変化について触れていきます。

モノやサービスの普及率は世相を映し出す鏡

普及率は、モノやサービスの消費者ニーズを示すだけでなく、その時々の世相を映し出します。消費者の需要が強ければ普及が急激に進み、反対に代替品が登場する製品は普及率が低下するなど、社会の変化を捉える側面があります。
1950年代は戦後復興の豊かさの象徴として、「三種の神器」と呼ばれる冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ、1960年代は「新三種の神器(3C)」と呼ばれる、カラーテレビ、クーラー、車(Car)が消費者の需要を喚起しました。
特に、テレビは情報家電としてニュースだけでなく様々な番組を通じた娯楽を提供し、新三種の神器の中で最も急速に家庭に普及しました。

携帯電話サービスの開始は1979年の自動車電話に始まり、1985年にショルダー型の端末が登場しました。
1991年にNTTから小型携帯電話movaシリーズが発売され、それ以降、アナログからデジタル方式への移行による音声品質の改善や携帯電話の料金認可制の廃止など様々な制度変更を経て、個々人のコミュニケーションが容易になる画期的な製品・サービスとして、携帯電話は瞬く間に普及していきました。
パソコンの普及は、1995年にマイクロソフト社が発売したWindows95が大きなきっかけでした。これにより、ビジネス用途の機器が家庭にも普及し、同時にインターネット普及のきっかけにもなりました。

日本における家庭の耐久消費財・サービスの普及率の変遷を示す折れ線グラフ
注:データは年次で、直近値は2025年(3月調査)。ファクシミリ利用の直近値は2024年。AIサービスは2023年度、2024年度の数値を示している。財・サービス毎に調査開始の年が異なる。携帯電話はスマホを含む。
出所:内閣府、総務省より野村證券投資情報部作成

スマートフォン(スマホ)の普及により旧来型のモノやサービスの需要は減少

スマホの普及率が急上昇したのは、2008年にiPhone 3G、2009年にAndroid対応のスマホが発売されたことがきっかけでした。
スマホには、カメラなどの様々な機能や、多様なアプリケーションが盛り込まれ、複数のデバイスを持ち歩かなくてもスマホ1台で事足りる便利さを生み出し、デジタルカメラなど旧来型の製品・サービスの需要減少を招きました。

今後も新たな技術やサービスが急速に普及する可能性

パソコンやスマホなどの情報端末に加え、SNSなどの数々のアプリケーションの普及は、人々のコミュニケーションを変容させています。一方、利用者の行動履歴から好むものばかりが表示される「フィルターバブル」や、同じような価値観を持つ人々が交流・共感することで意見や思想が偏って増幅する「エコーチェンバー」などの問題も浮上しています。
情報技術・通信の分野では、昨今様々な問題点が指摘されていますが、問題解決のための技術革新や、新制度などが整うことも期待されます。今後も生成AIなどに代表されるような新たな技術・サービスの普及が急速に進むことでしょう。

編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 小高 貴久
編集/文責:野村ホールディングス株式会社ファイナンシャル・ウェルビーイング部

記事公開日:2026年3月6日

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